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零の夢

まだまだはじめたばかりですか

楽しんで見れたらいいな

ここは夢と現実の狭間に存在する世界、名を夢限回廊。


そこには一軒の宿がある。


この世界には稀に現実から人が迷い込む。


この宿は迷い人を夢へと送る役割を持つ。


今日もまたこの宿に迷い人が来た。



「あら?いらっしゃいませお客様」


声がかけられる。


目を開けると石畳の道があった道の続く先に

旅館らしき物がある。


旅館へと続く石畳の道。


そこには老若男女全員が

見惚れるような美女が立っていた。


長く真っ白な髪。透き通る様な青い目。


全てを魅了するような体。


彼女の魅力を引き立てる空色柄の着物。


彼女がそこにいるだけで一枚の絵画のようだ。


「えっ…ぁ…はい……?」


つい顔が赤くなる。


「わたくし、あそこにある宿の女将をしております、

白子と申します」


(白子さん…か…)


「あ、俺…いや僕は…僕は……誰だっけ?」


思い…出せない……自分が…どこの誰だったのかも……。


「お客様?」


俺が混乱していると白子さんが声をかけてきた。


「お客様いかがいたしましたか?」


白子さんが声を聞くと何故か心が落ち着いていく。


「いえ、何でもないです!」


「そうですか……ではお客様、宿へと参りましょう」


「はい……」


言われるがままに白子さんに付いていく。


俺たちは宿へと足を進めた。


「お客様、お客様はここへは初めてのようですね。」


彼女の問いかけに頷いた。


「ではご説明いたしましょう」


白子さんが歩きながら説明してくれる。


「ここは夢と現実の狭間にある場所夢限回廊この世界には稀にお客様のような

迷い人がいらっしゃいます」


「夢と現実の狭間…?夢限回廊…?」


「はいお客様、この夢限回廊に迷いこまれた方は

わたくしどもが宿へとご案内させていただきます」


「あの宿は一体何なんですか?」


「あの宿はお客様に一時の夢を与える場所、

お客様の望む夢を見せる夢見る宿でございます」


「の、望むゴクリ……」


望む夢が見られる、

そんな素晴らしい話があるなんて。


「お客様?」


「あっ、いえいえ何でも!」


少しやらしい考えてしまったことを、

必死に誤魔化した。


宿へと向かう途中。


「ぽにゃにゃ、ぽにゃにゃ」


変な鳴き声がした。


鳴き声のした方を見ると、いつの間にか

白子さんの隣に猫のような生き物がいた。


「お客様この子はうおネコ、当宿のマスコットで、

お客様が来たことをお知らせしてくれます」


黒い毛で全体的な見た目は猫だが、しっぽの部分を

魚の尾に付け変えたような姿をしている。


「ぽにゃ」


うおネコがじゃれついてきた。


「かわいいな…」


うおネコを抱きかかえる先へと進んでいく。


「ぽにゃ!ぽにゃ!」


頭を擦りつけてきた。


「ああ、可愛すぎる」


うおネコを愛でながら先へと進む。


「さあ、着きました」


うおネコを愛でている間に着いたようだ。


「ぽにゃ」


「あ…」


うおネコが腕の中から離れて行った。


「うおネコが…」


「仕方ありません、あの子の仕事はここまでですから」


俺は名残惜しいみながら、宿の中へと歩みを進める。


「……凄い」


宿の外観は昔ながらの味のある木造でありながら、何故か真新しく見える。


夕焼け色の灯りが周りを彩り。


庭は綺麗な池がありその周りに数本の木が生えている。


地面には砂利と砂綺麗な花たちが咲く花壇があり。


奥の方には幾つかの灯籠が立つ道も見える。


「綺麗……」


庭を見ていたその時遠くに不自然な灯りが見える。


「ん?あれは…」


よく見てみるとそこには人が立っていた。


あの人は一体。


「お客様あの子は当宿の庭師です」


「庭師?じゃあこの庭はあの人が!?」


「はいあの子はこの庭を全て管理しております」


「それは凄い!こんな綺麗な庭滅多にお目にかかれないですよ!?」


一人でこの庭を管理している何て。


「そうですかあの子も喜ぶと思います」


「そう言えばあの人は?」


「あの子は蛍と申します、蛍いらっしゃい」


「はぃ」


おどおどしている。


金髪で、金色の目をした少女。


着物は白銀色だ。


「あの…っーやっぱり無理です~」


そう言って蛍ちゃんが逃げた。


「えっ、ちょ」


何で逃げられたの。


「お客様、申し訳ございません、あの子他人と関わることが苦手で」


「あっいえ大丈夫です」


コミュ障と言うやつか。


「後でしかり付けておきますので」


「いえ別に気にしてませんから」


(てか、遠くの方で蛍ちゃんめっちゃ震えね?)


