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2-5

突然のことだった。

スライムが自身の体を大きく見せたかと思うと、俺とフィナさんを覆いかぶさろうとする。

フィナさんを引っ張り、寸前で回避する。

そして二人して逃げる。

何事も逃げの姿勢が大事だ。それが人生をうまく渡る力になる。

なんてまあ、軽く考えていた自分がいた。

スライムは俺たちを追いかけてくる。その速度は俺たちよりも早い。

まずいな。すぐに追いつかれる。


「フィナさんは逃げて。俺が囮になるから」


だから、俺はスライムの標的になるために立ち止まった。

するとフィナさんも立ち止まる。


「ダメです。一緒に逃げましょう」


フィナさんは逃げない。

どうして走ってくれないの?

こう言う時は素直に聞いてほしい。物語のキャラの心情がよくわかる。

追いついたスライムがまた体を大きく見せた。

突然ではないため、その回避は簡単だった。

不思議な感覚だった。体が軽い。まるで自分の体じゃないとかそんな言葉があるけども、まさにそれだ。俺ってこんなに運動神経良かったか?

まあ、良いや。


仕方がない。スライムを倒そう。

勝てるか分からないけども。

地上を支配するモンスターなんだろ?

全力でいかないと。


スライムが俺を覆いかぶさろうとする。

無から槍を生み出し、そんなスライムを突く。狙うは脳のような場所。

しかし。


「あれ?効いてない?」


感触はなかった。脳も液体だった。スライムの攻撃は止めれず、また寸前で回避をする。

気づいたら槍は手の中になく、スライムの体内に取り込まれていた。そして、それは徐々に溶かされていく。

なるほど。

クソ強いな。槍の攻撃は無効にし、強力な酸持ち。どうやって倒すんだ?魔法は効くのか?でも俺は魔法使えないし。

いや、魔法に近いことはできる。そしてスライムの体は液体だ。


爆発四散すれば良い。


俺は銃は作れない。電子物同様、構造を理解していないからだ。

ただ、簡単な爆弾を作ることはできる。

ニトログリセリンを染み込ませたオガクズと、筒。導火線。

これらを組み合わせた状態でイメージを行うと、爆弾が完成した。

でも、これをそのまま爆発させると俺も巻き込まれるからな。何か盾が必要だ。

俺は火を生み、導火線につける。


「フィナさん、伏せて!」


そう叫ぶと、意味が分からないといった様子ながらも言葉通り、伏せてくれる。

それを確認した後、俺はスライムに爆弾を投げた。それと同時にフィナさんの元へ走り、周りに巨大な鉄の壁を作る。

爆弾はスライムの体内に入る前に、空中で爆発四散を起こした。


爆音が辺りに響く。

砂けむりの中、むせながら俺はフィナさんを抱きかかえ、場所を離れる。

フィナさんは何が起きたのかわからず、不思議な表情で俺に話しかけてくる。


「スライムを倒したのですか?」


スライムがいた場所を見ると、スライムの体の一部があちこちに散らばり、それぞれが木や土を溶かしていた。

壁が無かったら、爆発に巻き込まれなくても危なかったかも。


「ありがとうございます。お強いのですね」

「いやあ、それほどでも」

「あなたに出会えて本当に良かったです」


我ながら格好良く行けたと思う。これは、フィナさんとフラグを立てれたのでは。

いや、そんなことはないか。フィナさんみたいな美女なら彼氏もいるだろうし。

はあ、そう考えると彼女が欲しい。フィナさんみたいな。


「あれ、もしかして知らないのですか?」

「何がですか?」


フィナさんの唐突の意味の分からない質問。

フィナさんの表情が微妙になる。どういうことだ?何が知らない?

まあ、大したことじゃないだろう。

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