570話 そして龍と天使とバーベキュートゥナイトッ!! 2
明人は怒っていた。
「おいタグマフ! バーベキューコンロはそっと置け! あと網を設置する前に炭を置くのが常識だろうがァ!」
「お、おう! す、炭だな! で、これで上にこの網とやらを……」
「炭を着火するのも忘れるんじゃないぞ! それと火がおさまるまで待て! 網に焦げがつく!」
タグマフの手際の悪さに怒っているというわけではない。
明人は手製のトングをカチカチさせながらバルコニーにバーベキュー道具の設置を急ぐ。
「ネラグァさんが大量の肉を城の倉庫からもってくる前に火を起こすんだ! クーラーボックスがないから傷む前に熱を入れるぞ!」
「りょ、了解だぜ! クーラーボックスとやらがなんなのかわかんねぇけど、きっとこっち側の技術ってやつだな!」
ここはすでに「了解じゃない了解だ!」、「や、ヤー!」食の戦場である。さらに鍋奉行ならぬバーベキュー奉行誕生の瞬間だった。
バーベキュー道具はすべて手製である。とはいえ網なんてもの大陸にだって普及していたが。
それから木と色布で作った簡易ながらのレジャーシートが数点。それとあべこべに鉄棒を組み合わせたコンロの土台がテキパキ用意されていく。
バーベキューなんて外で肉が焼ければそれで良い。あとは上等な肉肉野菜に、火と炭、食べる面々の腹の鳴る音、旨い酒。それさえ揃えば最高のバーベキューなのだ。
「吐息を使うんじゃない炭を消しカスにするな! それともオマエは肉を蒸発させるのが目的か!」
「龍族に弱火求めるってどういうことだよぉ……結構調節がムズいんだぜぇ……」
「なら挑戦だな! 失敗を次に活かすんだ! がんばれ未来のホープドラゴン!」
ろ、ローフレイム。文句を言いつつもタグマフは従順だ。明人の期待に応えようと努力している。
しかしどうやら龍族に弱火は難しいのか――はたまた魔法が下手なのか――。背をこじんまりと丸めながら炭と向かい合い、四苦八苦。
こうして騒がしいながらも着々と晩の準備が整っていった。
今夜は前もって予定していた通り、夜景と星空のバーベキューが催される流れとなっている。
そしてその様子を邪魔にならぬところから面々が興味深そうに眺めつつ、酒をくゆらせる。
「ずいぶん到着が遅かったみたいだけどさ? みんなでアレの用意を手伝ってたの?」
しなやかな尾が揺れ、丈長のスカートを、ちょいちょい引く。
スードラはくりくりのつぶらな瞳で、すんと澄ましたリリティアを見上げた。
「さすがにそれだけというわけではないです。あのあとメリーを鐘で呼びだした後、大扉を使い再度棺の間へ……げんばぁけん、しょう? ということをしに戻ったんですよね」
「なんだいそれ? あれだけのことがあったのにふにゅうくんってばわざわざあそこへ戻ったんだ?」
「ちょっと素敵なサプライズを仕込んでたみたいですよ。天使様と協力……というか脅して色々させてましたね」
リリティアはいつも以上にふっくらとした頬を和らげた。
葡萄酒の巡りが良いのかぽっぽと桜色をしている。
それとは別になにやら機嫌も良いらしい。
「天使を使ったサプライズ? 響きだけだと恐ろしいを通り越して悍ましいんだけど……」
「海龍はあまりそのことを気にしなくても大丈夫です。ただ明人さんがとあるイタズラを仕込んだだけですから」
ふぅん。スードラは高い鼻を低く吹きながら葡萄酒をちびりと舐めた。
それから徐々に横へ横へと手を伸ばす。白裾を僅かに浮かす尻へと、そろり、そろり。
すると気配を察したリリティアによってピシャリと無言で叩かれてしまう。赤く滲んだ手の甲は罪の証だった。
「…………」
そんななかやはりトングがカチカチとイライラを奏でる。
明人が怒っている原因は――やはりというか――ミルマの件だ。