何か震えている蛍ちゃんがいたがあまり気にしない方がいいのかな。


「そう言っていただけると幸いです」


話を終え宿の方へと足を向ける。


「どうぞお入りください」


入口の扉を開け入っていく。


入ってすぐ目に入ったのは、

番台に座る少女。


「こちらが受付になります」


少女が口を開く。


「いらっしゃいお客様

私はここの受付嬢をしている

逃華だよろしくな!」


逃華と言うらしい。


銀色の髪に赤い目をした活発そうな少女だ。


ちなみに赤黒い着物を着ている。


「逃華いつも言っているでしょう、

お客様の前ではその言葉遣いを慎みなさい」


「えー、けどよー、あれ疲れるんだよ~」


「はあ、逃華あなた後でお説教ね」


逃華が突然真冬の海に入った時のように震えだす。


「ひっ!?、ごめんなさい、ごめんなさーい、

だからどうか説教だけはご勘弁を~」


「逃華ちゃんが滅茶苦茶怯えてる!?」


てか、逃華ちゃんが震えすぎて

床が壊れそうなんだけど。


「こっ…ここまで怯えるなんて、

その説教って一体?」


とゆうか、さっき似たようなことがあったな。


「逃華、説教が、怖いならやらなければいいのに……」


「うん?、あれ?君は…」


いつの間にか俺の横に知らない女性がいた。


紫色の髪に、同じく紫の目、

紅白柄の着物を着ている。


「はじめまして、私は警備担当の大亀だ」


「大亀さん、はじめまして、僕は……」


自己紹介しようと口を開き、名前を答えようとしたところで、言葉が詰まる。


そうだ、色々あって忘れていたが、

俺名前を思い出せないんだった。


「ああ、分かっている、名前はいい」


「大亀さん、ありがとうございます」


「礼儀正しいのだな、君は」


感心したように言う。


「いえいえ、当然ですから」


「そうか、それでは私はこれで」


「はい。じゃあまた」


「ああ、また」


大亀さんが去っていった。


「お願いします説教だけはー!」


そう言えばそんな状況だったなー。


「いいえ許しません、

うおネコ、彼女をあの部屋に」


「ぽにゃにゃ!」


あっ、逃華ちゃんがうおネコに連行されて行った。


「あれだけは嫌だー!」


「……一体どんな説教なんだ……」


「はあ、…お客様申し訳ございません、

あの者はしっかりと躾けておきますので…」


「いっ…いえいえ、気にしてませんから!」


まあ、接客業だから言葉遣いは大切だけどさ。


「…それでー、あのー……

あの子は一体どこに連れていかれたんですか?」


「それは…お客様でもお答えできません」


「そっ…そうですか、

あの…出来れば罰を軽くすることは?」


「なりません、あの子はお客様に対応するのが仕事、

そんなあの子がお客様に失礼な態度をとるなど、

あってはなりません」


「あ、あははは結構厳しいんですね…」


「いえ当然のことですので」


「あはは(大丈夫かな…あの子)」


「それでは先へ参りましょう」


中は普通の作りをしている。


漆を塗った木の床に、様々な柄の戸、しっかりとした柱。


廊下を歩く足音が響く。


彼女の案内の下しばらく廊下を歩いていると、

何かの部屋に着いたようだ。


「ここは?」


こちらの部屋はお客様のための寝室になります。


部屋の中に入ると布団と紙が置いてある六畳の和室。


畳の香りが素晴らしい。


「この紙にお客様の望む夢をここに書いていただくきます」


白子さんが黙々と説明してくれる。


「好きな夢をこの紙に書いた後、

あそこに置いてある布団でお休みになられると、お客様の望んだ夢へと参ります」


「夢の中で何をするもよし」


「お客様がご満足いただけるまで、

夢の中をご堪能していただけます」


「いかがですかお客様、一つ…夢を見てみますか?」


説明を終えた後、白子さんが聞いてきた。


「は…はい!」


「そうですか、ではご満足いただけるまでご堪能下さい…」


「それでは失礼いたします」


白子さんが去っていく。


「後はお客様の望む最高の夢へ…どうぞごゆるりと…」


_____________________________________________


白子さんとデートがしたい

_____________________________________________


紙に見たい夢書いた。


後は寝るだけ。


布団で横になる。


「横になっ…たら……急に…ねむ…け…が………」


_____________________________________________


「…お休みなさいませ…お客様……」





お客様に一時の夢を。


夢見る宿 夕焼け


もしかしたらつづくかも。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 出てくる女の子が可愛らしい子らでとっっても癒されます(◦ˉ ˘ ˉ◦*) うおネコ、欲しい\( 'ω'*)/ [気になる点] 誤字とかでは無いのですが、白子さんが宿を指すとき“家”と言っ…
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