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Heart of 6 〜赤と譲渡〜  作者: 十ノ口八幸
終章
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終章~何かを語る~

大きな光の柱が形成され、伏している者達に向かって倒れて何もできず。

後悔しかないのか。と誰かに問われたなら否定するだろう。

しかし動かすことのできない肉体は、拘束の力か準じる何かが働いたのか、小さな事さえもできないのだ。

只、動かせるのは、目。

悪意もって視線を相手に向ける。

向けた相手の表情は。


誰も動けず話すこともなく。

停滞した空気がそうさせるのか。はたまた何かを待っているのか。

「なら。何をどうしたいか。確か爺は誤解を解きたいんだったよな。それでもう1つの神と自称する貴様は。何を話す。」

「わ、私は。真実を知りたいですね。あの者が関係していたのは判りました。ですが、その後の我々を粛清した者が誰なのかを知りたいのです。」

「爺はどうするよ情報交換として何を提供する。」

「ひょひょ。そうだのうでは、我の知り得る現在までの情報と技術の提供かの。」

「ふくく。そう言えば翁。貴方は弄りが好きでしたね。」

「ん、そうだが覚えていたか。」

「それでですね。」

「貴様の表の器を製作願いたい。 それか真実をなぁんてのはなくて技巧を凝らした器を製作して欲しい。そんな処だろ。また判りやすいな。でだ器を造るのは許可できるけど技巧は現段階では無理。不可能だよ。だから折れろ。それなら好きに図面に書き込んで提出すること。精査はするけど出来るだけ意図に沿った器を製作してやると約束。できるかな。」

「うぬは。」

「譲歩はこれまでだ。以上を有するなら対価を上乗せする。」

「くふふふそれで宜しいと宣おう。」

「では契約成立。詰めた事柄は後にして仮としてほれ、契約書だ。」

何もないのに紙が現れ相手の元へと向かう。

「ふふ此を認めたら私は幾つもの鎖に絡め取られて動けなくなるのでしょう。違いませんよね。」

「緩和しても受け入れを拒否するんだろ。なら此を示すよ。」

読み続けて秒より短く。

「良いでしょう。とはいかないですが。それでも私の考える全てが内包していますので《魂に賭けて》。」

「成立だ。」

契約書が交わされ消えていく。

「そう言えば。」

「どうした。」

「いやな、こういった契約事を受理するのは誰なんだろうかなと思ったので。」

二柱は振り向いた。

先には1つの存在。

「いやいや。僕にその様な権限はないよ。在ったとしても本体だけだよ。」

「ならお前か。」

む。知らないよそんなの。

「そうか。なら契約を受理するのが誰なのかは調べるとして。これで契約書も発行されたし全員に行き渡ったよな。」

物理的ではない紙片として全てへと行き渡った。

紙片は魂に組み込まれ、逃げることもできず契約により破ることは不可能である。

「でだよ。俺としては悪意とか善意とか好意とか殺意とか。ん害意とかもあるだろうけど。言えるのは原因は全てお前なんだろ。と。違うのか。」

「違うと言ったよね。だから本人に聞いてよ。断片だよ。僕は。」

「そうか。ても本体自体を随分と昔に滅ぼしたからな。まあその辺りは追々という事で。」

「では我々の事をどうするのだ。うぬは関係ないのであろう。我らの代理戦争。」

「うん内輪揉め。それともただのケンカというのが正しいかな。」

「きさ「だってようケンカだろ掛け違えた故の勃発。それとも面白おかしく、何も産み出さない無駄な時間。」ま、は「何も言え無いことも無いだろ。穴だらけの反論しよう物ならしほうだい。」

「何が狙いなんです。」

「狙い、かと聞かれるならどちらにもないよ。俺は気分次第に流されてもそのままに流されるし抗うし。恭順してもいいよな。とか思ってもいないようで居たかもしれない自分がいるのだろうな。」

