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ブックマークありがとうございます。

 ジャージ姿で初詣に行こうとして母にこっぴどく叱られた。新年そうそう初怒りはないとぼやくと、まだ0時は回っていませんといわれてしまう。年越しそばを食べたばかりなのでお腹は一杯。とりあえずクラスメートのくるみが褒めてくれた洋服に素早く着替え、上から茶色のダッフルコートを羽織って出かける。


 年はまだ明けていないが、明けましておめでとうと猛に新年の挨拶をした。彼はちーすと返辞を返してきた……なんだかひどく損をした気持ちになる。


 夜の参道にかがり火が炊かれ、初詣を済ました参拝客と道ですれ違う。


 猛と一緒に除夜の音を聞きながら境内までの長い階段を登る。いつもは人が少ないこの階段も今日だけは沢山の参拝客で賑わう。境内では甘酒が配られ一杯頂くと、口から出る白い息がいっそう大きくなる。甘酒を飲み足りなさそうな彼の顔をみて


「もう一杯貰って来なよ」


 トンと背中を押してあげる。エヘヘと笑って甘酒の列にもう一度並ぶ。まだまだ子供だと苦笑する。カップを二つ持って戻ってきたので上方修正してあげた。


 小さな拝殿に参拝客の列が増え始めた。二十分ほど並んでようやく賽銭箱の前までたどり着く。勢いよく賽銭を賽銭箱に放り込む……賽銭は静かに入れた方が良いと思うが、チャリンという音を聞きたくて強く投げ入れてしまう。そうして、鈴を鳴らし一年の無事を祈る。


 猛も賽銭箱に賽銭を投げ入れたが、木箱に弾かれ外に転がり落ちる。彼の唖然とした顔で初笑いを済ませた。


「あなたピッチャーですよね」


「ピッチャーですがなにか!」


 つまらない会話のキャッチボールを楽しみながら絵馬を買う。


 もちろん絵馬に書く願い事は――――。

お読み頂いてありがとう御座いました。

評価、感想、誤字脱字、など頂けましたら幸いです。

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