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第34話 ラブコメとは、ラブと微エロと、ほんの少しのバイオレンスで出来ている。

さぁ、それから俺達はレクリエーションを開始する。まずは、交流をはかるために、自己紹介と談笑を行った。まぁ、俺は安定の(だんま)りではあったんだけど…。


それから、追跡ハイキングを行う。各ポイントで問題をとき、そこで正解すると、キーワードが与えられ、配られたプリントの穴空き文字をうめていくと言うものだ。その道中、イケメン外国人の"ギグス"が、先行する女子3人を見ながら、やたらと流暢(りゅうちょう)な日本語で話しかけてくる。


「HEY、悠莉、おまえはあの二人のうちどっちとヤったんだ?」


いきなり下世話な話から入ってくるヤツである。


「……別に、ヤってないぞ」


「oh…まじかよ、もったいねぇ、俺なら速攻だぜ?」


とか良いながら、HAHAHAと腰を降るギグス。何?この人猿なの?そんなことを思っていると、ギグスが


「つーことは、アイツらは処女(ヴァージン)なのか?」


「……知らねぇよ」


まぁ、知ってんだけどね…神城はそう言っていたし、仁井園も彼氏はいたようだが、過去の反応から、その可能性はありそうだ。だが、そう言った話をひょいひょい他人にしてもいいものかと思うじゃない?だからここは、ふせることにする。にしても、なんだろ?別にコイツは悪いことをいっているわけではないのに、無性に引っ掛かると言うか、不思議だが腹が立つ。


「悠莉、おまえがいかねぇなら、俺がこの3日間の間で、二人を女に変えてやるから見てろよ」


「……」


「そうだな、今日はあの胸のでかい茶髪、そして明日は黒髪スレンダーだ」


「ギグス、悪いがそれはダメだ」


「は? なんでだよ」


「……その、なんだ…二人は俺が予約済みだ」


予約済みってなんだ。何様だ俺は…自分で言っていて意味がわらかない…が、穏便に話を進めるには、そうした方が楽な気がした。


「お、なんだ3Pか? なら俺もまぜてくれよ」


この人マジなの?海外の人って、皆こんなにアクティブなの?(偏見)つーかあれだろ、イケメンだから二人も余裕とか思ってんのか?くそっ腹立つな。イケメンの癖にっ!あれ?これ褒めてね?いや、まぁなんにせよ…


「ギグス、それもできない…その、あの二人だけは譲れないんだ」


俺が柄にもなくそんな事を言うと、ギグスは両手を広げて肩をすくめ、


「わかったよ、親友。悪かった、冗談だ」


と言って、笑顔で俺の背中を2回叩いた。痛い痛い。つか、イケメンってヤツは、なんでこんなに笑顔が素敵なのか…。でも甘いマスクに騙されると泣かされる事があるって、従姉妹のやっちゃんが言ってた。二人が泣くのは……あまり見たくないと思う。なんでか分かんないけど…


