15‐2
久々の再会である。
嬉しい反面、どこか恥ずかしい。
いつぶりだろうか?
日にちなんか数えていないから分かるはずもない。
リリエルの魔法を借り、フィナさんの家を特定した俺はフィナさんの家を訪ねることにした。あまり深い意味はない。ただ何となく、会いたくなったからだ。
あの日。無の神と出会い、無の神から一つのことを教えてもらった。あなたを後継者に選んだ神様はこの世界を滅ぼすつもり、だと。
それが本当かどうかは分からない。だから少しでも神様の手がかりを手に入れるために俺は海の女神たちと旅をすることに決めた。
リリエルを傍に、俺は深呼吸をして、静かにフィナさんの屋敷の扉をノックした。
「どちら様でしょうか?」
そう言って出てきたシンシアさんに俺は笑みを浮かべて。
「やぁ、シンシアさん」
「あなたは、どうしてここに?」
「久々にフィナさんに会いたいなと」
「待っていてください」
シンシアさんは駆け足で戻っていった。
しばらく待つと、フィナさんとレナちゃんが今度はやって来た。レナちゃんもいるとは思いもしなかった。
この二人がどういう関係か分からないよな。
「あなた様!」
「フィナさん、お久しぶりです。レナちゃんも」
「どうして?」
「さあ、何となく挨拶に来た感じ?」
「挨拶とは? とにかく中に入ってください」
フィナさんに中に案内される。
連れてこられた応接間で、フィナさん、レナちゃんと向かい合う形で座る。シンシアさんが紅茶を持ってくる。
「良かった。また出会えるなんて」
フィナさんはそう小さく呟いた。
「それで挨拶とは?」
「これから、旅に出ようと思って」
フィナさんとレナちゃんは目をまるくした。




