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僕らは痛みと共にある  作者: 藍ねず
第三章 盤上のしがらみ編
124/194

苦学

夜は異世界、昼は、学校へ。

――――――――――

2020/03/15 改稿

 


「氷雨……今日、学校行くの? 体調悪そうだよ? 日曜だし……勉強会なら休んでもいいと思うんだけど……」


 朝食のパンを一口齧っていれば、向かいの席のお母さんに心配された。


 私は顎を動かすのをやめて、まだ少し硬さの残っていたパンを飲み込んでおく。せそうになったが、我慢した。


「……大丈夫」


 笑ってまたパンを齧る。なぜ日曜なのに学校に行くかと言えば、朝メッセージが届いたからだ。


 差出人は小野宮さん。内容は〈テスト前勉強教えて下さいませ!!〉というもの。場所は、明日からテスト一週間前ということで十六時まで開放されている学校の図書室。


 私で教えられるかは分からないが、翠ちゃんと湯水さん、話を聞き付けて一緒にしたいと言われたらしい蔦岡君と舟見君、雲居君と言うメンバーなので、どうにかはなるだろうと思ってる次第だ。


 時計を見れば集合時間までは十分すぎる時間がある。


 でも、恐らく今日は立ち漕ぎ出来ないな。自転車のペダルを踏める気がしない。目の前に並べたご飯だって、完食出来る気がしないのだもの。


 考えていれば、自分の食器を洗い終わったお父さんが近づいてきた。額に手が当てられる。


 兄さんによく似た顔のお父さんは、お母さんと同じように眉を下げていた。


 そこまで体温が高くないお父さんさんの手が気持ちがいいと思う。私はその心地に目を伏せてしまい、努めて口角を上げ続けるのだ。


「大丈夫、熱なんてないよ。少し急で、やる気がまだ出ないだけだったり」


「……どうしても行く?」


 お母さんが聞いてくる。お父さんは額から手を離して、頭を優しく撫でてくれた。二人の目が言ってくれている。心配だと。


 それに縋ってしまいたくなる。


 でも駄目だ。こちらにアルフヘイムのことを持ち込んで、友人だと私は思っている人を疎かにするなんて。それは自分を許せない材料になる。


 テストも近いから、ね。お母さん、お父さん。


「行く、大丈夫だから」


「……大丈夫?」


 お母さんが私の言葉を繰り返す。私は首を縦に振り、母は「なら」と続けていた。


「学校近くまで送らせて?」


 珍しい。


 私はアイス珈琲が入ったマグを両手で触る。お母さんは真っ直ぐ私を見て、お父さんは頭を撫で続けてくれた。


「お願い、氷雨」


 お母さんのお願いを私が断れる筈もない。この状態で自転車を漕いでも学校まで辿り着ける自信もない。途中で何回も止まって、集合時間に遅れるんだ。


 私は考えて、判断して、首を縦に振っていた。


「ごめんなさい」


「謝らないで、氷雨」


 マグと食器を重ねたお母さんが笑ってくれる。私はその笑顔を見てから、いつもと変わらない白い手袋に視線を向けた。


「いつもありがとう、氷雨。貴方はいつも頑張ってくれて、自分のこととか後回しにしてるって思うの。だからこの休みに紫翠ちゃんを連れて来てくれて……本当に嬉しかったんだよ」


