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スライムは九つの階級に別けられる。
街の外で出会うスライムの多くは下三つ、下級と呼ばれるスライムである。
その上中級、あるいは上級になるとその強さは頭一つ跳ね上がる。
中級の上位、第4位のスライムに勝てる人間はこの世界に数えるほどしかいない。その上、第3位の上級のスライムになると一人で勝てる人間は存在しない。
最上級、第1位のスライムになるとスライムを除く全ての種、ドラゴンやエルフ、天使、悪魔などでも太刀打ち出来なくなる。
仮に勝てるとすれば、それは神のみである。
人間はこの種として生まれた時から、街の中で農業や畜産を行い、自給自足が強いられている。
少なくとも神の加護があるうちは、街の中は平和である。
だが。
真っ青に染まる大地。
それが夥しい数のスライムだと分かると、高台で見張りを行う兵士の一人は顔面蒼白になりながら必死になって鐘を鳴らした。
その鐘はスライムが攻めてきたことを示す。なんどもなんども、ずっと鳴り続けることが彼の仕事だ。
しかし、すぐにその鐘は鳴り終わる。
遥か彼方から飛ぶ何かが頭を貫通したからだ。
倒れる兵士。
ほとんどのスライムは下級である。
しかし中に十数匹ほど中級の姿。
そしてその奥に一匹、第3位のスライムが姿を見せていた。
姿形は他のスライムと変わらない。
引いて違いをいうならば、その大きさである。
下級のスライムの大きさがおよそ二メートルとするならば、そのスライムの大きさは数十メートルを超える。色は青というよりも紺に近い。
その外見の違いはささやかなものである。
何より上級のスライムの恐ろしさは別にある。
それは。
スライムを遂に出すことが出来ました。




