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さて、食料問題はなくなった。
衣食住の食の問題はなくなった。住と同様だ。残りは衣、ひいては風呂と洗濯だ。
四日間同じ服を着ている俺がいる。
何となく、腕をスンスン。
うん、臭い。
「水と水を貯める場所を作れば、風呂と洗濯はなんとかなるけども。問題は服とか桶を作れるかだよな」
食べ物は死にかけていたがためにイメージを必死になってしたが、それ以外となると必死にできるわけがない。命に関わらないからな。
でも、次神様に出会った時、神様の嫌そうな顔が想像できてしまう。
よし!
風呂と洗濯。できる様になろう。
なんて考えていたが、案外何とかなるもので、洗濯桶と風呂桶は簡単に生み出すことが出来てしまった。
そこに水を入れて、取り敢えず俺は服を脱いだ。
顔をまず洗おうと水を自身の顔にかけようとしてふと違和感。
知らない人が水の中にいる。
右の頬を引っ張る。水の中の人も同じ様に動いた。というか痛い。
変な顔をしてみる。同じ変な顔になる。
これ俺?
いやいやいや、誰?
俺はもっとブサイクだったはずだ。
「その質問に答えてあげる」
なんて思っていると、神様がどこからともなく現れた。4日ぶりだ。
取り敢えずあそこを手で隠す。
「いやあん」
「いやあん、じゃないわよ。男が気持ち悪い」
「やあ、神様」
「やあ、じゃないわよ。あなた、凄く臭いわよ」
「風呂に入ってないからな。それよりも、どうして俺の顔はイケメンになっているんだ?」
「だって、ブサイクな神様は気持ち悪いでしょ?」
なにその理由。
まあ、そうかもしれないけどもさ。
だからと言って、なにも言わずに俺の顔を変えないでほしい。
「安心なさい。あなたが望んだダンディな男前の顔にしたから」
確かに。
男ウケしそうな顔だ。ヒゲが生えていたら完璧だった。
「まあ、ありがとう。神様」
「あなたからお礼言われたの、何気に初めてね」
「まず、そんなに会話してないからな」
「それもそうね。もっと言うと必要ないからね」
まあ酷い。
「そんなことよりも、あなたのために、ここに洗剤用意してあげたから、毎日風呂に入りなさい。分かった?臭い神様とか気持ち悪いじゃない」
「あんたは俺の嫁か!」
「はっはっはっ」
「せめて否定して欲しかった」
笑われるとは。なに一つ意識されていないと言うこと。ちょっとショック。まあ、神様がただの人間に興味を持つ方が可笑しいのか。
「それじゃあ、私また寝るわね」
「ちょっと待て!神様の仕事が何なのかまだ聞いていないんだが!」
気づいたら神様はいなかった。
どんだけ寝るんだよ!