そんなことを思っていると、仁井園が


「アンタ達、二人で何こそこそやってるわけ?」


と、話しかけてくる。


「……別に、なんでもないぞ」


俺がそう言うと、ギグスが


「真理子、悠莉がおまえと美羽にキスしたいらしいぞ」


とか言い出す。は?何言ってんのコイツ。マジなの?と、少し俺は動揺するが、仁井園は安定のスルースキルで、「はっ」と、鼻で笑い飛ばした。すると話を聞いていた神城も、


「あはは、七五三田がそんな事言うわけないじゃん」


と笑う。そしたらばもう一人のギャル外国人の"ニキ"が


「あはは、キスくらい私がしてあげるわよ」


とか言う。てか、キスくらいってなんだ。さすが海外、挨拶程度なのだろうか?………頼んだらマジでしてくれのかな?ごくり。


そんなことを思っていると、仁井園と神城の二人が俺を見ているのに気づく。


「……なんだよ」


「今絶対、やらしいこと考えてたよね」


と神城がジと目で俺を見ながら、仁井園に同意を求める。すると仁井園も引きぎみに


「あー、うん。絶対考えてた」


と神城の意見に同意する。


「……なに? おまえらエスパーなの?」


「ほらぁっ! やっぱりっ! だって顔に出てたもん! ねぇ?真理子」


「……七五三田、アンタわりと顔に出やすいから、分かりやすいんだよ」



まじ?気を付けよ…。こうしてまた、俺の中の守れない約束が1つ増えるのだった。


***


「ふぅー、だいぶ集まったわね」


とニキが言ってプリントを眺める。その後ろから覗くようにして、神城と仁井園も覗く。


「ほんとだねー、あと2つだね」


神城が言うと、仁井園も


「さっさと終わらせよう、疲れたし…てか、暑くない?」


と言って鞄からペットボトルのお茶を取り出し、一口飲む。それから


「うへ、ぬるっ」


と言うと、今度は神城が鞄から水筒を取り出して、中身をそそぐと、仁井園に渡した。


「はい、これなら冷えてるよ」


「ありがと」


そう言って神城から受け取った飲み物を飲むと


「つめたっ! 美羽これおいしいじゃん」


と言って、返した。そんな様子を見ながら、俺も鞄からお茶を取り出す。案の定ぬるい……てか、むしろ熱い。急須で入れて飲み頃になったくらい熱い。さすが、選ばれたのは綾鷹でした。とか言うだけあるわ…。それを口に含んで、「ぬるっ」とか言っていると、神城が寄ってきて、


「七五三田もどうぞっ♪ 冷たい方がおいしいよ?」


とか言って自分の水筒を差し出す。ってちょっと待て、それ仁井園が口つけたあと、おまえも飲んでたじゃん。あのね、そう言う無邪気で無意識な優しさは、時に男子を勘違いさせちゃうから控えなさい。いやほんとに。


俺が受けとるのを躊躇していると、神城がやっと気づいたようで、


「……あ、ごめん七五三田こう言うの気になるタイプ?」


と聞いてくる。いや、逆に気にしないヤツいるの?だって女子が口つけたんだよ?それってそう言うことなんじゃないの?何?違うの?


「いや、その……逆におまえらはいいのかよ」


俺がそう言うと、仁井園が


「……七五三田、逆に意識しすぎだから…そんな言われると、逆に引くんだけど…」


「マジか……すまん、えっと、じゃあ頂こうかな」


俺は神城から水筒を受けとり、飲もうとすると、神城が俺をガン見する。


「あの……そんな見られると飲みづらいんだけど……」


俺が神城に言うと、「へ?」と間の抜けた声を出したあとに、


「いやっ、そ、そんな見てないしっ! 七五三田バカなんじゃにゃいのっ?!」


いや、かみかみだし、実際見てたし…。とか思ってると、ニキが


「あなた達ウブねぇ、たかが"間接キス"で」


と、あえて伏せていた単語を意図も簡単に吐き出す。ウブとか久しぶりに聞いたわ。とか思っていると、彼女は更に、


「悠莉、なんなら私が口移ししてあげようか?」


と、ニヤニヤしながら言う。すると、それを聞いた神城が速攻で


「それはダメっ!」


と止めた。いや、なんでおまえが止めるんだよ。ちょっとびっくりしたわ。それから、俺はいっきに受け取った飲み物を飲み干し、みんな休憩を終えてからまた歩き始める。


その途中、俺の横を歩く神城に


「……なぁ、神城」


「なに?」


「さっきのさ」


「うん」


「その、ニキが口移しうんぬん言った時、あれ、男子なら勘違いしかねないぞ」


と言うと、神城は




「……別に、勘違いしてもいいもん」



「……は? おまえ何言って…」


「相手が七五三田だから止めたんだよっ、バカっ」


そう言って走りだし、前を歩くニキや仁井園と合流した。


「……え?」


どういう事?








神城さんからの一撃❗


七五三田は……?

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