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四軍部室そこは野獣の群れ。
「ヤローども昨日は寂しい一日を送ったでしょうから、私から幸せのお裾分けをしてあげる」
机には昨日もらったチョコの山。
「誠ちゃんのラッピングチョコを期待した昨日をかえせ!」
部員の一人が叫ぶ。どっと部室がわく。
「さあ、男どもお食べなさい!」
ワーと群がるハイエナたち。彼らの姿を見ながら語り出す。
「アイドルってさあ、もらったチョコを食べないのよね。どうしてか知ってる? 手作りチョコの中に思いのこもった爪が入っていたり、自分の血を入れたりする人がいるからなの」
一瞬、刻が止まる部室。
「俺、今何かジャリッとしたチョコを食べたよ」
大爆笑に包まれる部室。
「一応やばげな手紙が入っていたチョコは除いておいたから後は自己責任」
誠ちゃんそれは先に行ってよという突っ込みに部室がまたわく。
机につまれたチョコレートの富士山も、高校男子という猛獣の前では砂山でしか無かった。誠のバレンタインデーがようやく終わった。
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