表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/92

3-2

「ここがカロの街です」


無事到着したカロの街はレンガ造りの綺麗な街並みだった。

時間は、多分五時ぐらいだろうか。この世界に時計があるか分からないけども、夕日の沈み加減はそのぐらいだ。

綺麗だ。素晴らしい。こんな街に一度は住んで見たいものだ。

何より、夕日で赤く染まるフィナさんがより一層綺麗に見える。これが夕暮れ効果もとい放課後効果か。


「この街に別荘があります。今日のご恩をお返ししたいです。どうか、来てくれませんか」

「わかった」


別に良いのに。でも、断るのも気がひける。

というか別荘があるのか。つくづく、フィナさんの金持ちぶりに驚く。

別荘は街の中央近くにあるらしく、その別荘に到着すると、フィナさんに気づいた使用人の一人が別荘の中へ。そして、違う女性が出て来た。

これまた綺麗な。フィナさんは綺麗な茶色の髪。神様は金色。そしてこの女性は神様同様金髪だ。

その女性はフィナさんへ詰め寄り。


「お嬢様、ご無事でしたかっ⁉︎」

「はい。ご無事です。シンシア」

「其方の方は?」


多分シンシアという名前なのだろう。そのシンシアさんは俺の方を睨んでくる。

おかしい。感謝されども、睨まれるようなことはしていないぞ。多分。


「彼は私の命の恩人です。もしも彼に出会わなければ、ここまで帰ってくることができませんでした」

「まさか、この男と二人きりで森を抜けたのですか!」

「はい」

「何故、見ず知らずの男を信用なんかするのですか!」


酷い言われようだ。

まあ、正しいと思います。はい。


「とりあえず、そこのお前。ここに金貨が10枚ある。お嬢様を助けていただき感謝はしている。だが、これ以上は」

「シンシア!」


フィナさんが今までに聞いたことがないような大声をあげる。


「命の恩人を無下にするのは、我が血の恥となります。彼におもてなしを」

「ですが」

「良いから」

「分かりました」


シンシアさんが渋々といった様子で、頷く。

そして最後にもう一度睨んでくる。

何だろう。睨む顔も良いものだと思って来た。俺はエムかもしれない。

あぁ、蔑む目が、素晴らしい!


「今日はよろしくお願いしますね。あなた様」


フィナさんがそんなことを言った。

よろしく?

あなた様?

何か良くないことが起こる気配がする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