12-4
気づけば二日が経った。
二日経っても、神様は戻ってこない。
「流石に何かおかしいな」
どうして神様は俺の前から消えたのだろうか。
最初はどこかに出かけているとか、寝ているからとかそんなことを思ったが、少しずつ見捨てられたのではないかと思い始めて来る。
そして、何故見捨てられたのかを考え始めるも、様々な可能性が出てきて、考えることの無意味さに気づいてしまう。
俺はもしかして神様になったと言えるのだろうか?
いや、神様じゃないか。創造主様か。
「なあ、リリエル」
「何でしょうか?」
「俺はもう神様と呼べるのだろうか?」
「はい。あなた様が後継者に選ばれた時点で、あなた様は神様になったと呼べます」
「いや、そういう意味じゃなくて」
「…………?」
リリエルが首を傾げる。
「俺は神様らしくなれたかどうかという意味で」
「それは」
リリエルの言葉が詰まる。
「なっていると言えます」
リリエルに気を使われてしまった。
「フィナさんとか、レナちゃんと生活していたら、きっと神様らしくはなれなかった。だからこの生活は大切だと思っているけども」
俺はリリエルに聞いた。
「なぁ。いい加減。創造主様について教えてくれないか?」
「それは、私にはお答えできかねます」
「どうして?」
大聖女から聞くつもりだった創造主のことは、いまだに聞けていない。
というのもリリエルが答えられないと言い張るからだ。
「聞けば後悔します」
「どうして聞いたら後悔するんだ?」
「あなた様は、あなた様を後継者と選んだ前神様に偉く執着しているからです」
「そうか?」
「少なくとも、私の目にはそのように見えます」
リリエルがそう言うならそうなのかもしれない。
俺はこのままこの生活が続くのだろうかとふと思った。
だったら隙を見て、フィナさんやレナちゃんに会いに行くのも良いのかもしれないとも思う。
なんてのんきなことを考える。
一難去ってまた一難。
そんなことわざがある。
まだ俺は神と呼べないのだから、何か起きることは予想できていた。
でもその時だけ忘れていた。