ユエラが友だちと仲良くできるのであればという大前提で組んだ旅行作戦である。
しかしミルマはいつまでもうじうじと立ち直らず。よりにもよって時の女神の良いように操られたとなれば同情も品切れになるというもの。。
ここまできたらもう当事者同士の語らいだ。
明人は両手のトングをカチカチさせながらミルマのいるほうへと大股に詰め寄っていく。
「今にも死にそうな顔つきじゃないか。二日酔いのヘルメリルより酷い顔色だな」
返事はない。うつむいてどこを見ているのか、ぼんやりしたままだ。
改めても美しき龍である。バルコニーの手柵にしなだれる壮絶な美女。作りの複雑な衣装と揃えた波打つ髪も彼女の容姿の飾りにすぎぬのだろう。
ややあって冗句にようやく返しがくる。
「……ごめんなさい……。でもきっとアナタははじめからアタクシの生き死なんてものに興味はなかったのでしょうね」
そうではなくって? そう言ってミルマは濡れた瞳で星を仰ぐ。
「アンタがいなくなったらユエラが悲しむ。それだけさ」
「どこまでも正直なのね。ユエラちゃんがアナタを家族と呼ぶ理由が少しだけ分かった気がするわ」
あれだけ感情を顕にして世界に逆らったはずのミルマがやけにしおらしい
まるで燃え殻だ。燃焼する炎にすべてを身を捧げ最後に残った白い灰のよう。今すぐ彼女を風が攫っていってしまうのではないかと錯覚するほど。
「アタシにはもう……なにも残っていない。仕組まれ、踊らされ、時の女神に欺かれつづけたアタシには……もうなにも……」
――目的も過程も奪われた迷子……か。
フン、なんて。明人は素っ気さを装いながらミルマの背後で同じ空を眺めるのだった。
なんとか出来ないわけではない。しかもそれは非常に簡単な方法である。
が、このままではぐぅぅと先ほどからやかましい腹の虫がおさまらないのも事実だ。
「お肉にくにくにっくにくぅ~♪」
するとあちらからも、ようやく……変な歌が聞こえてきていた。
見ればネラグァがご機嫌そのものといった小躍り気味に戻ってきている。
「もも肉、胸肉、Tぼぉん♪ 幸せいっぱいお肉がいっぱぁい♪ 牛飲馬食の霜降りお肉ぅ~♪ 赤身ももっちろんあるんだよぉ~♪」
音程のとりかたは悲惨だがこういうのは愛嬌だ。音楽は楽しいことが1番なのだから。
そこから少し遅れてテレーレがふらふらと。両手に抱いた山を抱えてネラグァにつづく。
「あの、あのあの!? ちょっと待って下さいってばあ!?」
「待つよ待つ待つ♪ まっつまつー♪」
なお、待たない。
しかもふたりの手には山盛りの包みが。これでもかと言わんばかりにしこたま抱えられていた。
そのせいで前が見えないのかテレーレは会場のテーブルにぶつかりそうになりながらも、えっちらおっちら。
「メリーの大扉で運んじゃダメだったんですか!? あと私ドレスなんでこういうことをする格好じゃないんですけど!?」
必死の抗議も無駄だ。
ネラグァは夜明け色の瞳を爛々に輝かせ、尾をぶぉんぶぉん振って歌うだけ。
どころかさらに加速してそそくさと足どりを早めてしまう。
「食前の運動は大事だよぅ。なにせ今からお肉なんだから、大食かぁん、お腹空かせないともったいなーい」
「なんなんですか今からお肉ってぇ!? あとお肉は動詞じゃないですよ!?」
城の主が荷を運ぶ。遠巻きに眺める給仕たちの心境がいたたまれぬ。
さらに抱えた大荷物は2メートルはあろうネラグァの巨体からあふれんばかりに大量だった。
両手いっぱいに抱えているのは目的の品。明人の頼んだバーベキュー用の肉だ。
「ところでなんで竹のお皮でお肉を包むの?」
「おととっ。それは竹の皮を水で潤わせることで、包んだお肉が腐りづらくなるからですよ。おろろろ、っ……先代聖女の残した偉大な発見のうちの1つです」
