7-1 大聖女様
「…………おかしい」
神殿の地下。
誰もいない部屋で大聖女は小さく呟いた。
その身を捧げる相手である太陽神からの返答が突如途切れたからである。
明らかに何か別の干渉。
それはほどなくして元に戻る。
「別の神がいた?」
大聖女様の存在意義は太陽神にお願いすること。
人間は街の外では生きて行けない。それはこの世界を埋め尽くす闇が原因。
だからこそ、守ってもらわなくてはいけない。
それを願う相手が神なのだ。
しかし神の守護はささやかなもの。完璧ではない。街に入ろうとしないモンスターはたまに群れをなし街を襲う。
それはこの国全土と広範囲におよぶものだからとされているが、おそらく原因はそこではない。
その原因の解明もまた大聖女様の役目だ。
大聖女様は127歳を迎える。
しかしまだ死ぬ兆候すらない。
それが大聖女様の価値を高める付加価値となり、今となれば王に並ぶ発言力を手にした。
「大聖女様、別の神がいた、とは?」
一人の聖女が聞いた。
「なぜ、あなたが聞くのですか?あなたが知る必要がないことです」
「申し訳ありません!」
聖女は謝り、部屋を出て行く。
「少し、考えないといけませんね」
ストックがなくなりました。