「何が言いたいのですか。」

「好きにすれば良いだろ勝手に。巻き込まれた存在にとっては傍迷惑甚だしい。けどそれは仕方ないように仕組まれていたのだろう何かは知らんけど。仕組んだことをなかったとしても運ばれる命は出会い結ばれて最後はどうなるのやら。見物だよな。」

「ふふふはふ。見れる。違いますね見るつもりですか。」

「さあ。それは俺に何かを求めているのかそれとも求めていたのか。迷うなぁ基準を知りたい。さて戻るか。世界は何をどう処理したのかなうおっ。何だよもしかして全てを解決させるまで戻す気をなくすのか。くかっか知らないねそんなもの。勝手にしてくれ。というしかないな。言ったかな。話の場を設けるけど当人同士でしてくんね。後は知らない。てな。」

「くふふそんなものどうでも良いのです。しかしながら我々の計画を破綻に導くお前は危険すぎる。だからこの場にて処分させてもらいましょう。ねぇ。」

「そうだのう。我の計画も狂ったし修正が必要だのう。なのでこの場にて退場願おうか。」

「アンタと獸も同意してるのかな。」

「まあ、俺は俺としてまだ生きたいし。」

「そうか。なら元から決裂してたし問題なし。」

とその背後に大きな力の塊が浮遊しており、極端に小さくなり手に収まると長大巨大な拒絶を纏った力が迷いなく振り落とされた。


冷めた表情をしていた。

「はは知らねぇ。」

視線は明後日の方向。

から視線は下がり見てくる。短い言葉が全員から漏れた。全身が動かない。二つの柱と一人と一匹は力の塊だろう物に圧されているて伏している事に理解は及んだが見下しただけでのその冷たく侮蔑と精神を陵辱する視線は死線を越えるに十分で動くという考えすら消し去るには。

「ぐぎ。」

それはずっと黙っていたあの異様なる存在。ある視点ではウェイトゥルースと呼ばれ。ある視点では歪なる変容とも呼ばれた生物機械兵器。

そう何故か会話に一切の介入もなく二つの柱の仇敵たる存在が現れても動きすらしなかった。その異様な不動が何故にこのような状況を造り出しているのだろうか。

「まあ、どの道、逃がす、ていう選択は一切合切どころか、元から端から根本的にも消滅させる事にしてたよ。だから其処の神だか古代だかの存在を内から操作したんだろ。端くれだもんな。簡単に隙間を抜い突いて言葉と意識を齟齬なく紡ぐ。なあ欠片だとしても見逃すと本気で思ってたか。」

「くひゅっ思う、わけ、ないだろ。隙を、突いたのは逃げるためだけど、一矢報いるだけはしたかったよ。」

「そうか。で失敗を前提にして何を知りたかった。」

「ああ、君の弱点をさ。知れたよ。」

「そうかい。それは良かった。次に在った時にでも答え合わせをしようや。なぁ。」

言葉は無かったが小さく笑い。異様な者に握り潰され消えていった。


静寂が支配。

「してたら良かったよ。静かにしていても何も進まない。なら進ませようか。アンタ達の記憶に齟齬があるのは理解したよな。それなら真実を見ていこうか。なぁに、時間は少しばかり在るんでね。」


霞みに覆われていた記憶という認識が変わっていく。

いや戻っていく。

懐かしい景色。

私は随分と遠回りをしたんだな。

そうかい。なら回りくどいのは嫌いなので早々に進めてくんね。

ぐ、だから回想に横槍。止しましょう。無駄と理解しました。ではそうですね。翁を処分した後ですね。

処分というのは何か嫌な気分になる。代わりの言葉を当てはめてくれぬか。

はぁ、貴方もですか。仕方ないですね。追々です。

では続けます。んん。

今も混乱していますが、これまで真実と思わされていた幾つかの矛盾について解らない部分もありますが。そうですね。あの邂逅という手順よりも前に我々全てに鍵を掛けていたのですしょう。記録という記憶。情報という見聞。意思という感情。ですけどそう簡単な話では無いはずです。何せ我々だけの記憶だけを改竄したとしても矛盾は直ぐに指摘されるでしょう。ならば、あの世界全てに対して欺いた。そう捉えるのが自然です。では誰が。そう力を盗んだ存在。それは我々の上に座する。云わば根元神とも云われるだろう存在が力を撒いたのでしょう。それは上手く発芽して生育させて数々の世界を生み出すことにも成功したと言えるでしょう。

