第3話 「恋愛者」
王との謁見、ディスペラードが言った、ギルド「ラビリンス」とディスペラの関係とは。
「貴方は…ディスペラさん!?」
王は、凄く驚いた、自分の昔のパーティーメンバーがやってきた事に。
ディスペラードは、昔、サーキンスのギルド「ラビリンス」に入っていた、その頃の種族はメイジキング(魔術の王)だった。
「久々だね、サーキンス」
私は、久々の再会に顔が綻んだ。
「やはり、このSILLA ALTERの世界に革命を起こした、君も転移されたんだな」
「革命…?転移された原因を知ってるのですか!?」
「あぁ、知ってると言うより、分かったの方が近いな」
簡単な話しだ、このSILLA ALTERの世界に革命、それか伝説や神話を遺した人達がこの世界に転移させられた、コレが最も最適な考え方であると思う。
そんな事をサーキンスに話した。
「そう…いうことだったのですね…」
「まぁ、あまり気にすることないと思うぞ?」
「え?」
サーキンスは何故?と言う感じで首を傾げた。
「こんな、素晴らしい世界に来たんだぞ?いろいろと試したいこともあるしな、気に病む必要はないだろ?」
そう、この世界は私達の知っているSILLA ALTERの世界、ならばいろいろとやってしまった方が楽しいだろうと私は思ったのだ。
「サーキンス、私は自分の仲間と、私の作り上げた空の大陸を探す旅に出ようと思う。だから君も君が出来る事をすればいい、この国を護れ、いいな?」
「は…はい!!」
サーキンスは、大きな声で返事をした。
周りにいた臣下の者達は驚いていたけど。
そう言いながら私は、サーキンスの下から去った。
「これからどうしますか?ディスペラ様」
「そうだな…南の国に行こうと思ってる」
「ラビューが居そうだな笑」
南に行くのは仲間がいるかもしれないからだ、仲間探しが今の目的の私達はまず、いろいろな国に足を運ばなければならない、ならば、ここから近い水の国に行こうと思ったのだ。
「さぁて、行きますかね」
私が、そう言うと。
「ええ」
「おうよ!」
2人も同意してくれた。
そして、食べ物や必要な物などを買い、この国へと別れを告げ、シースル王国を出て南の国へと歩き出した。
草原の道を歩き、山の中へと足を踏み入れたのだが、途中でフューリーが。
「なぁ〜、休もうぜ、疲れちまったよ」
と、文句を言ってきた、まだ歩けるはずだろ、まだ歩いて1時間も経っていないぞ。
「そう…ですね。」
まさかのフィアーも同意しちゃうのね(苦笑い
そんな事を心の中で言いながら、私は言った。
「休憩するか」
休憩中に食べるものはデビルシープの焼肉と、レビアルの実のパイである。
モグモグ
「ほぉ、デビルシープの肉案外イケるな」
たしかに美味い、芳醇な肉汁と弾力のある噛みごたえ、調味料を、付けなくても味がついていると、思う程の濃厚さ、凄く美味い。
サクッサクッ
「こちらのパイも美味しいですよ」
レビアルの実は、酸味が強すぎるため、ハチミツをたくさん入れ、酸味を落ち着かせてから作ることで酸味と甘みが丁度良い具合に混ざりあって美味しくなるのだ、
外はサクサク、中はもっちりとしていて、こちらも美味い。
2人にも結構、好評みたいだ。
私も早く食べなければフューリーに食べられてしまいそうだ、急いで食事を済ませ、地図を確認しながらまた、歩き出した。
「ん?潮の香りがしますね」
フィアーがそう呟く、たしかに潮の香りがする、海が近いようだ。
「おい、フィアー、ディスペラあれみろよ、すげぇ綺麗だぜ」
と、年甲斐もなくはしゃぐフューリーを他所に私とフィアーはその方向を見た。
「「おぉぉ」」
南の国が目の前にあったのだ、海の上に造られている噴水が何個かあるのが分かる、そして、中心には滝の流れる巨城が見えた。
私達はその国の下まで走り出した、新たな国での新たな出会いに導かれて。
門の所まで行くといつもと同じ、では無く普通に通して貰えた。
私の外見を、「新羅改竄 シーラアルター」を使い人の姿に変更したからだ。
「「「おぉぉ」」」
シースルの時とまったく同じリアクションをとってしまった汗。
「ん?…あれは…」
ふと、大きな噴水の所に目を向けると、綺麗な髪をした女性が立っていた。
その女性は私に気付くと側まで走ってきて、こう言った。
「やっとお会い出来ましたね、ディスペラ様♪」
「ラビュー…久しぶり」
ラビューと呼ばれる彼女は一体…。