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創造主様?
その聞きなれない言葉に俺の頭上だけでなく他の聖女やフィナさん、そしてシンシアさん、ラルさんの頭上にもハテナマークが浮かび上がる。
ただ一人、ルルちゃんは分かったみたいで。
「レナさん。何故そうなるのですか?」
「そうじゃないと、納得できない。大聖女様も多分気づいてる」
「本当にそうなら。大変なことになる。私、確認に行ってきます」
ルルちゃんはそう言い残し、部屋を飛び出して行った。
わからない。
何を話しているのかわからない。
神様はしっかりと自分自身のことを神様と言っていた。だから神様で間違いないはず。
だけどももしもそれが俺に対して分かりやすい言葉を使うために神様の言葉を使ったならば。
「レナちゃん。創造主様について教えてくれないか」
「創造主様は、私たちが神と崇める存在を作る側。言葉通り、この世界を作った存在」
レナちゃんに聞くとすんなりと教えてくれた。
ただ、その目は少しだけ恐怖が宿っており。俺の服の裾を引っ張る。
「帰ろ。ここにいたらいけない」
「いけない?どうして?」
それはあの天使が俺を睨んだこと、そしてルルちゃんが言った大変なことの理由であるはずだ。
「フィナさん、シンシアさん、帰ろう」
「あなた様、レナさんがそう言っていますが、どうなさいますか?」
「そうだな」
聖女たちを見るが、皆何が起きたか理解しておらず、助けは求めれそうにない。
ラルさんもそうだ。
「することはないし、帰るか」
「お待ちになってください」
ルルちゃんが大聖女を連れて戻ってきた。
「やあ大聖女様。帰ったら駄目ですか?」
「いえ。私たちは創造主様であるあなた様を止めることは出来ません。ですが、せめて。元人間としてお話を聞いては下さりませんか?」
「別に良いけども。先に質問良いか?あんたは俺が何者か気づいてたんだよな?どうして俺に教えてくれなかったんだ」
「本来。これは予想外のことでした。レナ、まさかあなたがここに来るとは思いもしなかった。そしてこれに気づくことも。だから私は話しませんでした。何故話さなかったのかも含めて、私は創造主様に話すべきことがございます」
「分かった。素直に聞こう」
これが例え、この俺を変えるとしても。




