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11-2

「どうしてここに?」


 レナちゃんが聞いて来る。その後ろでフィナさん、そしてシンシアさんも同様に疑問らしく俺が答えるのを待っている。

 後ろで聖女たちが何事かと驚いている。ただ幸運にもまだ神様とバレていない。

 もしもバレてしまったら今後の関係が終わってしまう。

 だから、なんとしてでも防がないといけない。


「スライムを天使と倒したら、いろいろあってここに飛ばされて」

「飛ばされて?」

「転移魔法。そうスライムが転移魔法を使ってそれち巻き込まれたんだ」

「それはありえません」


 するとフィナさんが断言した。


「転移魔法に巻き込まれることはありえません。仮にあるとしたらスライムがあなた様も対象にした時ですが、スライムがそんなことをするはずがありません」


 そういえば、フィナさんは良いところのお嬢様なのだ。俺の嘘は簡単にバレてしまう。

 救いにも、聖女たちは俺が神様を隠していることを察したらしく、秘密にしますとルルちゃんが口元に人差し指を当てた。

 それに気づいたフィナさんが聖女たちを睨む。


「聖女たちと秘密ごとですか?」

「まあ、そうとも言う」

「なるほど。なるほど。私は少しだけ、あなた様について分かりました」

「え?」


 分かった?

 何が分かったんだ?


「あなた様は中級スライムに勝てるほどでした。それはこの国に何人いることでしょうか?それどころか、その話ですと、上級スライムとも戦い合ったのでしょう?」

「まあ、そうなるのかな」

「あなた様はもしかして天使なのではないですか?ここにいると言うことはそう言うことです」

「あ、そっちになるか」

「やっぱり」


 俺の無意識なつぶやきにフィナさんがそんなことを言った。


「そっちとは、違うと言うことですよ?なら答えは一つになります。あなた様は神様なのですね」


 フィナさんが俺に対して、一つの答えに結論付いた。

 確かにそうだから困る。

 まさか当てられるとは。


「そうだよ」

「違う」


 俺が肯定しようとすると、レナちゃんがすぐさま否定した。

 その目はどこか虚ろげで。

 まるで俺を見透かすかのように。

 元聖女のトップだったことを思い出させるほどに。


「いや、俺は神様」

「私たちが知る神様の一人なら、私が気づかないことは、ないと思うから。だから。きっと。神様という言葉で言い表しているだけ」

「どういうこと?」

「この世界には神様の上がいる」


 レナちゃんは言った。


「創造主様?」

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