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Heart of 6 〜赤と譲渡〜  作者: 十ノ口八幸
序章~戦地にて回想。後に夢での回想~
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序章〜世界情勢2〜

轟音悲鳴怒号。止むことは無く。有力者の放つ力に地表は人諸共に抉て吹き飛び。配下を従え対抗する獣人は自身を含め、その牙や爪をもって蹂躙し。無力者の放つ武器掃射は幾人かの有力者や獣人の命を奪う。

三者三様の光景が戦場を駆ける。

その中で塹壕の陰に隠れて動かずにいる人影が一つ。耳を突くような轟音等に辟易しながら無気力に、塹壕の壁に背を預けて座っていた。

しかし、その手中には抵抗するための武器の類いはなく。だからといって有力者のような力を内包している事もなく。しかして、獣人のように従属させている者もおらず、時間が過ぎるのを只々待ち続けているだけだった。何の役にも立ちそうにない、それでも幾らかマシなヘルメットを目深に被りながら瞳を閉じ、思考を停止させる。


それ程時間は経過していないだろう。肩を揺すられ、起きながらヘルメットを軽く上げると、目の前には中腰の兵士が声を張り上げながら伝令を言っている。

『伝令。第三防衛線まで撤退。現戦線を放棄。繰り返す。第三防衛線まで撤退。現戦線を放棄。』

そう言って次へ急ぎ早に走り声を張り上げながら塹壕の奥へと消えていく。

何処からか相手側の攻撃の砲撃を知らせると直後に、遠くの方から爆音と悲鳴が耳に届く。

呟くように恐怖を口にする。感情は込められていないが。

又ヘルメットを目深に被ろうとすると今度は強く肩を揺さぶられ見ると中年の兵がいる。

笑いながら連れていこうと腕を掴むが、上からの力に貫かれ脳漿を打ち撒け、肩の筋肉は断ち切られ骨は砕け臓物を地面に撒き散らす。

最後には血濡れの武器を付けた肉塊が横たわるだけだ。

残るのは、無情にも尚続く戦場の音。

声には出していなかったが、心では、あらら。と思っている。

その言葉は憐れみか嘲笑か。

血に汚れた武器を肉塊から取り、軽く服で吹いてから肩に掛けて左右を確認して再度ヘルメットを目深に被り、手を握りズボンのポケットに入れると。表情を造って塹壕から一直線に次の戦線に移動する。

全方位からの際限のない殺意が周囲を飛び交う。


走ってちょうど中間付近で進行方向に大きな穴が穿たれた。

土煙に()せていると頭上から嫌らしい声が耳に纏わりつく。

見上げると一つの痩せた影がいた。

質問をすると何が面白いのか笑いながら力を溜め、笑いながら放つ。

迫る空の力を前に体を揺らしながら瞼を閉じる。

思う。何でこうなるかな。と何でこうなのかな。と。そして、受けるんじゃ無かったと後悔していた。

で、どうしてこう成ったのかを思い出してみる。

同時に背後で放たれた力が地面を抉る音が聞こえる。

自分の姿が砂煙に紛れ、そして近くの窪地に身を隠すと息を吐いて、呼吸を整えると三度、思考する。その後に別の窪地に移動して、血が僅かに媚り付いた武器を置いてまた、別の窪地に移動する。

で、どうしてこうなったのかな。と思い出す。



さて、今回の始まりはこんな感じかな。去年の世界情勢で語ったと思うけど。

今回は少し掘り下げて話そうかな。

そうだね。

先ずは世界に点在する島々について話そうか。


んん。各国には桜鈴島(おうりんとう)と同じような目的のために建造された島が存在する。

その目的は色々とあるけど本来の目的は世界に開いた穴を塞ぐ事にある。

人口密度の増加は言ってしまえば言い訳に過ぎない。

最もらしい事を言えば承認せざるおえないからね。

普通の穴なら現在の技術では簡単に塞げるだろうけど、でもその穴を塞ぐのは簡単じゃない。術が必要なんだ、それは現在でも確立されてない。今は定期的に送らせる事でしか押さえられないでいる。

それでもその研究は続いているけどさ。島一つで足りるものではないんだ。だから規模を縮小した島。通称、属島と呼ばれる小さな島を周囲に建造している。それは塞ぐ技術の早期確立。これは(こぞ)って争うように技術開発は続けられている。

