第8話 「ドルグバニア王国の最後」
ペインを助ける為、エルトネアの皆が本来の姿になる中、ディスペラードも、本来の姿に戻っていった。
「さァて…ドイツカラ…喰うトスルカネ…!」
私は、姿を変えた…私の本来の姿に。
骸骨でもなく、人でもない、曖昧な存在に、私は昔なっていた、だから創ったのだ、「新羅改竄 シーラアルター」を。
大国であるドルグバニアと、比較にもならない程の大きさを誇る、私の本来の姿の名称は、「絶望の死人龍」
人を食べるごとに、その人が髪の色として現れる。
「ァァ……久々だ…本来の姿に戻るのは、感情者達よ…皆も、本来の姿に戻りなさい」
私の、呼びかけにエルトネアの皆は姿を変え始めた。
フューリーはバハムートに、フィアーはスピリットキング、プレジャーは、ドールエンペラーへと。
ラビューは、海月姫へ、マーシーは、死天秤に、そして……ペインは、マミーネセトへ。
「さぁ…殲滅だ!」
私達の進行が始まった。
大国ドルグバニアの半分を占める大きさの私に続くそれより2回り程の大きさの他の皆もペインを支えながら進み始めた。
「手を出さないで!
絶望の死人龍…ディスペラードは、鮮血属性の持ち主、全ての属性の魔法、物理攻撃を無効化するの!」
「そん…な、」
「勝てるわけが無い…。」
そんな事を言っている兵士を他所に、魔術師カトレアは、このドルグバニアを守る事に必死だった。
「貴方達の目的は何?!!」
魔術師のカトレアが私に言ってきた、だが答えようとする前にドルグバニアの兵士の攻撃が先に当たった。
ドォォォン…!!!!
「よっしゃ当たった!」
「コレで……、ダメージを与え…」
兵士が言い切るよりも前に、私の攻撃が兵士に向かって放たれた。
コォォォォォ…!!
「目障リダ……消エ失セロ…!!!!」
ドォォォォォォォオ…!!!!!!!!
山羊の頭蓋骨の様な頭の口から放たれた大型ブレスは、ドルグバニアの半分を覆った、ブレスが覆った場所は、生き物も家も、何もかもが溶けて面影が何一つ無い状態へと、なってしまった。
ガクッ
「そんな……、こんなの…勝てない…。」
アハ…ハハハハ…
魔術師カトレアは、絶望の死人龍の攻撃を目の当たりにして、膝を着き絶望してしまっていた。
絶望した、カトレアはただ笑うしか無かった。
「ディスペラ〜、もうすぐ俺達は国から出るから、すぐ来てくれよな〜♪」
フューリーから、ディスペラードに、もうすぐ国から出るとの報告が来た。
そう、ディスペラードが国で暴れていた理由は、ディスペラ自身に兵士が注目している間に、ペインを抱えた、他の皆が国を出るという作戦だったのだ。
さすが…フィアーだ、よくあんな短時間で考えダす…。
心の中でそう言いながら。
「分かっタ、私も直グに向カウ」
そう言い残し、連絡を絶った。
「さァて……この魔術師を連れていくか…。」
私は、そう言い、魔術師カトレアを握り、死なない程度で持ちながらこの国から、出た。
だが、攻撃してくる奴らもいるため、そうしてくる場合は。
「撃てぇぇ!」
ドォーン!!!!
城壁の上からの兵士の攻撃がディスペラードへと、飛んでくるが、ディスペラードの鮮血属性と煉獄属性の防壁によって、無効化された。
キュィィィィイン…!!!!
さっきのブレスよりも遥かに超えている程のブレスを溜めている。
「小賢シイ…!!!
下等生物風情ガァァァ!!!!」
そして、ドルグバニア王国へと放たれた。
ドゴォォォォォォォ!!!!!!!!
シュゥゥゥ…!!!!
カトレアは見ていた…、ディスペラードに握られたまま祖国が、一瞬で生滅するとこを…。
それを見たカトレアの心は…その圧倒的な強さを見て、心が折れた。
「「「「「「はぁぁ……。」」」」」」
ゲーム時代の時と同じように、ドルグバニア王国を滅ぼしてしまった事に、ディスペラ達はため息をついていた。
そして、人型へと、姿を変えた彼等は次の街へと、歩み始めた。