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Heart of 6 〜赤と譲渡〜  作者: 十ノ口八幸
終章
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終章~彼方よりの依頼~

何かの事が終わって幾日経つのだろうか。

僕は考えてる。圧倒的懸念で長期的懸案事項を。

どうしてか。

何故なのか。

いつの間にっ。

借金が減るより増えていたんだけどっ。

身に覚えのない事柄まで記載されて混乱と困惑と焦燥で衝動が次の行動をさせたんだろうな。

窓と扉を全開にして。

絶叫。

近所迷惑。

なにそれ美味しくないよね。それなら心の限りに叫び続けているでしょ。当然、集団が押し寄せて引き剥がされ床に組み敷かれて疲労困憊の身体を引きずられて学園生徒上位機関に引き渡された。

引きずられながら、引き渡されても乾いた笑いしかなかった。

なんでだろう。

心が、重い。


何があったのだろう。と部外者ならそう言葉にするのかなぁ。

眼下には争奪戦が繰り広げられていた。

直近の原因は数時間前。突然前触れなく、ある事が告知されたこと。

それが原因で学園は島全体を巻き込んでの権利争奪戦争の真っ最中。それだけにあらずだ。何せこれに勝利すれば翌年の授業全てが免除。成績も全てが点数に関係なく高位になる。さらに最高機関への話を優先的に回してもらえる。

そして委員会の何れかに推薦される。

もう笑いを通り越すね。

くっだらねぇ。

とそうだ。これだね。目下の懸念事項、は。


遡ることちょっと前。資料の作成と平行して島に関する資料を手に入れていた。

過去の古い記録から現在までの詳細な記録。何故か反論を許されず渡された。

複数ある中の一覧に気になる題名が記されていて検索を掛けると1つ該当した。

古い物だろうけど、その内容は。

『これを読んでいるか見ているか聴いているのか知ってか知らずか女か男か中間か。何者であろうと関係ないのかあるのか。はてさてさてさてさてはて。長々は好かないので単刀直入に書いておく。いや記すというのが正しいのか。話が逸れるな。

記述しているこの時から数百か数千か、異なる世界にて、かもしれない時と場所にて複数もの意識を集約させるための愚かなる実験の果てに産み出された存在。次元の異なる存在の器に選ばれ核から殼となりその時代の燃料にされている。そのままの放置は必ず世界を滅ぼす種となり発芽して大樹となりて覆いつくし、そして世界は消滅する。

回避する方法は。自分で考えてね。』

悪寒と変な声を出してしまい周囲に人は居なかったけど、恥ずかしかった。

気を取り直して、その後の言葉は幾ら調べてもない。

諦めず色々と調べても何も出なかった。

イタズラの様な文面だったのだけど妙に気になって調べたら嫌な気分になった。

そこで止せば良いのに続けて外部に調査していたら依頼した相手からの請求が高額で説明を求めたら其らしい事を(つらつら)と述べられてため息と一緒に諦めた。

その時、ふと思い至って現在の借金を調べていたら。

想定を次元を突き抜ける金額が目に入ってきた。

現実を忘れようとして突きつけられた金額は現実を突きつけた。

衝撃に動かされるように叫んで集団に組敷かれて連行され。

今は長い説教を受けている。

動けないように拘束されながら説教は続く。

溜め息が小さく漏れながら説教を右から左と左から右へと流して聞いていた。



長時間と苦しく泣きたい衝動に圧されるものの説教で疲れは厳戒ではなく。

限界を超えてこれまでの全てを投げ出して眠りたかったのだが。

そうもいかないのが彼のさだめと読ませる運命である。

違う違う。宿命だ。

誰のだよ。とまあ無駄な話に反れそうなので無理に進めようかね。


長い無駄な時間を費やして解放されたのは、嫌味か深夜だった。

長時間の成れない正座で疲労的物理と疲弊的物質で用意された独房に着くまで時間を掛けてどうにか鍵を開けて周囲の雑音を遮断して入室して溶け込むように床で眠ってしまった。でも。