でもね、前の時に述べたと思うけど、この世界にも大戦級は無くても小さな戦は至るところに点在している。

それは過去にも今でも現存する黒い商人と呼ばれる人達の利益になっている。

私服を肥やして更なる兵器や武器を開発。それを世界の戦場にばら蒔く。それで得られた情報を元に発展型を造り上げる。

そんな事を今だにしている。

それは別としてもこの研究結果には誰かに取っては必要のない存在なんだろうね。妨害工作や直接な破壊工作を強いる組織も存在する。

そのせいもあって遅れていると聴いたことがある。

中でも崇拝を主眼に置いた組織は厄介で、太い伝を持っている場合が多く、下手に手を出すと自らが滅ぶこともある。

しかし、年度末近くに数ある一つが全滅壊滅に至る事件はあまりにも世界に激震が走り、それに呼応した人達が襲撃したけど全てが返り討ちに合って、最終的には全員が死刑となったと何かの情報で知りました。

知る人達はそれが見せしめだと理解して、簡単には潰すことは出来ないのだと考えたんだって。

あれは偶然が重なって成功しただけなのだと。そう理解したと聞きます。

それでもそれ以外の組織とかは潰されているらしく。ある意味で呼び水的な役割を果たしたのかなと思う。

それと塞ぐ研究の他に副産物としてという言い方は嫌いだけどあえて言うならこの方がいいのかも知れない。

それはこれも去年に話したけれど、現代の人の中には自然の力を自在に操れる人。今では力有る者という意味の有力者と呼ばれている存在の研究にも力を入れている。

この存在は各方面に多大な影響を及ぼして昔の最高機関の意向で抑えつけるのではなく逆に特別な区域を設けて権利を認める。代わりに有事の際の駆けつけには絶対という契約が成された。

それはある事件のために破棄されたけどそれでも頭の固い人はそれを押し付ける事を厭わず無理矢理に参加させる事を是とする人も今だにいるとききます。

そして獣人も同様な理由で参加する人もいます。

これは軍事面での話ですが、それ以外の救命の面ではその研究のお陰もあって随分と発達したようです。

では、ここで、属島に関しての意味と理由を。

前述の通りに狭くなる研究敷地の代わりという面もあります。

人工島はそもそも、世界に人が溢れ土地問題を回避するために始められた計画で始めは小さな範囲の小さな島を造る事から始まりました。

これは先にも言いましたけど後に言い訳として発言しただけだと当時の幹部の誰かが言ってたらしい。

で、それは後に試しの島と言われ、それで確立された技術を使い建造されたのが本格的な大勢の人が住める最初の人工島です。

でも、その造った場所なのか時を重ねる毎に先に話した特異な人達が現れ始め、その研究の一環として当時は島の一部を研究用に改造していきました。

これは後に入植者と政府との間の抗争まで発展、長い時間をもって最終的には研究を拡大させるのは許可するが、元ある場所を潰すことは禁止という条約が結ばれました。

これに伴い、急遽技術者達が集められ、ある計画を打ち立てました。

それが属島建造計画です。

正式には、研究島建造計画。というのが本来の名称でしたけど今では前者の方が一般的に広がっています。

そのせいかその属島に行く者は権利を剥奪された劣る存在が行く侮辱の場所になっています。

これを訂正してもどうしてか浸透せず、今日に至ります。

さて、この属島の建造には長くても五年という期間で完了されます。

で、この先はその内部で行われる研究内容によって分かれることになるのです。

そうですね、一つの例を上げると。

特異な者の一つ。有力者に対する専用研究の島では島内の自治は彼らに護られ研究は続けられている。

が、数年に一度は暴動に乗じた転覆もあり、幾つかは破棄された島も点在し危険区域として現在は、海域を含めた数キロ圏内への侵入を禁止しています。

さて、これが理由。

そして、意味は。

この暴動には、溜まりに溜まった日頃の鬱憤を晴らすための場としても機能しています。

これが意味。

今でも属島の建造は続けられてるのです。

土地が足りないと最もらしいことを述べてますけど。本当なんでしょうかね。まあ破棄された代わりもあるけどそれは研究を多角的に進める目的もあるとか。

そうやって増える属島は本島を超える数になっています。

全てとは言えないけれど関係者以外は入島出来ない。特殊な許可でもない限りは。


とか言ってみて、今回はその属島が殆ど舞台になるのだけれど。

さて始めようか、大変で面倒は憎悪を伴わないけど。

最後は呆れて何もする気は失せているかも知れないし、関係者を全て駆逐しているかも知れないし。

それは最後の時にでも判断できるかな。


その始まりは、翌日に控えた始業式前日まで遡る。

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