第57話 第三者という立場でみると、周りの事がよく見える。
【七五三田 悠莉】
恐らく、咲来であろう人物から、LINEが来てから一日が過ぎた。俺は未だにスマホを開いては閉じ、開いては閉じを繰り返している……。
「う~ん……あー……おおおああああああ!」
とかうめいたり言ったりしながら、ベッド上でゴロゴロしていると、菜衣子がドアをあけ、
「悠莉くんうるさい!」
と言って入ってきた。
「もう! 今何時だと思ってんの!? まだ朝の四時半だよっ!! 何? 不眠症なの?! だったら自律神経とっとと整えてさっさと寝て! 今日も学校なんだから、もうちょっと寝かせてよ! バカお兄ちゃん!」
「ご、ごめんなさい…」
菜衣子の激怒に俺があせって謝ると、菜衣子はぶつくさと文句を垂れながら眠そうな目を擦り、自室へと戻っていった。てか菜衣子があんな怒るの久しぶりに見た気がする。ちなみに、アイツは怒ると俺の事を"お兄ちゃん"と呼ぶ。
それから、俺は別に寝ていないわけではない。咲来へ対してなんと返事しようかと考えているうちに、いつの間にか眠ってしまい、気づいたら4時前であったわけである。そこからぐだぐだとしているといつの間にかこんなことになっておりました。
…てか、昨夜、誰も晩御飯呼びに来なかったんですけど…わたしノーゴハンなんですけど…はぁ…咲来への返事は思い付かないし…腹へったし…とりあえずなんか食うか…。
***
キーコーンカーンコーン…
昼食のチャイムである。でも俺は眠たい…そう思い机に突っ伏していると、横から
「ふっ!」
と耳に息をかけられる。
「うわっ!」
ビックリして跳ね起きると、仁井園さんがけたけたと笑いながら、
「あはは、起きた起きた♪」
と喜んでおられるではありませんか。つか、いきなり耳に息をかけるな。
「なんだよ、てかいきなりやめろよな」
「なに? 怒ってるわけ?」
「いや、別に怒ってはないけど…」
あれ?なんで俺悪くないのに萎縮してんの?なんでこの人の素ってこんな怖いの? さすが仁井園さん。ソロになり、俺みたいなヤツと一緒にいるにも関わらず、スクールカーストの上位にいるだけありますね。そんなことを考えていると、神城がどこからか戻ってきて、
「あ、七五三田起きた」
と言ってすぐに
「ごはん食べに行こうぜ☆」
といつもの調子で誘ってきたので、中庭へと移動する。すると、いつも神城が真ん中、右に仁井園、左に俺…という列びなのに対して、本日は俺が真ん中である………。
「………」
カチャカチャ…カポッ…ガサガサ……
各々が弁当をあけたり、袋をまさぐる音がする。……てか、これなんかあっただろ…何時もだったら、神城が仁井園に「これ真理子好きでしょ?」とか言いながら、たまたま弁当に仁井園の好物入ってましたよ?みたいなていで絶対仁井園が好きだからわざわざ自分の弁当に作っていれてるなんかオシャレな匂いのする唐揚げみたいなの渡すじゃない?
そんで仁井園もそれうすうす気づいてるから、もらってばかりじゃ悪いかな?みたいな感じでデザートにヨーグルト渡すじゃない?俺が見たところ、二人とも準備はしているようである……
では、なぜふたりはそれをトレードしないのか、それはたぶん小さな蟠りである。何があったかは知らないが、お互いに嫌いあってはいないし、たぶん仲良くはしたいのだ。何故なら本当に気まずかったらここには来ないし、お互いの好きなものをもちよってはこないからである。だからおそらく、この問題は軽い……しかし、二人が話もせずに俺をはさんで昼食をとっているのは――――
「ん、んん"っ!」
俺が咳払いをすると二人がこちらをみる。
「七五三田風邪?」
仁井園が言う
「最近冷えてきたからねぇ…」
「あー確かに…」
「なんか喉がな…すまん」
どう?この咳払い1つで会話を生み出す私の采配。誉めて良いよ?
たぶん、二人はなんらかの理由で話しづらい状況が出来てしまっていたのだ。だが、見た限り普段と差ほど変わりはない。と言うことはお互いに強く気にしてはいないと言うことだ。しかし、プライドの高い仁井園からは話しかけにくい、そして仁井園がどう思ってるかわからない神城も話しかけられない……ならばきっかけを作ればいいのである。仁井園、神城がお互いに直接干渉せず、間接的な話題を作り上げれば、この状態の完成である。
そしてここでだめ押し!
「ちと、嗽してくるわ」
ここで俺がたつことにより、間にあった壁がなくなる…。そして嗽をしてもどってくると、仁井園と神城の距離が……埋まってない!体ひとつ分空いてるっ! ヨーグルトがいどうしていないっ!なに?仁井園さん、ヨーグルト3つも食べるの?嘘でしょ?おまえどんだけ腸内環境ととのえんだよ!腸内じゃなくてまずは自分の環境整えろよ! 神城さん、貴女は何仁井園の好物だけさけてご飯食べてんの? あーもうほら、おかず仁井園の好きなヤツだけになっちゃったじゃん! なんだよ、不器用かよ! つか、この微妙な空気の原因なんなんだよ!そんなことを思いながら、とりあえずまた真ん中に座る……。そして
「なぁ、仁井園」
「なに?」
「おまえヨーグルト3つも食べんの?」
「………別に、食べたいならあげるけど…」
「そうか…くれるならくれ、男子はお腹がすいている」
「そ、なら…はい」
俺が仁井園からヨーグルトを受けとる。するとまぁ…
「……美羽も食べる?」
「……いいの?」
「別に、いつものことじゃん」
「うん!ありがとう!あ、これあげる…」
まぁ、一緒にいて一人にはあげて一人にはあげないってなかなか思うところがある状況だからね…こうすれば、仁井園の性格上絶対話しかけると思ったわ。
にしても…最近仁井園は考え込んでる仕草多いな……
あけましておめでとうございます❗(o・ω・o)きゅぴ~ん✨
新年早々更新おそくてすみません。また頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
さて、今回は久しぶりに日常回です。仁井園さんの悩みはなんなのでしょうか?神城と七五三田の関係?本当にそれだけ?