しかし見つかってしまった。それが、消えた者だと今なら解ります。しかしあの時以降に消えた者の姿も見なければ存在すら感じられない。本当にしたいことをして消えたのですね。

元々、完成していたという力か何かを見るためとも捉えられますね。それを見て満足したのでしょう。

ではその後に我々を処刑し後釜に座したのは誰なのか。知り得ません。

だろうな後の事を知っているなら最後も知り得る。さてさて何者かね手引きしてから立案、工作とか等々は簡単でないし目を欺くことも単純にできない。なれば手引きをしたのが誰かは明白。となるよな。でも、それは愚かだろ。成功しているであろう班の行いを破滅させるなんてのは本当に愚か。なので誰が何の目的で瓦解させ崩壊させ消滅させたのは。さてではなんて誰だろうな。

何が言いたいのですか。

第三者の他に四つ目が居るんだろ。誰。と聞かれたら知るかよそんなもん。

では我々の世界を消滅。

ちょい待てなんで世界消滅を前提に話しを進めようとしてる。

何故に消滅していないと言える消滅したと言っているのはお前でしょう。

ん。だってよ、簡単に成功しているだろう世界という箱庭を消すて。愚行通り越して阿呆だろ。間抜けに腑抜け。後の事を考えると色々な資料が取り放題でわざわざ消す意味がない。

では消滅とは。

貴様を含めた神という存在の班として消滅。世界の消滅とは言っていない。誰かは知らんけど引き継いでいるんじゃないの。

な、なら我等の育んだ世界は。

まあ現存してる可能性はあるよな。くく。

笑うところですか。

さあ、なんとなく。

それで、どうするんだよこの事の落とし前を。

この事。とはどの事かな。戦争に関した事柄をいっているのか。それ以外なら知らんよ。それにもう落とし前とやらは終わってるので。対外的には。現象、解放した後で誰でも知ることだろ。既知としたならだけど。

ならさなんで隔離してまで神様達を閉じ込めたんだ。

まあ腹を割って話し合ってもらいたかった。てのが1つ。邪魔が入って真実さえ捻曲げられたら嫌だなぁ。てのが1つ。それと出来るなら欠片を回収できたら万歳。でもほら。

なっ。消えて。

まあ元々、小さな欠片だからな。其所の隔離させた個体の一撃でもう殆ど残ってなかったしその維持は無理なもの。何か言いたいことはあるかな。

僕は、何かを残せたのだろう、か。

残したからこそ面倒な事になったんだろ。暇潰しで傍迷惑な。

ふふ。それじゃぁ、良かっ。

ふむ。何か助けられなかったのか。

手だてを言ってるならあるけど義理がない。巻き込まれた本人を前にそれは酷いことだと宣うよ。

すまぬ。

そんじゃあ解放と行こうか。

まて

ほい解放。


静止も待たず空間を解いた。

「もうちょい速くても解放してたから止めても無駄だぞ。」

「ぐぬぬ。」

「急すぎますよ。」

「はは、もうどうにでもなれだ。」

「くぬぬぬぬぬ。解せない。」

「そうです。不服です。が此を渡して起きましょう。宜しいですね翁。」

「かまわん。」

「なんだ、これ。」

「戻ったら説明しますよ。」

「お、そうだ獸。お前は黙っていたけど何か話さないのか。もう遅いけど。」

口を開き掛けて全員の視界は一色に染まって世界へと同期していく。

世界への帰還へと。

だが一人は気づいていた。とあることに。


放置は不味いよなぁ流石に。はぁ全く面白くもない。また面倒を生やして増やして誰の策略的かな。

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