2-1
「ぐふぉっ!」
人生初めてのパラシュート。
無事成功。
ただ、落下をするだけだったため、落ちる場所は選べず、落ちたのは川の中だった。
微妙に速度があったため、地面だと死にはしないだろうが痛い思いをしただろう。そう思うと、不幸中の幸いだったかもしれない。
浅い川の中から這い上がり、俺は辺りを見渡す。
「で、ここはどこだ?」
パラシュートで落ちている間にこの辺りの地形は見ていた。
川の上流と下流に村らしきものを見つけた。他は森だったり、山だったりと自然しか見当たらなかった。
「この世界ってどんな世界なんだ?」
科学が世界を支配しているのだろうか?まさか漫画やゲームでよくある魔法の世界じゃあるまい。
もしもそうなら、きっと、見たこともないモンスターで溢れている事だろう。
もし、そうなら大丈夫?
「…………あの」
「いや、俺は神様だからな。ただのモンスターに負けるわけがない」
はははと俺は笑う。
笑えば人生、なんとかなるものだ。
その後、濡れた服を乾かすのも面倒なため、服を新しく生成し、着替える。ジーパンとシャツでいいや。
そして、それまで着ていた服とパラシュートは。
「どうしよう」
捨てるのは良心が痛む。というか、神様に怒られそうだ。
「…………あのお」
「待てよ」
俺は無から有を作ることが出来る。だったら、有から無にすることも可能では?
そう思って、俺は服が消えることをイメージする。
消えろ〜。消えろ〜。
と念じるが、成功しない。
どうすれば良いんだ?
仕方がないため、俺は鞄を作り、服を中に入れた。パラシュートは諦める。小さく畳隅に置く。鞄を肩にかけて、俺は耳をすます。
取り敢えず、次の目標は人に会うことだ。村を目指そう。
「あの!」
そう思って、下流を目指し始めた時に俺はやっとで気づく。
すぐ近くに知らない女性がいた。
「やあ」
「やっとで気づいてくれました。はい。初めまして」
「どちら様でしょうか?」
「フィナと申します」
それが俺とフィナの最初の出会い。
ここから、物語の本編が始まると思ってください。
無敵生活はまだまだ先になると思います。
この時点で6-1まで書き終わっていますので、当分は問題なく投稿できると思います。