1.
はじめて文章を書くもので、若輩者でありますゆえ未熟な点があるだろうとおもわれます。よろしくお願いいたします。
いつものように、わたしは授業が終わったあと帰り支度をして図書室へ向かった。
図書室は教室がある校舎とは別の棟にあって、行くためには二階から屋外の渡り廊下を通る必要がある。
もうすぐ春だというのに風が冷たい。
風にあおられる髪を抑えながら肌寒い渡り廊下を通り抜けてすぐの扉を開けると、そこには自分の世界が広がっている。
たくさんの本たちと、独特の匂いが出迎えてくれた。
ここにくると、教室で詰まっていた気分が開放されてほっと一息つくことができるような気がする。
この学校の図書室は他校よりも圧倒的に貯蔵数が多いのと、いかにも「古い図書室」の空気が味わえるのがわたしは好きだ。
しかし、ここの生徒は校舎の改装をきっかけに入学した者ばかり。黴臭くて薄暗い別棟の図書室は不人気、つまり図書当番もあってないようなもので常にひと気がない。
それが自分にとっては好都合で、ここで落ち着いて読書や勉強をすることが日課となっていた。
今日は何の本を選ぼうかな。
日本文学の分類の本棚の前でうろうろしていると、ふと隣に気配を感じた。
自分以外に誰もいないと当たり前に思っていたことが間違いだと気が付いた。
目の前に彼がいた。