7-2
神殿を出た俺とレナちゃんは街を散策することにした。
広い街だ。
商店街みたいな所を歩いたり、博物館に入ったり、図書館に入ったりとまるでデートのよう。
あれ?
ものすごい幸せだ。
このまま神様にならずにこうして生きればいい気がする。
でも何かを忘れているような。
「何だったかな」
「どうしたの?」
「いや、何かを忘れているから」
レナちゃんと会う前。
そうだ。
フィナさんだ!
「そういえば、フィナさんどうしてるだろう」
「フィナさん?」
「ちょっとした知り合い。もしもフィナさんと出会わなかったらレナちゃんとは会えなかったな」
「その!」
レナちゃんが勇気を振り絞ったかのように、聞いてくる。
「彼女?」
「いや、違うよ。ただの知り合い」
だね。
うん、そのはずだ。
「良かった」
レナちゃんが小さく呟いたのは聞かなかったことにしよう。
とは思ってはいけないと少しずつ思い始めて来た。
いい加減に、レナちゃんとの関係をはっきりしないといけないな。
そう思ったそんな時。
これはささやかな未来の話。
もしも俺がこの街に来なければ、俺が神様に干渉しようとしなければ。
こんなことは起きなかっただろう。
この日、この時間。
モンスターたちが街を襲おうとしていた。




