激突1
風邪ひいた模様で短い上に誤字チェックが甘い可能性がございます。
おまけに短めです(切りがいいからというのもありますが)
申し訳ございません
その後、俺とカバの幹、そして護衛の戦士の一人だけが大急ぎでカバの幹の集落までたどり着いた。他の子供や職人はそこまで急ぐことが出来ないからゆっくり付いてきている。
隠し通路まで案内しようとしたので、普通の入り口まで案内するように言った。カバの幹は疑問に思ったみたいだが案内してくれた。ナラの幹の集落も大人はたまに交流に言ってたらしいが、俺はまだ子供だったからここまで遠出したことなかったから知らないんだ。
まずは土を操ってこの入口を塞ぐ、2メートル位埋めたらそう簡単に外には出れないだろう。
「なるほど、大地の神の力で入口を塞ぐのか。」
「隠し通路も通気孔を塞げば酸欠も狙えるけど、中は広いし風の神の神官が居るのが気になる。裏口も塞いでちょっと様子見てくる。」
洞窟の中は間違いなくこちらに有意なフィールドだ、ここで仕留めないと。隠し通路から集落の中に入り、内側から隠し通路も塞ぐ。これで外とつながってるのは通風孔だけだ。
推測だが、風の神の司祭やってるエルフは俺が大地と一体化できるように風と一体化できるだろう。その場合エルフだけはここから出れるのだが、やってくれたら好都合だ。残りの連中を毒矢で殺してエルフをゆっくり始末すればいい。
最悪、付き合わされているだけっぽいエルフは逃がしてもかまわないし、ドワーフも俺の敵じゃないから俺は殺すつもりない。ここの集落の連中から逃げられるかどうかは知らないがね。
洞窟の中は完全な暗闇だが、子鬼は真っ暗でも物が見える。蝙蝠と同じ超音波視覚(耳で判断してるので視覚と言っていいのかは謎だが)だ。向うが松明だろうと何の灯りだろうと、視界は間違いなくこちらの方が上だ。
と、思っていたのだがすぐに自分の甘さを思い知らされる。レイサムとか言う斥候だか吟遊詩人だかの頭が光ってる。何のジョークかと思いきや、光の神であろう似姿がおぼろげに見えた。光の神の力で光っているのか。
幸いにして後方だったのと、松明よりは明るいものの距離があったから俺は見つからなかった。ただ、5人居るし松明よりずっと明るいあの光ではこっそり近寄ってと言うのは難しそうだ。
まずは落とし穴で斥候を分断して灯りを奪おう。通路の横に穴を掘って並行して進んでいく。神の力で簡単に穴は掘れるし、大地と同化すると弓を置いていかざるをねくなる。同化した方が実は早いが、素手だと間違いなく負けるから仕方ない。
薄い土壁一枚離れた隣の通路を作りつつ追い越していくと、壁を通して奴らの会話が聞こえてきた。
「この巣穴に例のゴブリンは居ないのか、それとももう逃げられたのか。」
「この規模の巣穴でこれだけしか中に居ないというのは考えにくいですから、秘密の出口とか作ってるのでしょうね。」
「闇の神の集落に大地の神の司祭もいるのでしょうかね?大地の神の子で集落作ってるんじゃないの?」
「だとしても、ここのゴブリンどもは光の神の威光により滅びるべきなのは明らかです。」
「そうは言うがの、儂やそこのエルフは光の神の威光とやらは関係ないからの。お前らの仲間だから付き合ってるだけだぞ。炎の神の神殿からの依頼もたまには受けてほしいんだがな。」
めいめい好き勝手言ってる。もう殆ど掃討済みなのかのんびりとした会話をしていて余裕も感じられる。とすると、他の子鬼は生きてるのがいるのかどうかちょっと心配になる。
大きい部屋の入口手前に落とし穴を作っておく。子鬼の集落には普通落とし穴などと言った罠は作られない。ここは迷宮などではなく子鬼の生活の場だから、ごくごくまれに子供がいたずらで掘ったりしない限りは落とし穴など存在しない(そして、それに引っかかるのもやはり子供の子鬼)。だから、集落に入った冒険者は不意打ちの警戒はしていても落とし穴の警戒はしていないと踏んだ。
そして、それは正解だった。光の神の加護で発光している神官が穴に落ちた。穴はV字に掘って、そこまで落ちるともう一つの穴から弓で狙えるようになっている。距離はせいぜい3m、45度斜め下だが十分狙えるだろう。他の連中が部屋に入ってくる前に毒矢で射掛ける。
「レイサムビーム!」
ニンゲンの斥候が叫ぶと一条の光が俺を襲った。毒矢は多分当てる事が出来たのだが俺も光を食らって、自分の中から何かが失われた感じがする。
とりあえず、ニンゲンなら2時間も放っておけば死ぬ。ここは一度撤退すべきだ。奴が死んだら次の狙いは遠距離攻撃が出来る魔法使いかエルフだな。
そして、ピカピカ光ってるニンゲンから離れて奥の部屋まで逃げ出していったので、俺は自分の体の変化に気が付かなかった。結局、月明りが眩しい外に出るまで気付くことは無かった。
レイサムビームと言わせたいだけでこの人の名前はレイサムでした。
巨人ファンの皆さま申し訳ありませんでした。
なお、次の投稿は体調次第です。




