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6-4

神殿の中は、天界みたいな場所だった。至る所が白く、輝いて見える。

入ってはいけない空間。そこに入っているなんとも言えない高揚感で、ちょっと楽しい。


「ルル様と再び出会えるとは思いもしませんでした」

「私はもうルル様じゃない」

「私にとったらいつまでも可愛いルル様です」


神殿の中を歩きながら、神官の女性はレナちゃんと話す。


「ところで、そちらの方は?」


そして、俺に目を向けた。

わかってる。これは、シンシアさんと同じパターンだ。そうに違いない。


「…………私の」


レナちゃんが困った様子になる。


「保護者です」

「なるほど、そうでしたか」


信用してもらえた。


「ちがう」


と思ったら、レナちゃんが否定。


「では、なんなのでしょうか?」

「私の、夫?」

「…………」


あれ?

あれれ?

あれれのれ?


「夫?」

「違います。そうじゃないです。道で倒れていた時にレナちゃんに助けられまして。それからずるずると今に至ります」

「なんだ。そうだったんですね」


そう弁解する。

良かった。夫の座を回避。別にレナちゃんが嫌なわけじゃないけども、すごくなりたいけども。ちょっとこれは違う気がする。

隣でレナちゃんが悲しそうな表情をしているのは気のせいだと思おう。


「そういえば、まだ自己紹介がまだでしたね」


神官さんはそう言って、微笑みかけて来た。


「私はラル、と申します。ルル様の教育係をしていました」

「教育係?」


何を教育してたんだ?


「彼、知らない。私のこと」


するとレナちゃんがそんなことを言ったものだから。


「もしかして、ご存知ないのですか?」

「はい」


頷くと、神官さん、ラルさんは答えてくれた。


「ルル様は聖女様です」

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