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すべてを受け入れた時…

作者: 齋藤尚彦

結局僕は、この日自分の中で、旅にまた出ることになった…


今度の旅は今までの旅とは違って楽しいものでもなかった。


本来は、いつもなら自由気ままに永遠の時間を彷徨っていたが、

今回は本当に自分の性格を立て直す為にその力を使う事になった…


しかしそれは効果を得ることが出来たのでそれはそれで、大成功だったと思う…


こうして、僕は性格の中の欠点を埋めた…


20年間の苦しみがそこで幕を閉じた。


その日からはとても楽だった…


以前の様に、人を恨むことはなかった。

何故か、それにとても自信が持てたのだった…


一人よがりかもしれないけど…

でも僕はそれで、長年の苦しみから一瞬にして答えを出すことができたのだった。


僕が行ったことは、話せば長くなる…

だけれど、かいつまんで説明するとこうだった…



自分という、難敵が今まで僕の中にいた…

僕はその難敵に常に邪魔をされていた。


そいつは、人を恨み、困った妄想を抱かせた。

そいつは常に僕の思い方を邪魔していた。


だから、僕は好きな人といる時でさえ、自分から

惑わされていた。


もちろん僕は人を恨むこと自体を恥じていた。


そして、昨日僕は好きな人に思いをすべてうち明かした…

彼女は僕の話をずっと聞いていた…


僕の朗々たる、恨みの言葉を彼女は延々と耐えていてくれた…


僕は、彼女が否定もせずに僕の話を聞いていてくれたことに

意味がわからずにいた…


次の日、僕は学校の生徒たちとの共同制作の時間…


僕自信の難敵とまた退治して、もうそれは大変だった…


僕は、少しの煩わしさにも耐えられないぐらい心は折れていた。


それでも、周りの同級生たちは、僕の個性から来る、妄想の

言葉を聞いてふりをいしていた…


そして、もう耐え切れずに僕は隣に座っている、

彼女に、チャットで、アクセスすることにした…


彼女は、僕の辛さを感じ取り、一生懸命に

僕を否した。


僕はその言葉を素直に聞けなかったので、

言い返した…


諭されるその言葉たちを、冷静に受け止めれば

僕の立場がすべて崩壊するのかもしれないとさえ思えた…


そして、僕は、自分の知恵を振り絞ることにした。


これ以上、周りに迷惑をかけられない…


自分を、手術しよう…自分自身の中に何が

ここまで、人を恨んでしまう原因が存在するのか?


それを、ひたすら、自分の中で、見抜こうと、僕は

その時悟った…


そして、僕は、時間軸を止めた…


空間を自分の内部に広げ…

そして、その中に潜んでいた…


僕の中に、空間を何個も作り続けた…

それを、ワームホールで結んだ…


いわゆる、世界がそこに出来上がった…


それを、何回も繰り返していくことにつき

一瞬に起こる、その心の中の時空間が

広がっていた…


僕はそして、その空間で、

世界の地球儀たちを回した…


過去の歴史の束が、一瞬のうちに

駆け巡りだす…


何千何万何兆という人たちが

その歴史の流れの中で、争いや

愛を繰り返していく…


時空間は、ねじ曲げられているので、それは

客観的な、一本のストーリーでは表せられない

多次元的な無限時空間の束で、捉えていた…


その中での、僕の目的は、一つだった…

なぜこの空間を創りだしたのか…


答えは一つ、すべてを受け入れる人間に成るための

その想像空間だったんだ。


そのために僕は、すべてを許す必要がある…


今という現在の時間の中でのあらゆる世界を受け止めるのであれば

すべての世界の…宇宙の時間軸…歴史…それらを、自分を含めて

受け入れる…即ち、答えを与える、そういう作業が必要だった…


僕はこの瞑想をする前に、免疫細胞を想像した…


あらゆる、負の細胞を回復させる為に…


僕は、その細胞を片手に持ち、そして

その時空に入り込んでいった…


時空の中で、僕はその細胞を増殖させつつも、

すべての、過去の歴史の束に答えと、慈愛を、適応させていった。


そうすることで、全てに、何かしらの答えが裏付けられていった…


そうすることで、何かしらの、歴史的な流れの映像に

僕なりの諦めというか、前向き言えば、包含作用が

起こる現象が発生した…


そして、僕は、10分後…


この世界に戻ってきた…


世界を見る眼が変わっていた…


全ては僕の中で、慈愛の光に包まれていた…


僕はもう人を恨まなくなっていた。

簡単なことだったんだ。


僕に必要だったのは、この作業だった…

そして、全ての苛立ちと、恨みは、なくなっていた…。



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