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6-2

ルルの街に来てしまった。

道中は街から街へ安全に届けることを生業にしている人たちにお金を払い、俺はレナちゃんと二人きりで来てしまった。

何故二人きりかと言うと、レナちゃんのお母さんとお父さんが空気を読んだからだ。

うん、意味が分からん。

というか俺一人で良かったのに。


レナちゃんは、久々に来たらしいルルの街にすごく嬉しそうだ。

まあ、この笑顔を見れただけ、良しとしよう。

すごく可愛い。レナちゃんが少しずつ好きになって来ている俺がいる。

いや、ダメだ。異世界のお母さんに顔向けできない。


「ねえ、どこに行く?」


レナちゃんが俺の裾を掴み、聞いて来た。


「まずは神殿だな」

「分かった」


レナちゃんが歩くと、道行く人々はレナちゃんに視線がいった。

まあ、今見えている範囲で、レナちゃんが一番かわいいから仕方ない。俺も絶対にガン見しただろう。

だからこそ問題がある。


あの、隣の男、なんなの?

似合わないよな。

ブサイクのくせして。


とか、そんなことを話しているに違いない。俺には分かる。聞こえないけども、話しているはずだ。


「ねえ」

「どうした?」

「着いたよ?」


レナちゃんにそう言われて、ああこれがと、目の前の建物が神殿だと気付いた。

でかい建物だ。

広場の中央に、その存在を見せしめるかのように建っている。


「神殿の中には入れるのか?」


そう聞くと、レナちゃんは首を横に振った。


「出来ないのか」

「神聖な場所だから」

「ちなみに、レナちゃんはどこで見たんだ?」

「見た?」

「神様のこと」


レナちゃんは神殿を指差した。


「どういうこと?」

「私は昔、あの神殿に住んでいたから」


レナちゃんはそう言い切った。

住んでいた?

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