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14‐2

「仲間に取り入れる?」

「はい。どうですか? あなたが神様と呼ぶ存在を裏切って、私たちの仲間になりませんか?」

「うん?」


 意味が分からない。

 神様を裏切る?

 どうして裏切らないといけない。というか裏切るとはどういう行為を言うんだ。そしてどうして無の神は俺があの創造主のことを神様と呼んでいることを知っているんだ。

 少しだけ、無の神が怖くなってきた。

 何を知っているのだろうか。

 俺の過去を含めてすべて知っていそうで怖い。


「いや、それは無理だな」

「そうですか。それは残念です」


 そうにこやかに無の神は言った。

 普通に断れば、すんなりと受け入れた。

 なんだこれ。


「そう言えば、創造主様? そうちゃんで良いか。そうちゃんはどうしてここに来たの?」

「そうちゃん!?」


 そんな呼ばれ方されるとは思いもしなかった。


「貴様。そうちゃん呼ばわりとは」


 するとリリエルが俺の変わりに怒る。


「大丈夫。大丈夫。私に不可能はない。私のことはうーちゃんで良いよ」

「そんなこと知るか!」

「ああ、気にしないでください。彼女のくせなんです。どんな偉い人もちゃん付けで呼べば愛嬌が出るでしょう?」

「良いよ。リリエル。これはこれで新鮮だから」

「分かりました」


 俺がなだめると素直にリリエルは引いてくれる。

 良かった。喧嘩に発展しそうだった。

 というか、変わった子だ。海の女神。俺とどこか似ている節がある。


「それでどうして?」

「暇だったから」

「ああ、なるほど。ちなみに、私は牢獄から脱走してきた」

「はあ」


 脱走ねぇ。なるほどねぇ。

 あれ、流して良い言葉か?


「どういうこと?」

「海の神の妻してるけども、海の神って独占欲が強くて。妻になったその日からずっと牢獄に閉じ込められて。気づけば、五年ぐらいかな」

「脱走して良いのか?」

「大丈夫。大丈夫。海の神が怒って連れてきたら、その時だから」

「そうなのか」


 全然大丈夫そうには聞こえない。

 なんか面倒ごとに巻き込まれる予感がする。


「さてと、長居はあれだから、そろそろ世界を旅しよう。いい加減、飽きてきた」

「はいはい。分かりました」

「ちょっと待て!」


 そこで月の神が初めて声を荒げた。


「お前たちは何も目的なく、ここに来たのか?」

「うん」

「まあ」

「無の神、お前はこの場を設けたのは何か意味があるのではないのか?」

「仲間に取り入れれたらな、とかは考えましたけども。無理そうですので、諦めました。もう要件はありません」

「…………」


 月の神の表情が少しずつ曇る。


「お前たち、さっさと帰れ!」

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