「ほえ~生活の知恵ってやつなんだぁ、目から鱗ぉ」
ふたりは「ちなみに藁にお豆もとってもいいよぉ?」小粋な会話を交えながら「そ、そうなんですか。うぬぬ……重いです」依頼の配達を完了させる。
どっさり山のよう。設えた折りたたみテーブルの上が運ばれてきた肉によって占領されるほど。
ともあれこれでバーベキューの準備は万全である。全員にグラスと皿が行き渡り、タグマフの起こした炭もとろ火になっていい塩梅だった。
スードラの腹が、くぅぅと可愛らしい空腹を奏でる。
「ふにゅうくん早く早く! もうこれ以上は我慢できないよ!」
肉の山を前に踵を鳴らして捲し立てた。
真の猛獣たちは食という衝動に駆られている。昼からなにも胃に入れていない龍族たちは今か今かと待ちかねている。
そして明人は、無事に今日を生きた面々の尊顔を肉越しにぐるりと見渡した。
――……ユエラはまだ戻ってこないか。
主役のひとりであるユエラが退席してしまっている。
よほどミルマの死が堪えているらしかった。ヘルメリルがつき添っているため心配はいらないだろうが。
しかし龍族たちにもう数刻の猶予もない。これ以上待たせれば生で肉を平らげてしまいかねないほど高ぶっている。
「あ、あの……」
控えめに、おずおず、と。
なんか聞こえた。が、明人は両手を合わせる音で声を掻き消す。
「祝勝祝いのバーベキューパーティーをはじめる!! ――いただきますッ!!」
城下まで響きそうなほど気迫の乗った食事の合図が響き渡った。
それに面々も揃って「「「いただきます!」」」それ以上のこだまで返すのだった。
そこからはもう戦である。酒池肉林。
食の戦に男も女も―オスメスも―ありはしない。生物にとっての本能に従うだけ。飢えた面々は次々に肉を網へ放り、焼けた端から喰らっていく。
「こんなまろやかなお肉食べたことがないや! おいしー!」
「魔物のものとは質がまるで異なっている……上質かつ鮮明でいて味わい深い。これは……神の世にてとれる崇高ななにかに違いない」
「うまっ! なんだこれ! ぜってぇ毒だろこんなモン!」
ひとくち食べれば言葉はいらない。龍たちは瞬く間もなく虜である。
スードラ、ディナヴィア、タグマフ。3匹は思い思いの感想を口にしながら、フォークを網と交互に往復させつづけた。
「お肉もいいけどぉ、もさもさ――キャベツがとっても美味しいねぇ。お野菜色兼備ぃ」
ネラグァだけは、キャベツを1玉ほど食む。
もっともよく食べそうな体躯だが野菜を好むのか。肉へも手を伸ばすが肉のみを食べるようなことはない。
どうやら葉物のほうが彼女の主食に合っているらしい。ある意味で1番上品な龍である。
旨い旨い、と。聞いてもいないのに食卓の感想があふれそうなほど聞こえてくる。国の女王としてはこれ以上ない賛辞のはず。
「お野菜もお牛さんもエーテル国でとれたものなんですよ。ワダツミでとれる栄養たっぷりの大麦をいっぱい食べた特別なお牛さんが今巷で大好評なんです」
テレーレは緩んだ頬の横で清楚なロンググローブの手をぽんと打った。
隣ではリリティアが怒涛に減っていく肉の漬けタレの補充を行う。
「どうやらエルフ国では甘いトウモロコシを食べさせるところもあるみたいですね。メリーが耳を揺らしながら自慢してたのを思いだします」
「エルフ国は非常に豊かな自然を保有してますからね。甘く品質の良いトウモロコシすら多く栽培されるため、飼料に回すことも珍しくないらしいです」
ふたりが並んでいると「羨ましいですねー」「ですねぇ」まるで仲睦まじい姉妹のようだ。
なにより聖女と言うより聖母の如き慎ましい微笑みである。育ち盛りの子を見るような慈愛の表情がテレーレの性格をよく現していた。
