表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/92

2-2

フィナと名乗った女性。

まあ、綺麗。神様にな劣るけども、日本なら充分女優を狙えそうだ。長い茶髪と、大人びた整った顔。神様と違って人間らしさがある綺麗さだ。そう思うと神様は整いすぎて浮世離れしてたからな。

そんなことはどうでも良くて。

フィナさんは俺の目的を聞いてきたため、俺は素直に答えた。


「なるほど、村を目指しているのですか?」

「そうです。村を目指しているんです」

「奇遇ですね。私もそうなのです」

「そうだったんですか?いやあ、奇遇ですねえ」


言われた言葉を繰り返すのが、何となくそれっぽく会話するコツだ。俺はコミュニケーション能力がないからな。

フィナさんは俺の言葉に少し怪訝そうな表情をしたが、すぐに真面目な表情になり。


「あの、押し付けがましいのですが、お願いがあります。一緒に村を目指しませんか?」

「目指す?」


こんなお願いをされた。

何だ?

まるで森の中は危険のような言い方だ。


「大丈夫です。はい」


まあ、いつか分かるだろう。

そんな感じで村を目指す俺とフィナさん。その間はフィナさんから質問責めされた。


「そう言えば、どこの街出身なのですか?」

「日本村です」

「ニホン村ですか?聞いたことがないですね。この国の方ではありませんよね?」

「日本国出身です」

「ニホン国?それにニホン村?なるほど。失礼ですが、嘘ですよね?あ、もしかして、言いたくないことでしたか?」

「いや、村は嘘ですが、出身は日本国です。はい」

「そうなのですか。ニホン国。聞いたことが無いです。あなたは、その国で相当優秀な魔法使いなのでしょうね」


フィナさんはそんなことを言った。

魔法使い?厨二病?じゃないよな。見たことない服着てるし。ここ異世界だし。なるほど、魔法と剣とモンスターが支配する世界か。

剣とモンスターは見てないけども、こういう世界にはお約束だ。多分。


「先ほど、拝見させていただきました。無から服を作る姿は見事でした」

「そうです。魔法使いです。優秀じゃありませんが」


というよりも、優秀じゃないから魔法使いになりそうだったとも言い換えれる。


「初めて見ました。あんな魔法は。どういう原理なのですか?どうして魔法陣を必要としないのですか?」

「願いを叶えるからです」

「願いを叶える?もしかして、体内に魔方陣を描き、魔方陣を必要とせずに使う魔法のことですか?一見すると何もしていないのに、魔法が使える点から、願いの魔法とも呼ばれている。発展途中の技術ですよね?そこまで実用化されているとは、優れた国なのでしょうね。そのニホン国は」

「そうです」


可笑しい。会話が成立している。1を伝え10を知る、改め-1を伝え10を知るだな。

フィナさんの話し方は丁寧だし、良いところのお嬢さんなんだろう。だから教養があって、俺の適当な返答でも問題なく会話が出来ている。俺とは住む世界が違うな。


「ああそうだ。名前を聞いていませんでした。お名前を教えていただけると嬉しいのですが」

「名前ですか?俺の名前は」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