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5-1 レナ視点
私はお散歩をした。
これが日課。
口下手だから、誰とも会わない道が好き。この街は比較的治安が良い。
だから、夜に散歩をしても大丈夫。少なくとも私は今まで大丈夫だった。
私は一人になりたかった。
一人は好き。
何も気にしなくて良いから。
悩みをずっと考えることができるから。
悩みから逃げることができるから。
けど今日は違った。
一人の男と出会った。
咄嗟に隠れてしまう。
「久々に神様に会いたい気分だ」
男は呟いた。
神様?あの、神様?
どうして?
何を言っているの?
その言葉の意味が分からず、だからか私はその男に少しだけ興味を持った。
そして男は倒れた。
「…………大丈夫、ですか?」
私は男に近づいて、男の肩をゆさゆさ。
男に反応はない。
こ、こ、こここういう時ってどうすれば!えっと!その!
まず、病院に。でも、お金ないから。
あ、でもこの人お金持ってるかも。
って!私、今この人のお金を勝手に使おうとした!この人のためでもこんなこと考えるなんて!なんて最低なの!
「…………」
とにかく落ち着こう。
私は男を助けるために家へ走った。
個人的に一番好きなキャラです。