 お母さんが立ち上がる。私は「勉強、頑張り過ぎないで」と言う母の声を聞いて、無性に泣きたくなったんだ。


「……うん」


 頷いて下を向き、涙を堪えておく。鼻の奥が痛んで、結局朝食は残してしまったのだ。


 髪をといたり歯を磨いたり。いつもする動作が億劫で時間がかかる。そんな自分に鞭打って自室に荷物を取りに入れば、鞄の中にいたりず君が顔を覗かせてくれた。


「氷雨……アミー、やっぱり返事してくれねぇ」


「……そっか」


 苦く笑ってしまう。最近はそこまで努めて笑おうとしていなかった顔がまた前に戻ったようだ。それでいいのか、どうなのか。


 曖昧なまま携帯を出して検索画面を開いてみる。


 そこに〈海堂麟之介〉と入力してみるが、最後の検索ボタンは押せなかった。


 指が震えている。冷や汗がこめかみから流れていく。


 私は携帯の画面を閉じて、無力な自分をあざけるのだ。


「弱いなぁ……氷雨」


 いつも頭の中で吐く言葉を口に出す。


 そうすれば体に重さが増して、私は鞄を持ち上げるのに数秒を有してしまった。


 * * *


「いやーもう六月終わりだよー? 早くない!?」


「はいはい早いねー」


「七月は何しよっかな〜! 夏休みくるし〜、あ、海行きたい! みんなで海!」


「はいはい、海ねー」


「し〜お〜た〜い〜お〜」


「口動かすより電卓叩きな、何の為の会よ」


 意外と生徒がいる図書室。七人が一緒の席に座れなかった為、翠ちゃんと私は隣の長机に座って勉強している今現在。


 授業科目は簿記。課題で出されてる検定の過去問題を私は机に広げていた。日曜でも生徒を思って開放してくれる司書の先生と日直の先生に感謝です。


 翠ちゃんは今日会った時から口数が少なく、隣の席に座ってうつ伏せになっておられる状況だ。


「あり、紫翠ちゃんどうしたの?」


「あー……実は私たち夜に長電話してまして、少し寝不足で……すみません」


「日曜だから油断してたの。気にしないで、ごめんなさい」


 小野宮さんに聞かれ、顔を上げてくれた翠ちゃんが話を合わせてくれる。湯水さんは「いやいや、大丈夫だよ」と笑ってくれて、小野宮さんの頭を叩いていた。


「元はと言えばこの子が急過ぎるんだからさ」


「だって〜」


「はい口閉じる、やるよ赤点予備軍」


「まだ赤点取ったことないもん……」


 いつもの気の置けないやり取りを聞きながら笑う。それから自分のプリントに目を向けて、机に広がる茶髪が視界に入った。


 指は電卓をゆっくり叩いて仕分け表を埋める。これテスト出るって言ってたっけ。ノートを見返していれば、翠ちゃんが顔を上げて頬杖をつくのが見えた。


「……海堂の名前、調べたの?」


 騒がしくない程度の喧騒の中、お互いにしか聞こえない声量で確認される。私はシャーペンをプリントから離し、ノック部分を必要ないのに押してしまうんだ。


 口角が勝手に上がる。


 翠ちゃんを見るが、彼女は私を見ているわけではなかった。


「いいえ……その勇気はなかったです」


 ぎこちなく答える。検索画面に打ち込んだ名前は消してしまった。携帯を開く気も起こらないし、パソコンのキーボードで入力する気もない。


 私は電卓を叩き、表示された金額をプリントに書き込んだ。


「助けられる道なんて……なかったのかしら」


 翠ちゃんが机に顔を伏せる。彼女の毛先を持ち上げてみたが反応がない。だから指を離せば、茶髪は机に音を立てて落ちるのだ。やはり反応無し。


「今となってしまえば分かりません……と、言いたいですが……試していない可能性なら、沢山」


「言ってみて」


「……梵さんと一緒に私がメタトロンさんの首を狙っていたら。戦うのではなく逃げることに全てを賭けていたら。私がアミーさんを止めることに全力を注いでいれば……最初に、本当に最初、初めて海堂さん達と会った時、もっとちゃんとボイコットは危険だと伝えていれば」


