第2話 魔物研究家さん、転生先が微妙......
「それでは、異世界転生先の一つめの候補ですが......『男性の大半が死亡したため、世界中の女性が男性を取り合っている世界』です」
......ん? なんか聞いたことあるような......?
気のせいかな?
「次に、二つ目の候補ですが......『純潔を失った男性が死亡する異世界』です」
知ってる! 俺その異世界知ってる!
「最後、三つ目の異世界は......『魔法という概念が存在するゲームのような異世界』です」
「三つ目で!」
「早いですね。もっと悩まなくていいんですか?」
いやこの中だと三つ目の異世界以外有り得ないだろ......!
「大丈夫です。三つ目でお願いします」
「そうですか。では貴方を『魔法という概念が存在するゲームのような異世界』に転生させます。......その前に」
「???」
エマは俺の顔をジッと見つめる。
......めっちゃ美人だから恥ずかしいぞ、なんだなんだ。
「私としても貴方には是非Tポイントを貯めてもらって、私の下僕――じゃなくて天界の住人として、こき使う――じゃなくて一緒に働ければなと思っているわけです」
「いやめっちゃ本音出てますよ」
「というわけで、すぐに死んじゃわないように貴方には特別な能力を一つだけ授けようと思います」
......それはつまり。
よくある異世界転生者のチート系能力を頂けるわけか......?
「ただし、私は天界の中でもそこそこの位なので、突飛な能力を授けることはできません」
「とっぴ?」
「『ステータスALLマックス』とか、そういうのです」
うおう、なるほど?
つまり、安直な「俺つえぇ!」な能力はダメ、というわけですね。
「......ちなみに、どのラインまでならオッケーなんですか?」
「それは言ってみてください。聞いて判断します」
......うーむ、これは悩むぞ。
”不老不死にしてください”......いやダメだ、そもそも死にたくても死ねないのはもはや罰だ。
”世界で一番の大金持ちにしてください”......うーん、これだと暗殺とかされそうだしなぁ。
――悩むこと数分。心は決まった。
エマはジッとこちらを見たまま待ってくれている。
なんだかんだノリいいしいい人だよねこの人。
「決めました!!」
「どうぞ」
「『どんな魔物とでも仲良くなれる能力』にしてください!」
この能力にした理由。
俺が魔物が好きだから。
以上。
「............」
「............」
「............」
「............」
「ファイナルアンサー?」
「......ファイナルアンサー」
......ミリ〇ネア??
「............」
「............」
「おめでとうございます。『どんな魔物とでも仲良くなれる能力』獲得です」
「よっしゃあ!!」
でもなんでこんなに焦らされたんだ......
「と、冗談はこのくらいにして」
「ふざけてる自覚はあるんですね......」
「本当にそれだけでいいんですか?」
「えっ、でも1つだけって......」
「それは能力が強すぎる場合です。この程度であれば......いくつかおまけの能力もつけておきましょう」
「それはどういう......」
「転生してからのお楽しみです。では」
「えっいきなり!? お゛お゛っ!?」
こうして、
『どこにでもいる平凡な男』は、
『どんな魔物とでも仲良くなれる能力を持った男』として
『魔法という概念が存在するゲームのような異世界』に転生することになった。
......ところでTポイントってどうやったら貯まるの?