そこからも食卓は進む。
葡萄酒で口を湿らせ、甘じょっぱいソースに肉を泳がせ、運ばれてくる温野菜もあっという間にたいらげた。
どうやら在庫が余る心配はないらしい。どころか追加注文を受けた屋内のコックたちが慌てて料理に勤しむ始末。
大盛況の祝賀会だったが、場にそぐわぬ沈黙がひとつ。影が落ちたようにそこにあるだけ。
「…………」
ミルマだけは手にした白い皿を眺めたまま固まっている。
ただ居心地が悪そうに目を伏せていた。
そこへリリティアがしずしずと歩み寄って声をかける。
「お腹が減っていると気分も落ち込むというものです。食材もまだまだいっぱいありますし、どうせ自分の懐はいたみませんし、もっと食べちゃったほうがいいですよ」
満たされるのは腹、傷むのはエーテル国の国庫だ。
なにより国の主が振る舞っているのだから心配する理由もない。
しかしミルマはいっこうに仲間たちへ合流しようとはせず。端でぽつんとひとり――群れを外れた狼のように1匹きり。
「…………」
黙り込んでは沈痛な表情を浮かべているだけ。
笑いもしなければ怒りもしない。とにかく悲壮感のみを漂わせている。
だから明人は、ミルマの皿へ肉を、しこたまよそってやることにした。
「なんだ肉が足りないのか。ならもっとよそってあげよう。……せっかくサービスなんだからぜんぶしっかり食いなさいよ」
「わぁ、お肉を問答無用で送りこむなんて明人さんってばとっても優しいです! じゃあ……私はもっとお肉を沢山焼いてしまいましょうかねぇ?」
ドゥ家の刃が孤独のミルマをここぞとばかりに襲う。しかも相談すらなく阿吽の呼吸である。
明人とリリティアのどちらもが満面の笑み。しかしその実心から笑っているというわけではない。
さらに拒否なんぞを許しはしない。楽しい楽しい食事中にしみったれているほうが悪なのだ。
明人は、トングでごっそりと挟んだ肉を休む間もなく皿へ乗せていく。リリティアは大量の肉を網の上へ躊躇なく並べていく。
皿には肉の雪崩の如く油の山が聳えていった。
「……ああ、こんなに沢山……」
するとミルマはようやく自分の置かれている立場に気づいたようだ。
ここには唯一の味方であったユエラはもういない。戻ってくるまでもう少々かかるはず。
あれだけ泣かせたのだからミルマもそれくらいは理解しているだろう。そして明人とリリティアがその復讐を企てていることもそろそろ自覚するべきだ。
「……いた、だきます……」
気のない食の挨拶だった。
ミルマは意を決すようにして銀の三叉で肉を拾い上げる。それからゆっくりと肉が冷めるような遅さで口へと運んでいく。
「アンタの夫は一瞬だけ――本当に一瞬の間だけど正気に戻った」
「――ッ!?」
僅かな綻びを見逃さない。
明人が肉を焼きがてら問うと、ミルマはあからさまに動揺してみせた
しかしこれはまだ切り口。フォークを咥えたまま硬直する彼女を逃がすものか。
「龍玉に捧げられた龍たちは時の女神による支配下にある。だから龍たちは拷問的な苦痛を与えられて心を失うまで破壊されつづるんだとさ」
「……そう、なのですか……お詳しいのですね……」
「オレはよく知らないよ、でも天使たちが言ってたんだ。いちおう断罪と審判とか仰々しい名前がついているんだから嘘はついていないだろうね」
明人は、手を止めたミルマの皿でも容赦なく、こんがり焼けた肉を盛りつづける。
これらは調べ上げた調査結果である。わざわざ棺の間へ赴き直してようやく得られた情報だった。
するとしばらく沈黙がつづく。
明人が目を配ると、リリティアはなにかを察したように1度だけ頷いて場を後にする。
地上から遥かに高い城の目の位置で、風の音が聞こえた。優しい風が、楽しい声も心地よい音も、すべてを連れ去っていってしまう。
