第一章 ユルい計画1
第二部ということで、ここからまた第一章とさせていただきます。
≪今までの登場人物≫
【学園の生徒】
敷島健人……主人公
出雲元気……健人の親友
星七美………眼鏡のポニーテール娘
朝比奈凛……美少女
【RAINBOW(第三機関のエージェント)】
RIN[朝比奈凛]…………オールマイティー
A[????]……………???
I[????]……………???
NIL[ニル]………………頭脳明晰
B.B[ビービー]…………馬鹿力
O[????]……………???
WAKABA[若葉]…………戦闘少女
【その他】
怪盗ロキ……正体不明の大盗賊
大和一成……無精髭の大柄な刑事
首都東京を震撼させた、あの連続少年殺傷事件の解決からすでに一ヶ月が経とうとしていた。
元気少年は刺された怪我から見事に復活を遂げ、相変わらずの――いや、前以上のハイテンションぶりを発揮していた。
それにはいくつかの理由があるのだが、一番の理由はただ刺されただけなのに、ちゃっかり自分の武勇伝として語り、すっかり英雄気取りなのだ。
まぁ、それはそれで元気らしいかなと俺は納得する。
星七美は根っからのイベント好きらしく、元気が復学した際も『元気くんお帰りなさい会』と称した会を開いて、それを仕切っていた。
そして、何かと俺に絡んでくる星。デパートの件のように一旦自分の世界に入ると収集がつかないので、相手にすると色々と面倒だ。まぁ、星に悪気はないのだろうけど。
朝比奈凛は相変わらず『学園モード』と『エージェントモード』を使い分けていた。エージェントモードの朝比奈を知っているのはクラスでも俺だけなのだが、その本当の姿である朝比奈も徐々にではあるが、俺に笑顔を見せるようになっていた。朝比奈の中で、何か変化が生じているのかもしれない。どちらかというと個人的には、笑顔をしているほうが良いと思う。
そしてこの俺、敷島健人はというと――。
「おい、健人!」
俺は至近距離で名前を呼ばれて驚く。
「健人どうしたの? ぼーっとしちゃって!」元気が目の前にいた。
「ああ。ちょっと考え事してた」俺は答える。
俺は放課後の教室内を見渡すが、周りにクラスメイトは誰もいなかった。
「あ、それより健人! 早く部活に行かなきゃ!」
「え、今日部活がある日だった?」
「そうだよ! うちの部活は月に一回しか活動しないんだから、今日はいかなきゃ!」
「ああ、そうだな。行こうか元気」
俺は荷物をまとめて、元気と共に教室を出た。
各部の部室がズラリと並んだ部室棟。この部室棟の一番端の部屋が俺たちの部室だった。
一ヶ月にたった一回しか活動しないという、このユルさ。
このユルさが好きで、俺は元気と共にこの部に入ったのだ。
しかし、大半の生徒達は華のある運動部に入るのが多く、俺たちの部はあまりにもユルいため、入る者は少なかった。何せ、部員は部長と俺と元気の三人だけだ。
俺と元気は部室の前に到着した。
ドアに張り付けてあるプレートには『評論部』と、しっかり書いてある。
評論部――。うちの学校にはこのへんてこな部がある。部の活動はといえば、文芸や絵画などの芸術に関するものを鑑賞し、それを批評し論じるワケだ。
一応、部の名目上はそういうことになっているが、実際のところ大した事はやっていない。
俺は部室のドアを開けた。
「おせーじゃねぇかよぉ健人、元気」
入室と同時に部長に怒られる。
ロングの金髪に長いスカートをはいている、この乱暴な言葉遣いの女の人が――、片桐渚部長である。