4-3
「やめてくれ!」
「殺さないでくれ!」
苦しみの声が辺りを埋める。
シンシアさんは殺すという行為に一切の躊躇いなく、リオの団員を殺していった。
リオが所持する建物に到着するやいなや、シンシアさんは一人の団員を恐喝、ここで正しいと分かるといなや、今に至る。
怖い。この世界の女性怖い。ええ、何で当たり前のように人を殺すの?
そして、どうして俺は血を見て何も感じない?
「役に立たないな。お前は」
「本当にシンシアさん一人で充分だな」
「当たり前だ」
人は殺したく無い。
モンスターならまだしも、人を殺したら、本当に人でなくなりそうで。まだ、神様の後継者に選ばれた人間としていたい。
「お嬢様がどこか分からないのが問題だ。お前、優秀な魔法使いなのだろう?探せないか?」
「ご勘弁を」
「本当に使えないな」
まあ、優秀じゃありませんから。
「仕方がない。リオの団員を捕まえて、拷問でもするか」
なんか、さらっと酷いことを言ったぞ。
「俺は一人行動をするよ。別れた方が早いだろ?」
「ああ、出来ればそのままどこかで死んでくれ」
「それは無理だ」
俺はそんな感じでシンシアさんと別れた。
一人行動が始まったのは良いものの、何をすれば良いんだ?
仕方がない。
新しい力を身につけるのだ。
成長をしろ!
頑張れ、俺。負けるな、俺。
行くぞ!
「でも、何をすれば?」
新しい力。
そう言えば、神様は読心してたよな?
相手の心を読めば、フィナさんの居場所分かるけども。
読心か、読心。どうすれば読心ができる?相手の心を読むイメージでもすれば良いのか?
出来る気がしない。
「はああああ!」
と口で気合いを表す。
両手を前へ。
いや、待て。
心を読む相手が目の前にいないから出来ないじゃん。
なんて思いながら前へ進む。
ふいに前方の扉が開き、知らない男が現れた。
「なんだ、お前は?」
なんだ、男か。
なら、無視して問題ないだろう。
「ちょっとそこ通りますねー」
俺は知らない男の隣を通ろうとして、肩を掴まれた。
まあ、スルーできないか。