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2日が経った。
レナちゃんについて分かったことがいくつか。
1つ目、話言葉が少ない。
2つ目、でも心の中は騒がしい。
3つ目、家事が得意。
4つ目、レナちゃんのお父さん、お母さんはレナちゃんのことが心配。恋愛の意味で。
以上。
流石に毎日いるわけには行かないので、俺は次の日には出て行こうとした。
でも。
「もう帰るのか?」
「帰る場所がないのでしょう?いつまでもうちにいても良いのよ?」
うっかり帰る場所がないことを伝えてしまい、俺はお父さんとお母さんに引き止められてしまった。
そして気付けばまた1日経った。
何かが可笑しい。
「なあ、レナちゃんや。説得してくれないか?」
そう聞くと、レナちゃんは首を横に振った。
無理みたいだ。
「お母さん、お父さん、頑固だから」
「似てないな」
そう言うと、レナちゃんは困った様子になる。
それも今までにないぐらいに。
だから、あと一回だけと俺はまた読心をした。
どうしよう。
どうしよう。
私、私。でも、逃げたら迷惑をかけるから。
どうしよう。
頑張って耐えなくちゃ。
私はこの家の子じゃないことはまだ伝えられない。きっと関係が悪くなるから。
あぁ、これだから読心はダメだ。
「ごめんな」
俺は謝ることしかできなかった。
「どうして?」
レナちゃんは不思議そうな表情をした。




