第4話 俺の住処が欲しいです
「ふぅ空は気持ちいいな」
「それは良うことで
ところで主人殿何処へ向かえば良いのだ?」
確かに、、、今の街にいても何も変わらないしな
「なあダンジョンのある所には街があるのか?」
「そうとも限らんよ
ダンジョンに強いモンスターが住んでいたりすると誰も挑まないから街はできない」
ってことは、、、
「なら街のないダンジョンまで頼む!」
「かしこまった!」
そういうと猛スピードで飛び出した
「どれぐらいで着くんだ?」
「なに半日もあれば着く安心しろ」
勢いで来てしまったけど強いモンスターってどれぐらい強いんだ?
俺の今いる世界はダンジョンと言われるものがある
ダンジョンの中にはモンスターもいる
ダンジョンを攻略する為に挑んでいる者の事を冒険者という
冒険者のクラスは大まかに分けるとE〜Sまである Sクラスの中で最も強く、功績をもっている連中を勇者と呼んでいるらしい
さっきのやつは勇者と同等の力を持っていたと言っても良い
今の世界に勇者と呼ばれる者は3人だ
その中の1人だったのか?
勇者達が強いダンジョンに挑まず放置しているのだろうか?
疑問が次々と浮かび上がってくる
まあ、後で聞けば良いか
「主人殿着いたぞ」
ここがダンジョン、、?
その風景は目を疑うものがあった
草木はもちろん動物達も居ない
地面もカサカサに乾燥している
目を奥に向けると確かにダンジョンの入り口らしきものがある
「あのーここってどんなモンスターがいるんですか?」
おそるおそる聞くと
「ここには火龍が住んでおるぞ
ランクはJ級だな。
あまりに強く歴代の勇者達でさえ歯が立たずことごとく退かされている」
「まず聞こうなんでここを選んだ!」
「1番近いのがここだったのでな」
「違うだろ!もっと人の住めそうな場所のチョイスっていう優しさが欲しかったよ!」
「それだと南方の孤島になるが良いか?」
嫌な予感しかしない
「どーせJ級とかが住んでるんだろ!」
「少し的を射たな、もしかしたら世界でただ1匹のJ級以上のモンスターが住んでいるという噂がある禁忌の場所だ」
J級以上ってなんだよそんなくらいねーわ!
「もーここでいいよ!
ちゃちゃっと倒してここを住処にするぞ!」
「主人殿がやる気を出してくれたのは嬉しい限りだが某火龍とはめっぽう相性が悪いが良いか?
それに犬猿の仲でもある」
「はい、終わったーたった今人生詰みました」
「なんで火龍の前に来てからそんな大事なこと暴露すんだよ!」
「何をごちゃごちゃ言っている儂の眠りを妨げておいて無事で帰れると思うな
ん?グリフィンか久しい顔を見たのお主が仕える程の人間には見えんがとうとう盲目したか」
「いやはや火龍貴様には負けんよいつも寝たきりで
やはり歳には勝てんか」
ちょちょ喧嘩売るなよ!
「長年の戦いに今終止符を打とうぞ」
はい、グロッキー確定。
だって見てみろよ火龍の姿形を
体なんて俺の何百倍もちろんめっちゃ硬そうな鱗付き
そんであの牙、羽どれを取っても勝てそうにない
オワコン
「主人殿、心配するな主人殿が奴を屈服させれば良いだけの話だ」
それが1番難しいと思われるんですけど、はい。
もーどうとでもなれだとにかく武器が欲しい
冊子を取り出し紙に文字を書く
「確実に当たる銃と絶対に攻撃が当たらない魔法」
魔法の存在ぐらいは聞いている異世界に来たんだ使わない手はないだろう
紙を2枚使って書いた
グリフィンの時同様光とともに銃と頭の中に呪文が浮かぶ
銃を手に取り呪文を叫ぶ
「聖なる盾よ我の血肉と化し我を守れ
アークウォリアー!」
すると目の前に手のひらサイズの小さな妖精が現れ問う
「汝我の力を使いて最強を望むか」
どういう事だ?魔法って書いたのに召喚魔法みたいな、、
ええい 迷ってる場合じゃない!
「俺は自分の住処が欲しいだけだ!」
あ、しまった本当の事言ってしまった、、
妖精を見ると目が哀れみの目になっていた
「その目、やめてくれぇええ」
妖精が咳払いをした
「ごほん、えー改めて力を譲渡しようほれ」
妖精が手を差し出した瞬間光輝いた
「真の呪文を教えよう真の名はグラビティウォリアーさあ唱えよ」
なんかすごく心が痛いがこの際迷ってられない
「グラビティウォリアー!」
しーん、、、
「成功だ 大事に使えよ
家を守るために ぷっ」
よしとりあえず後で呼び出して殺そう
「主人殿そろそろ戦えるか?
某にも限界ある故、、」
見るとグリフィンの体は傷だらけで苦戦しているようだった
「すまないグリフィン
ああ、いくぞ!」
銃を構え火龍に向け撃ち放つ
ドゴーン ガラガラガラー
とてつもない音を立て後ろの山が3つほど消し飛んだ
反動で狙いがそれて後ろの山にあたったようだ
火龍にもかすったみたいだがそれだけでも重症を受けていた
あれ、これ絶対に当たる武器だよな?
威力強すぎだろ、、、
まあいい
よし、もう一発!
「待て!待ってくれ!そんなものをくらえば死んでしまう」
そんな言葉など気にもとめず打つ
それと同時に火龍も口から火を噴くも
火龍に直撃
火龍は倒れこんだ、、、、、
ってことは俺たちの勝利だ!
やっと、やっと俺は自分の住処を手に入れた!心からは今まで味わった事のないような歓喜に包まれる
「よっしゃー!」
「やりよるな主人殿
それでは外に戻るとするか」
そうだな俺の家を早く作らなくてはいけないし」
「待て!」
火龍の声だ
なんだよまだやる気なのか?
「我は今まで一度たりとも負けた事がなかったその意味が分かるか人間」
そう言い放つと黙ってしまった
どうやら俺の出方を見ているようだ
「この噂が流れるともしかしたら俺もっていう勘違い勇者が来て賑やかな事になるな。」
「その通りだ我はそんなものまっぴらごめんだ
よって人間、貴様に仕える事にする
よろしく頼む」
予想外の頼みに困惑するが
火龍が自ら仕えたいと言ってきているのだ断らないに決まっている
何せJ級だしな、、、ニヤ
「その前に1つ質問してもいいか」
「何なりと聞いてくれ我は仕える身になるのだ」
では遠慮なく
「お前の後ろにある地下へと繋がる道は何だ?」
「気付いていたかさすが我が主人となるものだ
この奥にはダンジョンが広がっている
まだ未開の地だS級のモンスターが各階層にいるが彼らはおとなしく
そして何よりバルタスというモンスターが住んでいるのだが其奴らは強さの割にドロップアイテムがレア以上だったり増殖スピードが全てのモンスターで1番と言っても良いほどだ
冒険者にとって良い狩場になるだろう」
「付け加えるとこのダンジョンだけは他のダンジョンと相異なる存在だ
ここにしかないものが山ほどある。」
これは予想以上の答えが返ってきた
ダンジョンだというのは薄々分かっていたがそこまでとは、、ニヤ
頬が緩む
「火龍よ我に仕える事を許す」
少し調子に乗り気味に答えた
「ありがたいこれからよろしく頼むぞ主人」
よし一件落着だし家を作って生活環境を整えるか