 口から溢れ出る「出来ていたかもしれない行動」が肩に重くのしかかってくる。


 意味なく出した芯を机に押し付けることで縮め、気を使っていなかった黒は途中で折れた。後でゴミ箱に捨てよう。


 考えながら私は前髪をかき上げ、呼吸が苦しくなるのだ。


「背負うのは駄目よ、氷雨……背負っちゃ駄目」


「……翠ちゃんもね」


「……そうね。そうなんだけど、駄目ね。目に焼き付いてしまったわ。燃え跡の残った芝が。光りにすら彼らはなれなかったのかもしれない」


 翠ちゃんは机につける顔の位置を変えて伏せ直す。


 光りになる。


 アルフヘイムで死ねば、住人も戦士も関係なくみんな光りの粒になって体が消える。そう、いつかヴァラクさんに聞いたのだと翠ちゃんが教えてくれた。


 燃え跡は私も見た。アミーさんが炎の化身だと言われていたとも聞いた。ずっと無表情だったとも。火柱で三人を包んだとも。海堂さんが、最期に笑ったのだとも。


 死んでしまった。死なせてしまった。海堂さん達を、理想を持った方々を。彼らは競走を壊そうとした。けれどもそれは私達戦士なら一度は思うことに違いない。


 こんな競争がなければ。こんな理不尽許せない。何故自分なんだ。死んでなどやるものか。しかし勝てば相手が死んでしまう。死にたくないが殺したくもない。


 ただ、生きていたい。


 死にたくない。


 誰かを殺して、生きたくはない。


 思う筈だ。少なくとも私は思った。ずっと思ってる。そう思って何が悪い。勝たなければいけないと思わされるのは、負ければ死ぬという罰があるからだ。


 それがなければ勝利になんて縋らない。ディアス軍が統治しようが、ルアス軍が統治しようがどちらでもいい。


 みんな死ぬのが嫌だから生贄を集めるし、祭壇を壊すのだ。


 そのルールが変われば私達には希望があったかもしれない。死ぬか生きるかの極限ではない、もっと別の最後があるかもしれない。


 けれども、見せつけられた。ルールを破れば、変えようとすればどうなるか。


 自軍の戦士を長は容赦なく殺しにくる。使い勝手が悪い駒がいれば勝利が霞む可能性があるから。負け続けている軍の王は、勝つ為ならば負ける要因を孕んだ者を許さない。


 あれには勝てない。


 抗ってはいけない。


 泣語さんに治してもらったあばらが痛んだ気がする。投げ飛ばされた時の反動を思い出せば頬も痛んだ気がする。痛いことだらけの夜だった。理不尽を垣間見た時間だった。


 ひぃちゃんの翼もイーリウで治してもらえた。梵さんの左肩は脱臼していて治せなかった。彼はそのまま帰ってしまった。


 祈君とルタさんは一言も喋ることがなく、帳君も何も言わなかった。翠ちゃんは手の怪我を治すことを頑なに拒んでいた。


 隣の彼女の右手には絆創膏が数枚貼られて、拳を地面に叩きつけていた光景を思い出すのだ。


 みんな、怪我をした。痛くなった。勝てなかった。勝つことなど出来なかった。救えなかった。助けたかったのに。


 無理やり自分達の思う通りにさせようとしてきた方達でも、それでも――彼らは悪い人ではなかった。


 綿済さんは笑わなくなっていた。出会った時の可愛らしい笑顔はなりを潜めて、縋るように戦う子になっていた。その手はずっと震えていたし、泣いていた姿は今にも砕けそうだった。


 紫門さんは棘を持った人になっていた。それは仲間である二人の為に強く背伸びをしたような感覚を与えて、穏やかに自己紹介した彼はいなかった。眼鏡の奥の瞳は常に怒気を孕んでいた。


 海堂さんは輝きを増していた。誰かのリーダーになることが当たり前であるような彼は、その身を呈して仲間を守れる覚悟を持った人だった。誰かを操るという力で、戦うことが嫌だと言う目で、大切な者の盾として立てる人だった。


