ダーリンインザフランキス
この作品何から話せば良いか。まずイマイチ。何故見てるか?と言うと希少価値以外ない。ただ横(同時代)の希少価値はあるが、縦(過去)の希少価値が無いからイマイチ。ありとあらゆる展開がどこかで見た事のあるようなもの。後やはりトリガースタッフが居たガイナのエヴァが良く似ている。
ただ、終盤のマグマ燃料って設定とか博士の立ち位置とかは似てないと思う。碇司令も学者だったけど、もっと毛色の違う学者だった。こてこての科学者。終盤一番似てるのはなんと言っても奥さんのユイの事件の類似だと思う。似てないのは、ユイに拘るんじゃなくて、その後研究に没頭していくきっかけにはなるけど、博士が入れあげる対象は奥さんと全く関係ない。
それが02に繋がる。ここは結構面白いんじゃないかな?ただし、敵から創る主人公側ってのがエヴァの使途とカヲルやエヴァの設定とそっくり、ネタバレになるから他にも言いたいが、アニメの王道の王道、敵と自分たち側(そのものやロボット武器)が同類だったって設定。これは本当にかなりの数こういう設定が多発している。
そもそも仮面ライダーが敵に改造されてそこから抜け出してヒーローする設定なので、それを後から知るのか?の違いぐらい。終盤はまあまあ見れたけど、それまではとにかく既視感の連続で萎える気持ちをずっと感じていた。全体のSF的なストーリー運び設定はイマイチ。
それだけならまだ良いが、ロボットバトルが冴えない。これ本当に困ったものだ。最大の問題はチームバトルって流れなのに、これととても似てる作品はファフナーになる。ファフナーの連携バトルに対してさっぱり。エヴァも途中までは連携があるが、あれはその辺り未完成だった部分が多い。チームとしてのバトルのため練習回などあったがファフナー見るとエヴァじゃなくてファフナーと比較したい。
エヴァのバトルが悪いわけじゃない。ただ連携バトルってほどではなかった。で、個性的と言って良いけど、この個性的な部分がとにかく全く生かせてない。かといって個々のバトルの方が良かったと言うわけじゃない。もう言葉にならないほどイマイチ。
ただこれマシなほうなんだ。最大のイマイチはこの作品の一番の売り、恋愛になる。明らかにあの花を意識したキャラデザと声優。あの花の女性声優二人も参加してる。この作品シュタゲの脚本家が参加してる。うーん、まさにエロゲの恋愛色が強い流れ。これをその後来るあの花などの実写の男女グループ者を模倣したような10年代のアニオリの流れがまたやってる感じ。
何がイマイチか?って、一番はこの恋愛部分が単純につまらん…。ただ苺のキャラがそこそこよかった。ただ後々評判悪くしたと思うけど、私も微妙だったのが、恋敵のような立ち位置でちとそれがくどかった。理由は分かる。2クールのせい。この手のアニオリ大半1クール。例外的な作品が凪のあすからだけど、あれも1クール目が間延びしてた。
後02は中々良かった。まどマギ方式と言うか、過去のEPを後でやって上手く繋げるって方法が光っていた。後、設定的に非現実的な世界観を生かしたEPだったのもかなり良かった。そのせいで、リアル系のアニオリ作品と大きな差別化に繋がった。すべて人外ヒロインを生かすためで、これは光ってると思う。ここはそういったファンタジックな設定が多いエロゲ作家の良さが出てる。
問題はこれだけじゃない。この3つの要素が02を除いてすさまじくかみ合ってない。恋愛関係に大半時間を割いてるので、おざなりなロボットバトル。間延びしてるため刺激の薄いSF的ストーリー。コレは致命的、終盤に来ていろいろ明らかになってくるが、これもっと早いテンポでやらないと世界観に興味が持てない。
大きな軸と成る3つの要素がそれぞれ邪魔しあって、かつそのどれも魅力的じゃない。もし同時期に似たような作品があったら多分切っていたと思う。02以外見れる部分がほとんど無い。もし終盤の展開がもっと早く見れていたらと思うと、この作品の欠点が分かってしまう。恋愛描写があまりに多すぎて、そっちがメインみたいになってるので、ものすごく後からしか世界観が明らかになっていかないから。
もしかしらこの先ラストにすごく面白くなるかもしれないけど、1話1話の平均点を大事にする私はまず評価をそれで上げる事は無い。そう考えると本当にイマイチだなと思う作品。欠点が分かりやすすぎる。
さて余談になるが、これ結構見られてる。そこは不思議。オタからは終ったものになりつつあるが、男女間の恋愛物はとにかく受けない。だがそこからもっと広い層になると恋愛って案外受ける。女性じゃないの?そうでもないんだ。確かに女性の方が支持してる感じはある。だが明らかに女性に偏ってるってわけでもないんだ。
どう考えてもイマイチなのだが、広いそうへの受けって点で今時さっぱりなロボット物にしてはかなり広く見られている。その点、どう見てもオタ的には失敗してるのだが、この恋愛物に毛の生えた程度のSF的ロボット物ってこの作品商売の戦略的には多分上手く行ってる。とても複雑な気分だが、ロボット物としてみる自分みたいな視聴者は、お客様じゃないのかもしれない。
そう思うとなんともモヤモヤした気持ちになる。私がこりゃ駄目だって致命的だと思った部分が逆に上手く行ってるってのがね。