世の中には兄弟喧嘩をして数十年口を聞かないなんて方もいるそうですね。
迷宮内−クロエside
迷宮内にてミツキと再会出来たクロエは、その後屋敷前でリリスとサキと合流した。
「やっと追いついた。結構な距離ね・・・ミツキさん怪我はない?」
「うんー。スーちゃんと模擬戦が楽しかったー」
「スーちゃん?」
リリスがミツキの後ろにいた人物を見るとスズリが嬉しそうにしていた。
「いつの間にそんなに仲良くなったにゃ?」
「ほら、拳を交えれば皆友達・・・みたいな物かと」
「何処の不良にゃぁ・・・」
ミーアとクロエの背後で行われていた光景を見て二人は苦笑いを浮かべた。
「まぁ、それはいいとして・・・」
「ん?俺か?」
クロエは迷宮主の男に近く
「貴方様は、勇者様ですね・・・正確の代は分かりませんが」
クロエの発言に目を見開く。
「どうしてそう思った?」
「最初ははその実力を見てです。私の身体強化の一撃を受けて無傷でしたよね。気絶したように見えたのは、多分酔が回ったのかなと。それに・・・この結界にも気づいてますね。」
クロエは周囲に声が聞こえないように結界を張っていた。
「正解だ。俺は昔帝国で召喚された。名前は轟と言う。」
迷宮主・・・轟は少し警戒しながらクロエを見た。
「魔王の討伐お疲れ様でした。貴方様のおかげで、世界に平和が訪れました。」
クロエが礼を言い頭を下げる。轟は複雑な表情で顔を背けた。
「・・・もっと早くその言葉が聞きたかった。」
過去の魔王討伐を果たした元勇者は帝国に戻った時に見た光景は何処が勇者を所有するかで揉めた国々。何処の国も元の世界に帰すとは提案しなかった。嫌気が差したので帝国を出て行き迷宮を作った。世界を滅ぼす気は、無いため不殺の迷宮を経営した。
最近になって今代の魔王が復活したから討伐してくれと連絡が来たが返答はしていない。
「恐らくまた、魔王が出たから討伐をしてくれと連絡があったのでは?」
クロエの言葉に轟は驚いて振り返る。
「今の魔王に関しては問題ありません。というか知り合いです。可愛らしい親子ですよ。身内に手を出さない限り世界は滅びませんし、万が一手を出されたら私が先に国を潰します。」
「その雰囲気・・・まさかあの運動会の映像の鈴ちゃんか?」
「!!!!」
斜めの方向からの不意打ちにクロエが戸惑い結界を解いてしまう。
「やっぱりそうか。いやー何処かであったかと思ったが、まさかあの映像の子だとは思わなかった。」
「どうしたにゃ?」
後ろで話していたミーア達が近づく。
「ど、どどど何処でそんな物を見たのですか?」
「おー!こんなに動揺しているおねーちゃん初めて見たー」
「そうね。最初に出会った頃のクロエにはもう戻れないわね。」
ミツキとリリスが慌てているクロエを見て茶化す。
「ちょっと外野は静かにお願いします。それで、何処でそんな物を?」
「いや、幾ら討伐はしないと言っても警戒しない訳には行かないからちょっと魔王城に潜入をしたのよ。」
「は?なんで主がそんな事をするのにゃ?」
「ん?あー俺元勇者」
「ん?誰がなんにゃ?」
「いや勇者、俺が。」
「似合わねぇにゃ・・・というか世界を平和にする。勇者がなんで、世界に楯突いてんのにゃ?」
「いや此処アトラクション・・娯楽施設として作ったしマイホームが欲しかった。」
「マイホームデカ過ぎんにゃぁ・・・」
ミーアは少し呆れて言った。
「で、えっとあぁ潜入した時に見つかる訳に行かないから隠蔽魔法使ったのね。でコソコソと部屋を探し回っていると大広間らしき所でこの世界には無かった。体操服で運動会をしている映像が流れていたんよ。」
魔王城-轟side
(一応帯剣をして此処まで来たがこの状況はいったいどういう事だ?)