 思い返せば思い返すだけ苦しくなる。私は口を押さえて、酷い吐き気に身体を震わせた。


 血の匂いがする気がする。


 身体中が痛い気がする。


 海堂麟之介さんを、知っていますか。


 そう皆さんに聞いて「誰?」と言われることを恐れた私は、言葉を確かに飲み込んだ。


 ――タガトフルムの誰の記憶からも消えてしまう。その戦士がいたということが。形跡も出生も、何もかも。相手軍の戦士以外の誰も彼もが忘れてしまう


 ヴァラクさんの声が頭の中を回る。瞼の裏に焼き付いた夕焼けが鮮明に思い出される。


 指先が震えて、私はオヴィンニクさん達が光りとなって消える様を浮かべてしまった。


 空を飛んでいく光りの粒。アルフヘイムで死んだ人達は光りとなって(かえ)っていく。その光りとなる時間は種族によって違う。時間がかかる者もあれば、直ぐに消えてしまう者もいる。


 スクォンクさん達はとても遅い質だった。だから彼らは泣いて、泣いて、泣いたんだ。


 動かない、息をしない、目を開けない、喋らない。そこにいるのに、いない仲間をずっと見てなんていられない。時間が経てば光りとなって消えると知っているのに、その時までは冷たい体でそこにいる。


 想いを()せて、もしかしたらまだ、なんて縋ってしまうスクォンクさんの姿が浮かんだ。浮かんで消えた。


 和真君はどんな気持ちだったのだろう。消えていく彼を見た海堂さん達は、何を思ったのだろう。


 私には計り知れないその感情。まだ大切な人を失っていない私では知り得ない感覚。


 夜来さんはどうだろう。彼は殺される側ではなく殺す側だった。バラバラにして海に撒いた戦士達を見てどう思ったのですか。その戦士達もやっぱり、光りになれていましたか。


「凩さん、教えて欲しいんだけどいいかな」


 考えを止める声をかけしてくれたのは、雲居君。


「ぁ、私で、教えられることであれば」


 私の顔は反射的に笑う。雲居君は翠ちゃんを気にしないように笑ってくれて、私の前の席に座っていた。


 電卓を叩く。頭が痛い。


 私はシャーペンの芯を出し直していた。


 * * *


 勉強会が解散した時。私は今日は送ってもらったのだと一言いい、自転車置き場に行かれる方、バス停に向かう方と順に別れ、湯水さんには何故だか頭を撫でられた。


「湯水さん?」


「……なんかよく分かんないけど、今日元気がない気がしたからさ。紫翠ちゃんも氷雨ちゃんも」


 目を丸くしてしまう。湯水さんは「気の所為だといいな」と背中を優しく叩いて、白い歯を見せて笑ってくれた。


 あぁ、敏い人。聞かないでくれる人。それが有難くて、鼻の奥が痛んで、私は会釈したのだった。


 心配をかけた。申し訳ない。勉強したけど、何故だか地に足が着いていない気分だった。ごめんなさい。


 誰にともなく謝罪しながら、お母さんが迎えに来てくれることになっているコンビニに向かう。


 いつもとは反対方向に正門を出て児童公園に差し掛かったら、数日ぶりに金髪を見た。見てしまった。会ってしまった。会わないように、心掛けていた筈なのに。


「……あ」


「……わぁ」


 私服の――時沼相良さん。


 私達はお互いを見て立ち止まり、私は口角を上げながら視線を斜め下に逸らした。


 整理がつかない。ついてない。ちょっと待って。こうも怒涛の勢いでしんどいが重なったら、本当にちょっと……しんどいんだよ。


「……久しぶり、かな、凩」


「……ですね、時沼さん」


「日曜も、学校なのか?」


「ぃや、今日は……勉強会を」


 ぎこちない彼の声を聞き、ぎこちなく返す。私は笑って頷くことを意識し、ひぃちゃん達が入った鞄をいつからか撫でていた。


 夕焼けが伸ばす影を見る。


 あぁ、それに飲み込まれることはここではないな。


「……今日、徒歩か?」


「いえ……少し、体調が優れなくて……送ってもらったんです。そこのコンビニに母がいます」


「……頑張ったんだな。悪い、引き止めて」


「いえ、全然、こちらこそ」


 体調悪いのに勉強会行ったのか、と聞かないでくれて助かった。「頑張ったんだな」の言葉が体に染みる。


 あぁ、駄目だ、駄目だよ、駄目なんだ。


 髪を引きながら努めて笑い、会釈しながら時沼さんの横を通った。


 鍵は鞄の中。少ない可能性ではあるが、部屋に放置してるのを両親に見られた場合の答え方が分からないから。私は鍵のネックレスなんて持つ趣味はない。


 鍵を渡してはいけない。壊されたら終わる。


 いや、どちらにしてもあと数日で祭壇作成能力は失われる。


 あれ、ならばルアス軍の鍵は?


