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18-2 無の神

 無の神は小さくため息を付いた。

 無の神が望んだ展開を姉である創造主にして有の神に邪魔されたのだから。

 海の女神が仮に海の神に連れ戻されても問題はなかった。連れ戻されなくても問題はなかった。そう。ただ海の神の存在がなくなるのが大きな問題であった。

 太陽の神は臆して彼に勝負を挑もうとはしなかった。

 だから無の神は海の神に挑ませる条件を作ろうとしたのだから。

 そして。

 何時の日か彼が自身にとって有益になるその時を待ち望んでいたのだが。


「あの時、邪魔すればよかったかもしれない」


 そう呟いて、それが最も好ましくないことだと分かっているがゆえに再び無の神はため息を付いた。


「まあ、でも」


 無の神は遠くから海の女神を見る。

 何とも嬉しそうだ。

 無の神は何も非情ではない。

 何よりこの世界を愛し、親友である海の女神には幸せになってほしい気持ちもある。


「うふふ。あの子のあんな笑顔、初めて見ました」


 無の神は小さく呟く。

 さあ、次はどうやって彼を育てよう。

 そんなことを考える。

 彼が死ぬことは決してない。少しぐらいなら無茶をしても良い。そしていつか、彼は有の神を超える日が来る。

 その日をいかにして早めるか。

 無の神はそのために行動する。

 そして。


「そう言えば、有の神は私がこの世界を滅ぼすと勘違いしていましたね。心を無にしている私の心は読めなかったみたいですね。確かに私はこの世界を滅ぼすつもりです。でも一人じゃない。私にも後継者が必要なのです」


 無の神は彼とともにこの世界を滅ぼすために。


「さてと」


 無の神は次の策を考え始める。

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