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11-1

「神様を後継者に選んだ元神様はどのような方なのでしたか?」

「寝てばっかりだった」

「どのような容姿でしたか?」

「金髪の女性。ものすっごい綺麗だった」

「天界はどんな所ですか?」

「何にも無かったな。建物が少し。緑豊かでもないし。ああ、でも。太陽の神は違うのかもね」


 聖女たちと打ち解けた俺はそれからと言うもの聖女たちからものすごい質問責めにあった。

 聖女なために神様に強い関心があるらしく。だからか神様や天界について。

 はては先ほどの天使との関係から。


「神様はどのようなことが出来るのですか?」

「俺はまだ、無から有を作る力と、人の心を読むことと、あとは転移かな」

「それほどの力を」

「今、私が何を考えているか分かりますか?」


 聖女の一人がそんなことを言ったものだから心の中を読む。

 綺麗なネックレスが欲しいな。

 と思っているため、俺は無からダイヤが散りばめられたネックレスを作り出す。

 それをその聖女に渡す。


「どうぞ」

「すごい。本当に心が読まれました。あの、ありがとうございます」

「良いよ。良いよ」


 その聖女は嬉しそうにそのネックレスを首へ着けて一回転して俺に見せてくる。

 キャバクラとかそんな所とは無縁の人生だったがなるほど。

 これがキャバクラの良さか。

 すごく楽しい。

 可愛い子たちち囲まれて、沢山会話をして。

 求められている、そんな幸福がある。

 ただ、そんな楽しい時間はすぐに終わり。


「あなたたち!」


 ついにルルちゃんが怒った。


「神様に対して馴れ馴れしくありませんか?それに何、神様にプレゼントを催促しているのですか?没収です!」


 ルルちゃんは俺があげたネックレスを取り上げると、俺の方へ返してくる。


「申し訳ありません。神様。彼女たちには私から厳しく言いますので」

「良いよ。全然。少しぐらいなら」

「ですが」

「そうよ。ルル様は厳しすぎるのよ」


 ネックレスを取られた聖女をルルちゃんは睨む。その聖女の子は小さく縮こまった。


「大聖女様がいないからと、神様が心優しいからと浮かれて」


 心優しいとかちょっとうれしい。

 会話が止まったがためにふと時間を気にし始める。そういえばレナちゃんがこの神殿に逃げ帰っているはずだ。

 そして戦いが終わり俺のことを探しているかもしれない。


「良い加減、戻らないといけないかもしれないな」

「天界にですか?」

「いや、天界じゃないよ」


 ルルちゃんが不思議そうな表情をしたがために俺はああと気づき、先に答える。


「隣の街に」


 すると聖女たちは皆、驚いたように。


「隣町ですか?」

「まさか普通に生活をなさっているのですか?」

「人間のように」

「うん。そうだけども」


 そんなにおかしいだろうか?

 いや、すごく可笑しいか。だって身近なところに神様がいたわけだから。

 隣町のまさか元聖女のレナちゃんの家に住んでいるとは想像もつかまい。


「そうだ。皆んな、レナちゃんのこと知ってる?」

「レナちゃん?まさかレナ様のことですか?聖女だった」

「そう、そのレナちゃん」

「何故、彼女を知っているのですか?」

「今日はレナちゃんと一緒にここに来たから」

「一緒に?」


 ルルちゃんが眉間にしわを寄せる。


「それはどうしてですか?」

「私の、夫だから?」


 それはタイミングを見計らったかのようだった。


「あなた様、何故ここに?」

「何故貴様が神殿の奥にいるんだ!」


 レナちゃんとその他二人が制止しようとして失敗したのであろうラルさんと共に、この部屋にやって来た。


 ちょっとやばい気がする。

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