 私達の作成能力が無くなるなら、ルアス軍の探知能力も無くなるのではないかと思う。


 あぁ、またサラマンダーのシュスに行きたい。壊してしまったことを謝って、服を滅茶苦茶にしたことも謝って、資料は無事か聞いて、直す手伝いも。また資料見てもいいですか、とか。


 後は何を調べるんだよ。ルアス軍について。そうだ、自分達のことだけではなくて相手のことも知らなくては。


「凩」


 考えていれば、腕を掴まれ足が止まる。


 引かれた左腕の勢いで振り返れば、時沼さんが私を見下ろしていた。


 彼は口を開けて、そこから言葉は出てこない。


 嫌に静かな時間だけが流れて、風が揺らした小さな木の葉の音を拾っていた。


「……時沼さん?」


 呼んでみる。彼は目を伏せながら眉間に皺を寄せ、口を閉じて腕を離してくれた。


「……なんでもない、悪いな」


 そう言ってきびすを返し、歩き出した時沼さん。私はその背中に会釈して、同じように踵を返したのだ。


 あぁ、変な気分だ。


 何も知らないままでいられたならば。


 ――大丈夫か


 友人のままでいられたならば。


 ――なんかあったなら、話、聞くぞ


 なんて、口下手で、それでも友達思いの彼に言われてしまうと予想してしまっていた。


 あぁ、弱い、弱すぎるぞ氷雨。


 決めろ、もう迷うのは終わりだ。憂いても失くしたものは戻らない。


 離された腕を摩り、前を向く。


 この胸に巣食う痛みを消化は出来ない。だから飲み込んだまま歩いていけ。


 大丈夫、お前には、翼も、剣も、癒しだってあるのだから。


 殺して進め。想って進め。


 泣きながら未来を願ったあの三人を忘れるな。忘れるなんて許さない。消えてしまった彼らの分まで生きろだなんて勝手に決めない。


 勝て。


 勝たなければ今まで戦ってきた戦士達が、流れた涙が報われない。生きたかった人達の横で、生きたいけれど殺したくないだなんてほざくな、弱虫。


 殺せ、ルアス軍を。ディアス軍の為などではなく、仲間の為に殺せ。


 生贄を集めろ。


 もし次、兄さん達と出会った時は――


「氷雨」


 声の方へ視線を向ける。そうすれば駐車場に停まった見知った車を発見し、車体の横に出て待ってくれていた母に近づくのだ。


 お母さんは私が気がついたと分かると、安心したように笑ってくれた。


「ただいまお母さん、ごめんね」


「おかえり、いいよ、頑張ったね。晩御飯どうしようか」


 他愛ない会話の中で褒めてもらえて、笑ってしまう。


 お母さん、お父さん。


 手を繋いでくれなくても、喋ってくれなくても、私はいい。ただ二人がいてくれる家に帰りたい。


 大好きな家族の元に。仲間と一緒に明日に向かって。


 私は車の助手席の扉を開けて、手を握り締めていた。


意外とみんな熱心に勉強する子達。翠ちゃんも氷雨ちゃんも、努力の結果、勉強が定着してるタイプの子。


翠ちゃんも、プリントが全く埋まらないなずなちゃんに付きっきりレベルで勉強教えてあげたのは、別の話。蔦岡君と舟見君は途中から寝ていたとか、なんとか。


明日は投稿お休み日。

明後日投稿、致します。



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