花は逃げる。
どうやって祓ってるか?
鈴村はめんどくさそうにこちらを一瞥した。
「だって普通に聞くだけじゃ信じらんないし、なんかこう…超能力的ななんかないの?」
夏目は手をわちゃわちゃさせながら不可解なゼスチャーをしている。目はキラキラと楽しそうで、こう言う子は小さい頃プリキュアを見て、棒片手に走り出すタイプだなと思った。
「超能力って…アホなこと言わんとき…。そんなんやからいつまで経っても赤点なんやよ」
鈴村は相変わらず、パックのレモンティーを啜りながら窓の外を見ている。
日の入りが早くなってきた秋始めは、過ごしやすいけれど少し物悲しい風が吹く。
3階校舎の窓から見える裏山は、やけにざわざわと緑がなびいていて海面のように波打って見える。
そんなに風吹いてないけどな…
森はあんなに騒々しそうに見えるのに、教室はやけに静かで、眉を顰める。
そのことを口にしようとした時、鈴村が突然こちらを向いた。
「そうやねぇ…。じゃあ私の手の上にあんたの手を乗せてみて」
と、窓枠についていない方の手を夏目に差し出す。
夏目は、鈴村に構ってもらえるのが嬉しいのか、超能力的なにかに期待しているのかはわからないがひどく嬉しそうだ。犬がお手をする時のように勢いよくたしっと手をおく。耳と尻尾が見える気がするのは気のせいだろう。
「手を置いたらなにかあるの?なんか感じるとか?ねぇひなちゃ…ひぇっ!」
夏目は勢いよく手を引っ込めた。
なんだ?何がおきた。
鈴村は相変わらず目は森の方を見つめていたが、夏目の悲鳴を聞いてこちらに目を向ける。
「夏目ちゃんはどっちやった?」
はじめまして。
怠惰が服を着ている人間なので、更新が遅くなるかもしれません。
ただものすごく単純なので、
応援していただけるとすぐ書くかもしれません。
初投稿なので駄文ですが、
よければお付き合いください。