5-5
仮説を立てて見た。
神様が本物としよう。
神様自身、その存在を人間に伝えるだろうか?
いや、俺はしない。現にまだしていない。まあまだ神様という実感がないからだけども。
でも、仮に神様みたいになんでも出来るようになったとしても多分言わない。
では、今この世界にいる神様は誰だろうか?
可能性としてあるのは人間だ。ただの人間が、あるいは少しだけ特別な人間が自身を神と名乗り、信仰を集めている可能性。
もしくは、人以外の何かが人間から信仰を集めるために名乗っている案。
なぜ信仰を集めるのかは今回は考えない。
「やっぱ人間かな」
日本の天皇も、日本神話的には、神様の子孫だ。それを信じる人間がいるかどうかはともかくとして。
この世界の王か、あるいはもっと特別な存在として人間が神様の子孫を名乗り、国を支配している可能性が一番高いだろう。
と、いうわけで、レナちゃんに答え合わせをした。この考えを要約して、なんとなくそれっぽく聞いてみる。
「ううん」
すると、レナちゃんは首を横に振った。
「神様は神様」
「つまり?」
「この世界のどこかにある天界に神様はいる」
「それをどうやって証明したんだ?」
「昔、空に飛ぶ天界に行った人間がいるから」
なんだそれ。
というか、人間が天界に行った?
おそらく、俺が知る天界ではなく、違う天界だろう。仮にそれが本当なら、いやこの世界ではこれは本当だ。
だったら、神様と同等の神がいることになる。
どういうことだ?
「どうして、神様にそこまで興味を持つの?」
「うん?」
レナちゃんが聞いて来た。
「秘密にしてくれるなら、教えてあげる」
レナちゃんが頷く。
レナちゃんに話しても問題ないと考えて、俺は教えた。
「昔、神様に会ったことがあるんだ」
つい7日前にね。
そして、俺は神様の後継者だけども。
「神様に?」
レナちゃんは俺の言葉を疑うことなく、むしろ興味深いみたいで。
「神様はどんな姿してた?」
「めっちゃ美人だった」
「女性だったの?」
「見た目はそうだった。実際は知らないけども」
もしかしたら、この事を話さなければ、きっと。
あんなことにはならなかった。
いや、俺が近づこうとしなかった。
「私も神様に出会ったことがある」
「そうなのか?」
「男の姿をしてた」
「へぇー」
「隣の街で出会った」
随分近いな。
「隣町に、太陽の神の神殿があるから」
「太陽の神、の神殿?」
その言葉に俺はすごく興味を持ってしまった。
スライムを出したい。
そして神様を出したい。
あ、次の話でひさびさにフィナさん出ます。
(気づけば3-4からずっと出ていません)




