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11-5

 それは唐突に。

 破壊される神殿。それと同時に侵入してきた熾天使。地下にある神のための部屋にまで貫通するほどの力。

 激しい轟音。土煙が舞う。

 聖女たちの悲鳴が響く。


「…………熾天使が何故?」


 大聖女は小さく呟く。

 何が起きたのか、理解出来ないでいた。

 スライムが襲って来ることはあれども、熾天使が襲って来るはずがないわけであり。

 それは神である男も同様だった。

 熾天使は男に視線を向けた。


「我が主人様。お迎えにあがりました」

「主人様?誰が?」

「あなた様です」

「待ちなさい!」


 今にもどこかへ彼を連れて行きそうな熾天使に対して大聖女が声を荒げる。

 熾天使はそんな大聖女を睨む。


「何故熾天使様がこの神殿を破壊するのですか」

「人間が、誰にものを申している」

「私はこの神殿を破壊して良い理由を聞いています。まさか意味もなくではないでしょう?」

「彼です」


 熾天使はそう言って、男の体を持った。

 体格では男の方が大きいのだが、熾天使は意に介さず、瞬く間に地上へと飛び上がった。

 抵抗むなしく、男は天使に抱き抱えられる。


「どういうことだよ。重要な話が聞けると思ったのに」

「重要な話とは?」

「創造主様のこと」

「ああ、成る程。そういうことですか。全てを理解しました。やはり、私はあなた様に仕えるべきだった」

「いや、意味が分からん。お前の主人は太陽の神だろう」

「私の仕えるべき相手は私が決めます」

「うん?」


 熾天使が記憶を無くしていることを知らない男には理解出来ないことだった。

 ただ、熾天使の表情が明るいものだと分かるとこれで良いのかもしれないと思い始める。


「よく分からないな」

「とりあえず、あなた様が信仰を集めるべき場所へ向かいましょう」

「それはどこだ?」

「創造主様の天界です」

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