2回目の召喚ですが・・・
「さて今回は込める魔力をより多めにしてみましょう」
魔法陣の召喚には込める魔力によって召喚者の技量や召喚時に付与される能力などが変化する
より魔力を込めると強力な召喚者が現れる。
「よし!これくらいで・・・」
クロエは平然としているが今回込めた魔力だけで、一般の魔法使いの十数人は魔力が枯渇する量である。
魔法陣が眩い光を放つ
すると頭に角の生えた女が立っていた
「ここは?」
「ここは、召喚の間ですが、あなたは魔族ですか?」
クロエは少し警戒をしながらも冷静に対応した
「悪魔よ。魔族は身体が肉体で、悪魔は魔力で身体が出来ているわ・・・読んだ理由を聞いても?」
「失礼いたしました!理由としましては、この世界に魔王が現れました。世界の征服宣言を下した後、その対応策として勇者召喚の任を任されました。」
と勇者召喚の経緯を説明する。
「・・・何故に勇者を呼ぶ魔法陣で悪魔が召喚されるの?」
一般的な召喚魔法陣は何を召喚するかをイメージして魔力を送り召喚する。
だが勇者召喚は、召喚する対象の条件を魔法陣に記載して、魔力を送り召喚する。条件としては、種族や性別などが必要だが条件情報が少なくても魔力で補ったりすれば召喚される。
ふとクロエは足元の魔法陣を見る。
すると魔法陣の種族の条件が記載されていなかった。
「あぁ、魔法陣の情報に種族が記載されていなかったのでランダムで召喚されたみたいです。名前を聞いても?」
「適当ねぇ、まぁいいわ。
私の名前はリリス、伯爵級魔族よ。」
悪魔は眠気を含ませながら言った
「伯爵級ですか。」
悪魔族・・・爵位を持たない悪魔が数人いれば都市を滅ぼせる程度と言われている。
爵位級・・・それも伯爵位となれば一人で国を消せる程と言われている。
「わかりました。それではあなた様には選択肢が御座います。まず一つ目に勇者として魔王を倒していただく事、二つ目には元の世界に戻ること、その場合は召喚された時に付与されたスキルは無くなります。」
「私悪魔よ。勇者になれるの?」
まあ真っ先に考えられる疑問である
「やる気があればなんでも大丈夫です
文句は気にしなければ問題無しです」
「問題有りでは?それと私達悪魔のルールでは呼ばれたらその相手に願いを叶える迄付き従うというのがあるのだけど」
(まあ付かなくても良いし抵抗も出来るけど)
「困りましたねぇ。私の任は勇者召喚しか任されていないのですが・・・私の下で働くのはどうですか?
対応は部下か使い魔辺りで、」
クロエは実力はあるが部下はいない他の宮廷魔導士は他の地域の警護にあたっている
「部下でお願いするわ。ただしこの国の兵の実力と貴方の実力を確認したいのだけど?」
「私の?」
クロエは少しワクワクした。
不定期更新です。