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告白

軽い同性同士の性描写あり。R15です。

そうした描写を不快に思う方は、読まれないようにお願いします。



「君にこんな事を言ってもしょうがないのに……。すいません、私はどうかしてました。武藤君、もう今日は帰ってもいいですよ」


彼が抱えていた頭を上げた時には、俺はもうすでに目の前に立っていた。


自分が恐ろしい程の顔をして、彼を見下ろしているのが解る。


「先生……」


「どうしました? 武藤く……」


名前を言い終わる前に、俺は彼の華奢な身体をソファに押し倒していた。


「な、何を!」


男にしては細い彼の腕を、ギリッと力を込めて捩じり上げる。


自分の足を彼の足とがっちりと絡ませて、身動きを取れないようにするのは容易い事だった。


俺は彼よりも、ずっと体格がいいのだから。


体力的にも、負けるわけがない。


「……奥さんが死んで淋しいでしょう? 俺が、慰めてあげますよ」


「む、武藤君……?」


彼の眼は驚愕に見開かれ、声はすでに掠れている。


何が起きているのか、この状況が信じられないという顔をして、彼は俺を見上げていた。


「先生、俺はね、男でも女でも大丈夫なんです。奥さんが死んで、先生も欲求不満なんじゃないですか? 男同士でも、気持ちがいいんですよ。……俺が、教えてあげます」


「や、やめないか! うっ!」


ここまで来たら、もう後には引けない。


俺は彼の唇に、自分の唇をきつく重ねた。


そして、息もつかせない程の、激しいキスを繰り返す。


「……う……ぁ……」


時折、唇の端から漏れる、彼の苦しげな吐息。


彼はこんな声で啼くのか……


彼の苦しげな声を聞いて、興奮が高まって身体が熱くなってくる。


キスを繰り返しながら、俺は彼の唇をこじ開けて、口内に舌を侵入させた。


彼が身体中に力を入れて抵抗してくるのが、俺の身体に直接伝わってくる。


しかし、それ以上の力で、俺は彼の身体を抑えつけた。


そして、彼の口内を深く深く、犯してゆく。


俺は彼の舌を絡め取ると、静かな研究室に激しい水音が響く程に、キスを繰り返した。


……ああ、好きな人に、愛している人に触れるのは、こんなにも嬉しいものなのか。


抵抗されているけれど、嫌がられているのは解っているけれど、それでももう俺は止まらない。


いや、もうどちらにせよ会う事も出来なくなるのだ。


止める必要など、もうないのだ。


激しいキスを繰り返すうち、彼の身体から徐々に力が抜けていくのが解った。


キスによる酸欠で、頭がボウッとしてきたのだろうか?


俺はその隙に、彼の上質なスーツのボタンを片手で外してゆく。


そして、シャツの隙間から、自分の手を滑り込ませた。


「うあっ」


彼の平らな胸に手を滑らせながら首筋へと舌を這わせると、彼はどう聞いても感じているような可愛い声を上げた。


そんな彼の顔を、俺はニヤリと笑いながら覗きこんだ。


彼は頬を上気させて、明らかにうっとりとした表情をしている。


そっと、下半身に手を伸ばすと、彼の一部は俺の思った通りの反応を示している。


「先生……いや……貴文と呼ばせて貰います。……ずっと、あなたが好きでした。初めて見た時から、あなただけを愛している。貴文……」


「ま、待て……武藤く……うぁっ!」


「雅也、と呼んで下さい……」


俺は彼の一番敏感な部分に手を伸ばした。


この手で、彼を喜ばせている。


もう、俺は何も目に入らないくらい、夢中になった。


「貴文……」


再び彼に、激しいキスを落とす。


そして、夢中になって彼の身体をまさぐっていた俺は、いつの間にか自由にしていた彼の手が何かを掴んだ事にまったく気が付かなかった。


「ぐっ!」


それに気が付いたのは、俺の後頭部に鈍い痛みが走った時だ。


一瞬、何が起こったのか解らなかった。


しかし、その後頭部の激しい痛みで、俺の身体から徐々に力が抜けていくのが解る。


俺は、何かで頭を強く殴られたのだ。



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