3-3
どうしてこうなったのだろう。
と考えても仕方がない。
とりあえず、頭を整理しよう。
美味しい料理だった。
日本と違って、品種改良とか無いだろうから、日本の味に親しんだ俺には合わないと思ってたけども、全然良いものだ。
素晴らしい。
素晴らしいが口癖になりそうだ。いや、心の中だから口癖ではないか。
まあ、そんなことはどうでも良くて。
「この料理もお食べになってください」
と、よく分からない肉料理が俺の前へ。
素直な感想を言うと、何だろう。これだけ下手な料理だった。焦げてない?気のせいか。
一口食べる。
あ、やっぱ焦げてる。お世辞にも美味しくはないけども。
「美味しいです」
と答えると、フィナさんは嬉しそうな顔をした。
ええ。フィナさんが作ったみたいです。
どうしてフィナさん、俺のために料理作ってくれたの?
どうして嬉しそうなの?
まあ、恩人として作った、素直に喜んだのだろう。そうでないとおかしい。
食事が終わると、フィナさんがこんなことを言った。
「お風呂に入りませんか?」
「お風呂?」
「はい。もう沸かしてありますので、どうですか?汗を掻いていませんか?」
「入ります」
もしかしたら、フィナさんが背中を流しにくるかもしれない。
フィナさんの哀れもない姿が見れるかもしれない。
そうなると、素晴らしいの言葉で済まない。神様に本気で感謝をするかも。
まあ、ありえないけども。
それは置いといて、今は休みたい気分だった。ずっと歩いていたから、風呂はぴったしだった。
けども、それが間違いだった。
風呂に入った俺は広い浴槽に一人。
気持ち良いもので、心身ともにリラックスしていた。そんな中、風呂の入り口が開いた。
ギョッとしたように思わず立ってしまう。そして、あそこを手で隠す。
ふう、セーフ。
そして湯気で視界が悪い中目を凝らす。
もしかして、フィナさん?
と思ったら、シンシアさんだった。
タオルを体に巻き、タオルの隙間から、下着を着ているのが見える。
「まさか、お嬢様が背中を流しにくるとでも思ったか?」
はい、思っていました。
すみません。
でも、どうしてシンシアさんが?




