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赤ん坊の頃の記憶なんて無いのは当たり前、守られなければ生きることさえできない小さな生命。
(何か慌てふためいてるようではないし、産んでくれた方には感謝だ。一旦はかなりやばかったからよかったのだろう。あの効果が何なのかはわからんが)
母親に免疫と餌の為に母乳を与えられながら、様々な考えが過ぎっている。しかも赤ん坊の視力は3週間位はボヤけて安定しないはずだか。
母親は銀の髪の毛に藍色の瞳、多分死ぬ前に生きていた世界でも見たことも無い。慈愛に満ちたその瞳は潤んでおり、俺の誕生に感動してくれているに違いない。
その横にはこりゃまた美男子の男性が。
鮮やかな金髪に紫がかった薄い瞳、未だ20代だろか?顔面レベルは相当だ。
涙を溜めながら、母親に何かはなしている。恐らく俺を産む際に危機的な状況だったからではないだろうか?
一通り処置が一息ついただろうか?母親から引き離され、ぼっちゃりしたお姉さん?に連れられ他の部屋の赤ん坊用のベットに移動された。
(だよね?ちょっとは身なりの良かった両親や見える範囲、壁などを見たらこうだよね。ここが俺の部屋なんだね。
キョロキョロうかがっていたら、誰も居なかったはずなのに、ゆっくり不意に覗きこまれた。
(誰だ!!不審者かっ?)
威厳のあるオーラを纏い、金髪に金の瞳、身体は大きな筋肉に被われている。
(ラ、ラ○様じゃないかっ!…覇王の風格、憧れだったラ○様かっこいい~)
「童がっ!、我を奇妙な名で呼ぶなっ!」
怒気を放ちながらラ○様は産まれたばかりの赤子にピリピリする威嚇を放つ。雰囲気も服装も何もかも違うし、なんか後光もさしている。
「何故妾が…」
「この様な人族の娘に」
(ん?娘?気のせいか?)
頑張って、身をよじって、そこにあるはずのモノを確認する。
(ないっ!ないないっ!……ちん○んがぁなぁなぁなぁい)
とだぁたぁとしか音を発していない俺にラ○様は呆れたため息をついてくれました