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わんこのおやつ

おはようございます。

今日も更新します。



 コンビニで食べたいものをカゴに入れなさい、と言ったらドックフードを選びました――って、コレ大丈夫なの?


 勝ってげるのはいいとして、変な勘違いをされてしまいそうな。


 ひょっとして家庭内暴力ドメスティックバイオレンス


 あるいは児童虐待?


 そんな感じ。子供をペットのようにかわいがる親がいるみたいだけど、食事までペット扱いしたら犯罪だよな、やっぱり。


「ちょっと説明してもらいたいんだが、ミミィがドックフードというのかな、ペット用の食品を欲しがっているのだけど、そんなもの食べさせたらマズいよな?」


 慌ててルイに電話リダイヤルすると、すぐに出てくれた。


「……娘にドックフードとか他人に聞かれたら児童虐待で通報されるわよ」


「そうだよな。わざわざ電話して質問するまでもない――」




「だから、黙って買ったらいいじゃない。コンペに買えるのなら」


 ルイはあっさりそう言った。


 世界規模の大戦争から局地的なゲリラ戦まで、戦争用に特化した個体だから、どんな劣悪な環境でも生存し続け戦い続けられるようにできている。


 推奨はされないが人間が食べても問題ないように製造されているペット用どころか、なんならゴミ箱から拾ってきたものでも、ちゃんと消化吸収する能力がある。


 少々腐っていようが黴が生えていようが大丈夫だ、と。




 もろ戦争用にカスタムしました! という感じだな。




「コンペが買ってもいいと思うのなら、なにも知らない一般人が不審に感じないように、家でペット飼ってます、という顔をして堂々とレジに持っていきなさい。ただし注意が1つ」


「なに?」


「人間の食べるもの以外を口にしたら後はちゅー禁止ね」


「ちゅー? 誰と?」


「もちろんミミィとよ。べろちゅーは特に禁止」


「べろちゅー?」


「あの子は細菌やウイルスに耐性があっても、コンペにはないんだから、軽くすんだとしても下痢や嘔吐、下手したら入院よ。顔や手を舐められた場合も早めに洗ったほうがお勧め」


「………………ちょっとルイに質問があるんだが」


「いまの話に理解できないところがあった? コンペも昨夜ミミィが得体の知れない手を食べちゃったの見たじゃない。あれ、なにかで汚染されていた可能性あると思わない?」


「いや、僕が理解できないのは、そこじゃなくてね」


「どこが?」


「ちゅーというのは接吻とか、キスとか、そういう行為を指してるので間違いないよな?」


「そうよ。口移しにミミィは平気でもコンペは食中毒になるような細菌が体内に入るかもしれないの」


「口移しに細菌をもらってしまう可能性については理解できた」


「それなら?」


「婚姻関係にあるとか、恋人関係にある2人がちゅーするのは理解できる。しかし、父と娘がちゅーするのか? しかも、いまの口調だと母と娘のほうは大変に経験豊富みたいな印象なんだけど」


「………………いや…………だって……かわいいし………………ねだられて……」


「母親にしても、父親にしても赤ちゃんに軽くちゅっとする程度なら理解できる。しかし、母と娘がべろちゅーするのか?」


「………………いや…………だって……かわいいし………………ねだられて……」


「ねだられたらなんでもするのか?」


「コンペにねだられてもなにもしないけど、ミミィは……しょうがないじゃない」


 まあ、言いたいことはわからなくもない。


 ミミィはねだり上手だ。


 甘えながら近づいてきて、いきなり口を舐めてくることもあるだろう。


 昨夜の出来事からして、わけのわからないものをパクッと食べてしまうことだってあるだろうし、それがウイルスや細菌に汚染されていることもないとはいえない。




 しかし、それはそれとして。


 赤子や幼児ではないのだ。


 いや、年齢的にはまだ幼いと言えなくはないが、見た目は高校生レベルに成熟している。


 ルイのほうが年下に見えてしまうだろう。


 そんな2人がちゅーですか。


 べろちゅーですか。


 なんですか、その百合百合しい光景。


 しかも、それに僕が混ざってもいい? 人間の食べるもの以外を口にしたら後はちゅー禁止ということは、人間の食べるものを口にしている限りはちゅーOK?


 わんこのおやつを食べる以前ならちゅーしてもいい。


 なんなら、べろちゅーしちゃってもいいということか?


 わんこのおやつを食べた後でも歯磨きさせればミミィと唇でも舌でもべろべろ舐めっこしてもかまわないわけだ。




 なんか脳がいけない状態になりそうです!




 いや、いや、いや、いや、いや。


 変なことは絶対に考えない! 


 考えないといったら考えない。


 僕は上等な人間でないのかもしれないが、下種でもないはずだ。


「ねえ、コンペ。急に黙り込んでどうしちゃったの?」


「あっ、いや、なんでもない」


「変なことを考えてたんじゃないでしょうね?」


「わんこのおやつを買うかどうか迷っていただけ」


「そうねぇ。ジブン個人の意見では、そこまで甘やかして欲しいものを欲しいだけ買い与えるのはどうかと思うけど」


 でも、わんこのおやつ程度で甘やかしてるとは思わないというのが僕の意見なので、自分の分の海苔弁をカゴに入れて堂々とレジで会計を済ませる。


 八島高校の生徒手帳を端末に押しつけてピーと音がしたら電子マネーでの決済完了。レシートを受け取ると……なにげなく見たレシートにとんでもない金額が記載されていた。




 35800円。




 なんだ、この数字? 


 頭の中でネットの買い物履歴を参照すると、わんこのおやつが3万円!


 わんこのおやつが3万円?








お読みいただきありがとうございました

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