7-5 神様の独り言3
「違う」
神様は彼の言葉に激しく反応を見せた。
「違う。違う。違う。違う。違う。私じゃない。あなたが自ら招いたこと」
そう、ルルの街を襲うスライムの群れは彼がその街に向かったからに他ならない。
いや、これ自体はまだ起こりうる想定の範囲内だった。
そう、ただそのスライムが現れたのはただの不運でしかない。
「助けるべき?いや、助けてはいけない。助けたら情が生まれてしまう。私はあくまで神として、遠くから支えるだけ」
神様は膝を抱え、ただ見守る。
「太陽の神は私の失敗作だった」
神様は続ける。
「水の神、火の神、土の神、風の神、陸の神、空の神、海の神、太陽の神、月の神、光の神、闇の神、剣の神、盾の神、魔法の神、どれも失敗作。ううん、わざと失敗した」
それは。
「後継者を無から作ろうとした。でも作れなかった。そしてあいつらは対立を始めた。そして出来上がったのがこの世界」
神様の心に秘めた気持ち。
「私の手で自らこの世界を変えることはできる。でもそれはしてはいけない。だからあなたに頼るしか無かった」
小さく神様は呟く。
「これで良い。こうでなくちゃいけない。そうでしょ?私の愛しい……」