「あの子は……」
だから彼女の声もどこかへ流れていってしまう。
それほどまでに小さく、後悔に満ちて、頼りない。
「ヘルメリルと一緒にお手洗いにむかったよ。こういうときは化粧室って言うべきかな」
しかし操縦士の耳だ。明人が聞き逃すことはなかった。
「アタシを……叱ってくれたの。不幸なのはアタシだけじゃないって……」
「上っ面の友だち相手には面倒で絶対にしないことだ。少なくともオレはだったらそんな説教じみたことはやらない」
明人はミルマの囁くような声を聞き逃さないように耳を澄ます。
心の声に気づくのは難しい。だから耳くらいは貸してやる。
そんな浅い関係なのだ。こうしてまともに話すことすら互いに避けていたくらいには。
しかも龍族解放のきっかけとなった元凶と対抗者である。解決して、諦めさせて、はい仲直り、なんて。そんな簡単にこの世は巡らない。
「アンタの首いったい何本あるんだい?」
明人は脈絡もなく問う。普通だったら聞きづらいことでも構うことさえしない。
ドレスのざっくりと開かれたぶぶんから晒される白く艶のある肩が、ひくりと揺らいだ。
「どうしてそんなことを聞くの?」
「なんとなく。ただオレは4本だったのかなって思ってる。互いに互いを救うために偽った結果が3つ首目の正体だったんじゃないかってさ」
「だとしたら? アナタはアタクシたちをどうするの?」
「どうもしないし追求もここまでにしておく。知ったところでもう終わった話だから興味がない」
明人がトングを置くと、ミルマは初めてフフ、という柔らかい吐息を吐いた。
互いに1度も目は合わせていない。ただ「優しいのね、とても」「弱いんだよ、お互いに」どちらも夜空にむかって話しかけていた。
「アタシね、辛いときは泣けって叱られたのよね。あの子に、悲しいときは笑っちゃダメって」
「そりゃあそうだ。辛い時に笑うと頭のネジが逆に回る」
「……ネジ?」
だからこれは会話ですらないのかもしれない。
ただの独り言を好きに囁いているだけ。たぶん。
「でもさ、よく考えると甲斐がないよな」
「……それはいったいどういった意味なのでしょう?」
そしてようやく1人と1匹の歩くべき道が1本へ交わろうとしていた。
紫煙の瞳と黒色が時を止めたように見つめ合う。
「だって愛が一方通行でしかないなんて。甲斐がないったらないだろう」
一匙の思いを、母であった龍へと届ける。
確かにそこにあった愛を伝える。
「さあ、天使たちを連れてもう1度棺の間へむかおう。夜のデートと洒落込もうじゃないか」
明人は、誰かの手を掴もうとしないミルマの手を、強引に掴んでやった。
○○○○○
※その時オマエらはなにしてる? なSSのコーナー
目隠し用ドゥ家の連中
<ヨルノデートトォシャレコモウジャナイカー
「んー、なにか聞こてしまいましたねぇ? バーベキューの締めに邪龍の刺し身とか添えてみましょうかねぇ?」ピキキッ
「わっほーい! お肉様最高ですのよよよ!」ガツガツプルプル
「詫びだなんだ言っておいて結局先輩が肉食べたかっただけってオチじゃねーんです?」ピキキッ
「まあまあ落ち着くんですのよ。お酒もたんまりあるからタストニアも楽しめばいいんですのよよよ、よ……――お肉様ゲットですのよっ!」サバッ!
「あぁん!? じっくり育ててた肉とりやがったです!? そのフザけた乳肉を削ぎ落として焼き肉にしてやんですう!?」
「その天命、是非とも請け負います。天使とはいえど大きな乳――もとい駄肉憎むべしです」スラァ…
「リリティアさまが急に干渉してきたんですのよ!? お、おちち、落ち着いてくださいませですのよ!? ワタクシがこうなってしまったのはふにゅうさまが原因なんですのよ!?」ですのよぉ!?
「ですのよぉっ!?」