目の前に映る光景は魔族等が一つの映像に向かって鑑賞会をしている。
映像に映るのは体操服でパン食い競争をしている写真
1番の旗を持って笑顔の写真・・・運動会か?でもなんで元の世界の記録が此処に?
「さて写真の記録を見てもらった後で次はその時の映像があると言うので見てみましょう。後ろの彼と一緒に」
(っ!まずいバレた。)
轟はゆっくりと隠蔽魔法を解除した。
「警戒しない訳にはいかないだろうけれど、この映像の説明と言うか解説を願いたいのよ。」
「何をするつもりで?」
「今度この国で運動会をしようかと思って。」
「んー?」
轟は困惑した。
「いや国で何か催し物がないか案を出し合った時にクラウン・・・あぁそっちにいる部下ね」
俺の近くにいた男が軽く会釈をした。
「そのクラウンが運動会はどうだと提案したは良いのだけれどどんなのかは殆どの人が知らなかったのよ。だから何か分かりやすいものがないかを聞いたら、身内に内容が分かるものを持っていると言って持って来た物がこれよ。」
「それ、所有者絶対に激おこだと思う。」
「安心しろ実姉だ。」
「それは安心材料にはならないと思う。・・・お姉さん召喚勇者?」
轟は小声で聞いた。
「いや、転生者と言っていた。あの映像に関しては。創造魔法を使った時に自分の部屋にあった物を召喚してしまって、でも思い出だから捨てるに捨てられなかったって所だろう」
「それはなんか厳重に封印されていたのでは?」
「あぁ、物理的な鍵20種と魔法的な鍵30種類でなんか封印されていたけれど頑張った。」
クラウンは笑顔で言った。
「うん、バレた時ブチギレだと思います。」
「いやな、この間その本人と喧嘩して負けたんよ、物理的には追い込めなかったからせめて精神的に追い込もうかと思い、この様な事を考えました。」
確信犯だった。
「そろそろ良いかしら?流す映像の解説をお願いするわ・・・因みに、私等とそのクラウンの姉は友好的な関係よ。」
「その友好にヒビが入りそうですが?」
「大丈夫!責任は持ってきたクラウン本人にある。私は運動会の内容が確認できる物があるとしか聞いていないものそれが誰ので、どんな状態だったのかまでは聞いていないわ。」
「うーん、グレーゾーン!」
そして、そのまま鑑賞会開かれた。
魔王城-大広間
そこでは魔族等と一緒に人族の轟が映像を眺めていた。
『『宣誓、僕達、私達は練習の成果を発揮し、スポーツマンシップ″を″乗っ取り〘〘ん?〙〙日頃のストレスを相手にぶつけ正々堂々相手を叩きのめす事を誓います。』』
〜ちょっとまって練習と違うじゃない。〜
先生が叫ぶが無視して二人は続ける。
『『20XX年◯月△日生徒代表『加藤正義』『進藤鈴』』
〜ちょっと待て、とめろ〜
二人は一礼して集団に戻った。
『・・・はい、競技に入ります。』
校長は苦笑いしながら続行をした。
暫くして競技の映像が流れた。
「これは、パン食い競争ですね。パンを吊るして手を使わずに口で取り一番を競う競技ですね。」
「なんでパン?それになんで手を使わないの?」
近くにいた子供が聞いてくる。どうやら魔王の娘らしい。
「なんでかは、分かりませんがパンを取ることによる障害で足早さに自信がない子でも上位狙える為に、手を使わないのは・・・衛生面かな?」
「へー、あクロエおねーちゃん頑張れー」
映像を見ると体操服に[5-2 鈴]と書かれた女の子が走っていた。
「もしかしてさっきの話のお姉さんは、あの服に鈴って書かれた女の子ですか?」
「あぁ、俺とお嬢と魔王様が前の私って言ってあいつに写真を見せてもらったことがある。あれは大分成長した姿だったが、ほぼあんな感じだった。」
「そのお姉さんも大変だなぁ」
それから鑑賞会は続き俺は色々解説をした。