眠い。でも気になる事だから調べないと。

超短眠で直ぐに目を開ける。

音を鳴らしながら調査結果と一緒に独自調査で知りえた情報を統合して結果を導き出した。

「わからん。」

ずこおぉぉぉぉ。

「あ、何をしてるんですか。情報管理の局長さん。」

「さ、さんは入りませんよ。」

「てかよく入れましたね特別独房に。で、なんですか。要件を広東に纏めて、てこれは違うな、簡単に纏めて話して下さい。ではどうぞ。」

「はぁあ。アレがコレなんて本当に現実かしら。」

「ん。アレとかコレとか何を言ってるんですか。まあそんな事は良いので早く教えて下さい。法外な値段で調査の継続を申請したんです。何か解ったから来たんでしょ。」

「そうね。じゃあ端末を出してくれないかしら。送信したから届いてると思うけど、何時までも既読にならないからこうしてわざわざ来たのよ。」

「ん。」

端末を起動させて操作する。

「ええ確かに確認しました。それでは報酬は指定に振り込んでおくので確認を。」

自身の端末を確認。

「確かに振り込まれてたわ。」

端末を仕舞って。立っている。

「ふむ。何をしても僕が、貴様に何かを沸き出すとおもうな。と言うことで、てあれ。」

「くっ。」

表情を崩して振り返り出ていった。

静かな空間に一人だけ。

深く吸い一気に吐き出した。

「乾いた笑いを添えて涙がでるね。」

端末に表示された最後に別の貼付で止めを刺す。やる気でねぇ。

投げやりになるようで。

「よしっ。やろっ。」

こうして時間は過ぎていく。

過ぎていくのだが懸念事項は不断ふんだんに。

笑いとため息と怒りが沸いてくる。ような。気がするんだけど。



くっががはははは。どうしてかの言伝てが閲覧できたか。

知らねぇよ。何なんだよ知ってるんだろ。じじい。

むむむ、むむ。我にはこれを敵対する物の手紙と推測するが。

推測するが。と言いますが翁。私もこれは怖い。と感情を揺すられるのですが。

おおう。何ですか。もう接続出切るんですね。

その音程だと嫌な意味に聞こえるぞ。

そうかな。で。何が気になるのかな。

そうですね。この手紙めいた笑いを堪えたものを貴方は許容したんでしょ。何故ですかな。

ですかな。と聞かれても。さあ。としか。許容したと言われても、許容した事はない。笑い飛ばすよ。

ふふふくく。本当に怖いなそして吐き出したい。

止めよの。我にも感染するのでな。

それでよう。どうする。

どうするとはこの依頼者不明の手紙ですか。

そうよ。受ける受けなかった。としても何も生まねえ。報酬も無いだろうよ。無償で動いて残るのは虚無感かもな。

知ってるなら話して下さい。どうも作為的というか軽い悪意を読み取れるんですけど。

くく、そうだな。俺もこれを見るのは久方ぶりだ。まさかこの歳で再び、とは思わなんだが。誰かが予言してこの世界の救済方法の一欠片を提示したんだろう。回避方法が記されてないのが腹立つが。

ですよね。最後の一言が軽い殺意さえ昇ってくる。

くけけけけ。ではでは、これをどう捉える。

遊びを交えた真実だろうと。なので受けようかと。これ完全に俺に対して面白おかしく含みを入れて先を示しているだろうなと。

ほほう。それで宜しいのか。

宜しいのか。と言われてもな、これから漂うのは。世界。というより二柱に連なる《何か》の存在が見えてるね。

んなっ。

はは。その根拠は。

さあね。ただ感覚的にそうなんだろうと。差出人も不明なのにどうしてこれが現在まで保管されていたのか、と。少しは気になるし。まあまた、損をしそうではあるけども。


元総隊長。いや。元上位者マダガスト。それでどうしましょうか。

そうだな。俺が何かを言って、それで坊主の意志が少しは揺らぐなら発言するが、無いだろうよ。

そうですね。俺もまあ決めてますから。なら受けましょうか。受諾。ということで。返信しときますか。何処かへと。

それでどうしますか。

何がです。

ほら例の告知。ですよ。

告、知。てあぁ、島全体を使った。何でしたっけ。中々の優遇措置でしたっけ。まあ、親にしてみれば様々な手を使ってでも権利の裏にある利権を欲するだろうなと思うけれども。

それだけか。

ん。なんで。自由に参加を募って、学年関係なく奪い合い。権利は一割にも達せない狭い道。それを争って手に入れた先には優遇確約の権利。はっ嗤ってしまう。自由なら参加しないという選択も自由。なら参加しないな。面倒臭いし。

ふははは。

なんだよじじい。

そうさなぁ。のう。赤よ。これは(なに)の差し金と考える。

ふふ翁。私に話を振るということは。見えてますか。

見えてないのう。くかかっ、我等の権利は一括して停止している。故に見ようにも見えぬよ。

ふむ。そうですね。では()よ。見えていて参加しなかったのか。

何を呆けているかな。見えるとか無いので。それじゃぁ話は切っても誰も、文句あるなら言ってくれよ。先っきから黙ってるけど。獣たる獸。名前は、後で考えて仮にキィにしようかな。嫌なら候補を提出すること。で何かを言いたいんだろ。どうぞ。

んんんん。お、あ、ああ。これが接続てのか。ふむふむ。そうだね。言いたいことは一杯あるけど。1つだけ。

何だろう。

これが紛れてたけど。

お、そうか。なら食べて良いぞ。

なに。調べないのか。

調べて何か出るならいいけど、粕も無いだろうし。そうだな。全員に聞きますが、どう見る。

まだ開けていたのか。面倒だから閉じてほしいのじゃが。

まあ後少しは我慢。ということで。さてキィ。何か言いたいかな。

そうだな。では、結論を捻り切ってでも道を別つ、ていうのを考えたけど。どうなんだろう。

別つ、ときたか。そうだなぁ。まあ選択の1つではあるな。また、大変な事態にはなるけども。それで得られる利益なんて皆無だろうしまた、乾いた笑いしか残らないだろうな。

そうか。ではんあぁんぐ。ぷうっ。不味っ。覚えておいて欲しいなと。

片隅にでも記憶しておくよ。

他には。

無いのう。

無いですね。

ねぇよ。

くかっ。無い。

ありませんよ。

それでは。これで解散。また現実()で合いましょう。


頷いてから次々と消えていく。

そうして残ったのは。


で、全く話に割り込まなかったのは何かあるからだろ。ウェイトゥルース。

その形式はなくなっている。

そうか。では何と呼んだら良いのかね。

まだ思案中なれど、テイヴィイと呼んで戴きたい。

了解。ならテイヴィイ。話はなんだ。

はい。深度の先への接続が可能になった。許可を戴きたい。

ダメ。絶対にダメ。論外だ。

理由としては。

触れたら侵食されて進軍されて侵略されて中身が無い。見た目だけの存在に成り果てる。それを望むなら停めないけど。

そうか。なら今は、止めておくとしよう。

そうしてくれ。

では、戻る。

うん。


存在が空間から消失した。


さてさて。んん。どうなるかな。はぁ借金が増えて減らないし、また何か仕事を見つけないと勉学に支障、はもう出てるしな。さて。どうしよう。依頼は受けても借金は減らずはは。もう次の自分に任せよ。


最後の存在が消え空間は閉じられた。

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