表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王継承  作者: FIIFII
第二章 日常とはかけ離れた日常を
24/31

二十四話 死水

 シスイを連れて、人気のない近所の公園に移動する。

 骸骨姿の彼は、他の誰からも認識されていないようだった。


「まずはこんな所。いや、世界まで出迎えご苦労」

「まぁあっしには簡単でしたがねぇ。あっしが骸骨の姿をしているのは、既に死んでいるからなんでぇ」


 聞くところによると、シスイは死んでいるらしい。

 だからこそ、この世界に簡単に渡ることができるという。

 ……いや、知らんかった。


「さて、城の皆が心配しているんでさぁ。早く帰りやしょう」

「待て、前魔王のマイン様がこの世界におられた。まだ帰るわけにはいかん」


 シスイは少し黙り込んだ。

 顔は骸骨でも、付き合いが長いトーカーは表情が読めるのだろうか。

 先に口を開いたのはトーカーだった。


「魔王様はこの世界はどういうものなのかを理解しようとしている。既知ならばその知識を授けよ」

「……こんなところで、こんな話もなんです。まずは場所を変えやしょう。拠点は?」

「先ほど話した、マイン様の居住地だ」

「了解しやした。案内をお願いしやす」


 心なしか、シスイの快活さが欠けているようにも思われたが……世界が違うのだ、こんなこともあるかと口は出さなかった。



--------



「あら、おかえ……そちらの方は?」

「お久しぶりでやす、マイン様。シスイでさぁ」


 元家臣、そして元魔王の再会はシスイが先に言葉を投げかけた。

 雰囲気を一変させて(・・・・・・・・・・)


「天上の世界である此処は、死者しか訪れることはない。

 マイン様、あんた誰です?」

「し、シス……⁉」


 それはいつもの口調ではあるが、攻撃的な。まるで責めるような物言い。

 トーカーと俺はその豹変に開きかけていた口を閉ざした。


「そうですね、此処はそういう場所です。

 私は死者。この世界にいてもおかしくないのでは?」

「それがおかしいって言ってるんでさぁ! あんたはあの時死んではいなかった!」


 どういうことだ。

 大昔に起こった戦争でマインさんは死んだと聞いていたが……?


「はぁ……仕方ありませんね。死者である貴方さえいなければ隠し通せたんですが。これも運命ですか」


 間を置いて、前魔王マインは語り始めた。




「――私はここで、この世界で生まれ、一度死にました」


 なに?


「魔王となってあちらの世界で生まれ落ちた私は、数百年前に人魔大戦で命を落としました。

 そして再度、この世界に生を受けたのです。

 転生者、そう呼ばれています」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